華やかなだけではないCAの世界
とにかく面白いお仕事エッセイ漫画が読みたいなら、この「クルござ」をおすすめします! https://mangacross.jp/comics/crew/1 登場人物たちこそ架空の存在ですが、元CAの作者の体験をもとに普段CAさんがどのような毎日を送っているのか具体的に描かれています。 入社面接、ヘアスタイルの秘密、機内での栄養補給、合コン、入国審査、そして飛行機事故への対応訓練。 機内で素晴らしいおもてなしをしてくださるお姉さん・お兄さんたちが、その裏でどれだけハードな業務をこなし、乗客の命に責任を負っているのか。読めば読むほど尊敬の念に堪えません。 特に「過去に発生した飛行機事故にもし自分がCAとして搭乗していたら」というロールプレイ訓練の話を読んで、航空保安員としてCAさんが負う責任の重さに圧倒されました。 クスッと笑えるエピソードからシリアスまで。客室乗務員とは何かがよくわかる1冊です。
5、6年前に航空管制官とパイロットの無線のやり取りを傍受した動画を観るのにハマっていたこと。そしてこの『クルござ』を読んでいたことで、図らずしも今回のJAL機と海保の衝突事故の現場でプロの方々などんな風に動いていらっしゃったのか、リアルな手触りで実感することができました。
非常用の滑り台を使えば、飛行機から全ての乗客は1分以内に避難できるのだそうです。
ではなぜ煙が充満し炎が迫る中、客室乗務員はすぐにドアを開けなかったのか?
「出してください」と乗客の子供が悲痛な声で懇願する動画がニュースで放送されていましたが、その理由について1巻の最後のエピソード「緊急脱出でございます」に収録されています。
離着陸時の「魔の11分」に乗客はどう振る舞うべきか。命を預かる《保安要員》であるCAさんは非常時に何を考えているのか。
自分と家族の命を守るために多くの人に読んで欲しいと、読み返してみてあらためて思います。
4巻には海上へのボートでの脱出についても書かれているので気になる方はぜひ。