「いいもの見せてあげる。誰にも言っちゃだめだよ」少し照れながら彼女が見せてくれたのは『海の声』という描き途中の漫画だった。今となっては誰もその結末は知りえない。なぜならーーー。内気でクラスになじめない筱榕(シャオロン)は、前の席に座る可蔚(カーウェイ)の綺麗な髪に触れたのをきっかけに、彼女と「ともだち」になる。慣れない関係にとまどう筱榕だが、一緒に漫画を描いたり、猫語で話したりして仲を深めていく。可蔚のおかげで見違えるように明るい学校生活を送る筱榕。しかしある出来事をきっかけにそんな日々が崩壊し、筱榕に影を落とす。その出来事とは……!?
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死んじゃった友達の名前をカッターで手首に掘る女、ヤバ!!
「作品だけでもこの世に残しておかないとその人としての存在が消えてしまう」という思い込みを、自分も創作活動の中に身を置くことで「作者の本当の感情までは理解できない(=作品は作者のもの)」という考えに昇華していく。その克服シーンが、死んでしまった友達と夢の中でネコ語(本当の気持ちを隠したコミュニケーション)を交わす絵で描かれるのが凄い。
"Life goes on"的な物語が個人的に最近刺さることが多い。
星期一回収日さん、『綺譚花物語』と比較すると今作は黒い画面が特に印象に残る。