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当麻ゆいこさん、新連載の「超局地的つぶ!」が始まると共に待望の作品集が発売となりました!
待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか。

表題作である「アンミックス」と、その次の「雨上がりのピィちゃん」だけは続き物で、
″双子の近くには異星人がいる″
という独特の設定を描いた日常系SFです。
擬態して地球人に紛れ込んでいる異星人もおり、友好的な種から敵対的な種までさまざま存在しているという世界を舞台に、一卵性双生児の新と朔が異星人と関わったり影響を受けたりして暮らす様子が描かれます。
暖かさと不穏さが同居するこの2話からして独特のセンスが溢れていることがうかがえます。

そして、その次の「アルパカおばけ」でそれは更に加速します。アルパカのストラップに3年前に死んだ元恋人が宿るストーリー。見た目は滑稽でかわいらしいですが、宿る感情は切実そのもの。溢れる想いに感じ入ってしまいます。当麻ゆいこさんはモノローグに味があり、読後感が非常に良いです。

浮遊体質がある女の子とその幼馴染の絆が描かれる「祝福」は、メインの二人の個性と関係性だけでご飯が食べられます。大変美味しくいただきました。

最後の「フラワーシャワー」も独特の設定とヴィジュアルで楽しませてくれる作品です。そして、最後のモノローグがまた良いです。

Unmixはmixの逆で分離させること。この1冊の中で繰り広げられている物語たちにとって意味深いタイトルとなっています。分離はしても、隣り合ったままのものもあるこの世の中のさまざまなものに想いを馳せます。

フレッシュな才能が生み出す少し奇妙だけど優しい世界、覗いてみてはいかがでしょうか。

読みたい
新進気鋭のセンス溢れる短編集 #1巻応援にコメントする
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スーサイドエイジ
青々とした影の下で息絶えるものたち #1巻応援
スーサイドエイジ
兎来栄寿
兎来栄寿
カドコミがリニューアルされ、とても見やすく使いやすくなった今日このごろ。アプリのBOOK WALKERもこの調子で使いやすくして欲しいです。 そんなカドコミで短期集中連載されていたこちら。 作者のあらやかわいさんは「絶対天使」や「ゾンビは走らねえんだよ」などでも感情を迸らせる女子高生たちを描いていましたが、この『スーサイドエイジ』も、まさに自身が高校卒業する際に同人誌として描いたもののリメイクだそうです。 第1話 天真爛漫な合田さん 第2話 陸上部の松田さん 第3部 惰性に生きる田嶋さん 第4話 優等生の真田さん 第5話 学校嫌いな金子さんと刈谷さん 第6話 卒業式 という目次を見ていただければ解る通り、概ね1話ごとにメインでフィーチャーされるキャラクターは変わりながらも、同じクラスで共に過ごす女の子たちを描いた群像劇です。 まず、シンプルに絵に惹きつける力があります。スタイリッシュな作画で描かれる女の子たちが魅力的で、特に三白眼になりがちな眼力の強さが良い。個人的な好みで言うと、4話でチラシを配っている金子さんの横顔と、6話の包帯の子が特に好きです。 そして、「女子高生」という特別な3年間が終わるに際して生じるさまざまなものが入り混じって消化不良を起こしそうな感情を若々しさを迸らせながら表現しているのも良いです。人生において、その瞬間にしか湧かないものというのがありますが、この作品にはそれがしぬかりと込めてあります。普通の人であれば、記憶の中から時と共に少しずつ薄らいでいくであろうものがこうして作品として永遠に残る形で留められている。それは、他者が触れれば自身の記憶に呼応して何かしらを呼び覚ます契機にもなり、またいつか歳を重ねて自分で読んだときにはその貴重さを噛み締める類の素晴らしい営みであろうと思います。今の私には、この昏さが眩しいです。 作品の構成もまたとても良く、1冊で綺麗に完成しているのも美しいです。あれだけ楽しい時間を一緒に過ごした友人でも、その裏にあるものをまったく知らないこともあります。努力していた人。怠惰な人。真面目な人。奔放な人。他者に行っていたさまざまなラベリングのその裏は、もしかしたらこんなだったのかもしれないと思わせてくれます。 ウクライナやパレスチナにいる同い年の子の存在を思えば日本に生まれて毎日食べるものや水に困らず今この瞬間に命が消されることに怯えなくてもよく、さまざまな権利があるだけでも幸せなはずです。しかし、たとえひとつひとつ大きな不幸を消していっても残った小さい不幸の大小が隣の人と比べてほんの少しでも大きければ結局不幸だと思ってしまうのが人間。難儀なものです。人間はどこでも幸せになれるし、どこでも不幸になれる。若いころなんて特に今の自分が宇宙のすべてであるのもよく解ります。ああ、苦い。 キャラクターで言えば、容姿的にも関係性的にも金子さんと刈谷さんのエピソードなどはどうしたって好きです。ここを煮詰めたものなども一回描いてみて欲しいなと思うくらいには、短い中に良さが溢れていました。 あらやかわいさん、瑞々しくて初期衝動に満ちていて、これからますますたくさんの傑作を描いていくであろうことを確信できる1冊で今後が楽しみです。
お見合いにすごいコミュ症が来た
もしもお見合いに虚無僧女子が来たら #1巻応援
お見合いにすごいコミュ症が来た
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兎来栄寿
兎来栄寿
Twitter(現X)で掲載した読切が大反響を呼び、連載化された異色のラブコメです。 40歳の会社員伊丹は、婚活サービスに登録して1年ほど頑張っているもののなかなか良い相手に巡り会えずにいた男性。そんな伊丹に密かに思いを寄せる28歳の部下の園田さんがかわいくて仕方がありません。 園田さんは、自分の友達を紹介するという体で自身が虚無僧の天蓋を被ってコミュ症の「野田」と称して伊丹とのお見合いを断行します。そうして12歳差+相手の顔を見れない状態での不思議なお付き合いが始まっていきます。 『光る君へ』で『源氏物語』が盛り上がっている昨今ですが、かつては滅多に顔を見せることがない状態が普通だったわけで、今の慣習からすると特異には見えますがある意味では回帰的であるとも言えるのかもしれません。 普段会社では常にクールな佇まいである園田さんですが、ひとりになると思考も言葉もヒートアップして暴走していくさまがたまりません。何なら、この作品はそのシーンを見るために読んでいるようなところがあります。がんばれ園田さん、負けるな園田さん! 君に明日はある!! また、そんな園田さんが惹かれる伊丹の優しさと健気が応援したくなる感じで良いです。なぜ好きになっていったのか、どこに愛情が湧いてくるのかという部分のエピソードが良いですね。伊丹はいわゆる子供部屋おじさんではあるのですが、おじさんというものが女性からあまねく嫌われる存在であることを自覚して常に一歩引いたところにいようとする姿に親しみを覚えます。 ただ、母親と同居している家を手放せないなどの事情もあって婚活難易度が高くなっているところがあるのはリアル。もし結婚しても、一回りの年齢差があり特に男性側の年齢が高い場合は老後も気がかりになるのはその通りです。男性も40を超えてくると妊活もなかなか大変なこともあるでしょう。それでも、園田さんと無事に幸せな家庭を築いていって欲しいです。 余談ですが、4話で登場する虚無僧にやたら詳しい主婦が好きです。
東京宵待シンデレラ
女性向け風俗にまつわる群像劇 #1巻応援
東京宵待シンデレラ
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兎来栄寿
兎来栄寿
ドラマ化もされ大人気を博しながら先日最終話を迎えた『明日、私は誰かのカノジョ』ですが、いわばNEXT『明日カノ』となりそうな風格を感じる作品がこちらです。 女性向け風俗をメインテーマとした群像劇で、最初は小説家の女性・晴海の物語から始まります。中学時代の経験から恋愛に向いてないことを自覚しその時に死んだと思っていた感情が、女性向け風俗を利用することで想像もできなかったほど劇的に蘇っていくさまが描かれていきます。 サブタイトルが「アポトーシス」ですが、晴海の父親が元化学教師であるというところから夜職のマンガでしっかりとネクローシスとアポトーシスが語られるのは面白いです。そうした育ってきた家庭環境を含め登場人物それぞれにあるバックボーンが詳らかに語られていくことで、現実にもありふれていると感じるようなエピソードでも独自の色が生まれて深く入っていけます。 また、晴海を担当するセラピストのアキトはその次の章ではまた別の立ち位置で違う側面を見せてくれます。仕事では誰かの支えになりながら、プライベートでは自分も他の誰かに支えられて生きている。この群像劇ならではのそれぞれのキャラクターの多面性を見せてくれる構成が、夜職などの華やかな面と現実の対照性とも非常にマッチしていて面白みを感じさせてくれる部分でもあります。さまざまな利用者やセラピストを始めその周囲の人物たちを通してそれぞれの物語を見せてくれます。 人間はつくづく幻想に生きているし、それでも幻想によって生きられるのならそれでいいと思います。ただ、幻想を追い求めすぎて幻想を見せてくれる現実の人間に縋り過ぎるようになってしまうと破滅の足音が忍び寄ります。それでも追い求めてしまうのが人間というものですが。強く共感できる部分もあり、共感はできないけど理解はできるという部分もあり。 近年は女性向け風俗がマンガで扱われることも急増してきたと感じますが、この『東京宵街シンデレラ』は最大手の「東京秘密基地」への取材も行いながら丁寧に描かれていることもあってリアリティがあります。 あとがきマンガにその取材の様子も描かれていますが、そこの元オーナーさんの浮世離れしたコメントの数々だけでも面白いです。 東ねねさんの絵もアシスタントの方が描く背景も非常に美しくヴィジュアル的にも人気を得やすいと思いますし、今後実写化などしてブレイクしていくことが大いに期待される作品です。
冒険者絶対殺すダンジョン
ダンジョンが熱い今だからこそ #1巻応援
冒険者絶対殺すダンジョン
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兎来栄寿
兎来栄寿
『ダンジョン飯』や『葬送のフリーレン』や『俺だけレベルアップな件』といった大人気作品のアニメ版でダンジョン攻略が現在絶賛放映中で、先日は弐瓶勉さんの最新作『タワーダンジョン』も1巻が発売し、いまだにTLでは『シレン6』が盛り上がっている世間がダンジョンに湧く今、最高のタイミングで満を持して発売されたこの『冒険者絶対殺すダンジョン』。 昔テクモの『刻命館』というゲームのシリーズが好きでした。普通のゲームは冒険者としていろいろな場所を旅するのですが、『刻命館』シリーズはそうした冒険者のような者たちを含めて侵入者を罠に嵌めて殺していくゲームです。罠によるコンボを作るのが非常に楽しかったですね(第1作はメモリーカードを9ブロックも使うので大変でしたが)。 本作は、まさにそんな『刻命館』シリーズのような楽しみを味わえる道満晴明さんの最新作です。 トラック事故で死ぬと冒険所に、落ちてきた飛行機のエンジンに潰されるとダンジョンのフロアスタッフに転生するという世界で、見事に飛行機のエンジンに潰されてしまったナハトとアイネのふたりが主役となり、毎回さまざまな方法で冒険者を待ち受けたり逆に自分たちが死んで復活(リスポン)したりする物語です。 道満晴明さんらしい、あっけらかんとした下ネタ(サキュバスに前立腺の位置を教えてもらったり、MM号が出てきたり)やメタさ(冒険者がエリクサー症候群で使わなかったエリクサーを回収して保管していたり、「ここだけSNSに拡散されたらやべえ奴〜〜」というセリフだったり)が随所に出てくるのも流石で好きです。マンドラゴラの描き方や設定ひとつとっても、これぞ道満晴明さんと膝を打ちます。 また、特に6話や14話などは短編で設定を活かしながら巧く落とすのが得意な美点もよく出ています。最後にブレイバーンのような最新のネタまで放り込んでくる辺りも流石です。 かわいい絵柄でありながらそこそこエロスとバイオレンスが盛られていますが、その辺り込みで美味しく食べられる方にはお薦めです。
ラスボスラブデス/ラスボスラブデス
ラスボスがヒーローを鍛える真の理由とは? #1巻応援
ラスボスラブデス/ラスボスラブデス
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兎来栄寿
兎来栄寿
『グリーングリーン』、『私立アキハバラ学園』、『CARNIVAL』、『グリザイアの果実』などのフロントウィング作品や『神様家族』、『南青山少女ブックセンター』などでも知られる桑島由一さんが原作、『オヤマ!菊之助』の瀬口たかひろさんが作画を担当する作品です。 昨シーズンは『16bitセンセーション』が放映されさまざまな郷愁に駆られていましたが、昨日は『同級生2』のリメイク発売が発表され『夜勤病棟』リメイクが発売。『ヘブンバーンズレッド』は『Angel Beat's』との第二弾コラボで盛り上がっており、往年の界隈の熱が現代にも感じられることに目を細めます。 田中ロミオさんや丸戸史明さんなど強い作家性を持った方々もマンガ原作という形でも活躍する昨今、桑島由一さんも参戦してきたのは熱いです。 1ヶ月前に天からの啓示を受けて、悪と戦う正義のヒーローとなった3人の少女たち 「シールド」の渚楓花(ふうか)。 「スピード」のジュリ。 「パワー」の奏音(かのん)。 そして、彼女たちを統べるアルペジオ。 しかし、悪の組織"髑髏団"のボス・ダークスカルの圧倒的な力に完敗した後、名前や衣装にダメ出しされ説教を受けてしまいプロデュースされることとなります。 ダークスカルがなぜ、敵である彼女たちに手を掛けて強く鍛え上げるのか? その裏には確固たる使命と目的があり、さらにその部分にもさまざまな裏がありそうで、類似する要素を持つ他の作品群との差異化が図れています。この辺りはやはり別の畑で長年経験を積んできた方々特有のセンスと地力を感じさせてくれるとことで、大きな見どころとなっています。冒頭にとんでもないカットバックがありますが、それが夢オチ的なものでないとするならそこに至る関係性の変遷などの過程、その前後も楽しみです。 また、細かい掛け合いにも味があります。 「神話からの引用はもうお腹いっぱいなんですぅうぅう!」 「七つの大罪もだ」 「タロットカードとチェスからの引用もな」 「不思議の国のアリスもです!」 というメタい会話など、好きです。 なお、キャラで言うと私は当然奏音ちゃん推し。世界の半分を敵に回すことを覚悟で言うと、奏音ちゃんには常にメガネを外して髪を下ろし黒髪ロング状態でいて欲しいです。ひとりだけ効果音にやたら「むち♡」「むちちっ…」と付けられる彼女の体の描き方は、瀬口たかひろさんの精髄を感じます。一方で、彼女たちの能力を発動する際などの気合の入った作画は迫力満点です。 巻末で「続巻は怒涛の展開」と言及されており、今後のストーリーがとても楽しみです。
日本の月はまるく見える
当事者が描くBLが規制された中国のリアル #1巻応援
日本の月はまるく見える
兎来栄寿
兎来栄寿
普段は意識せずごく当たり前のものとして享受していることが、少し時や場所が変われば当たり前ではないということはままあります。本作は、日本でデビューを目指すBL作家を通してそういった当たり前の大切さを気付かせてくれる作品です。 小6で男性同士の恋愛シーンに出逢って目醒めた主人公・夢言(ムゲン)。26歳になった現在もBLを愛好し漫画家として活動しているものの、中国国内において表向きBLは禁止されている状況で、担当編集にもBLを描けないとダメなら切ると言われ本当に好きなものを堂々と描けない苦しみを受けます。 かつては好きなようにマンガを描いてpixivにアップロードしていたものの、国の規制でブロックされてしまいVPNを使っても繋がらないことが増えてしまったという現状。 しかし、そこに日本の編集者からのメッセージが届きます。それと同時に、かつて自分の描いたマンガを破り捨てた幼馴染の致遠(チエン)との縁談が持ち上がり、夢言の運命は一気に加速していきます。 日々さまざまなマンガやアニメ、ゲームや小説、映画やドラマなどに触れている私たちですが、日本に住んでいると政府による検閲や表現規制、インターネット規制がごく当たり前に行われている社会がすぐ隣にあるということは忘れてしまいがちです。アジアを見渡しても、まだまだ各種表現への規制は厳しいところが多いです。 それらは決して対岸の火事ではなく、一歩間違えれば日本もこれから同じようになっていってしまう可能性があります。さまざまな理由で表現を規制しようとする人と、たとえ自分が嫌いなものであったとしても表現の自由は守ろうという人が日々鬩ぎ合っています。 街の書店でBLマンガを買って読んで、同じものを好きな人とネット上で知り合い語り合う。日本人なら当たり前のようにできるそのことが、どんなに難しくて稀有なことなのか。逆に言えば今この日本における状況がどれだけ恵まれたものなのか、ということを改めて思い出させてくれます。 この作品は、作者の史セツキさんが自身の体験も基にして描いているので、日本の作家ではなかなか出せないであろうリアリティが随所から滲み出ています。 興味深かったのは序盤の「双親角」。子供を結婚させたい親同士が互いの子供について情報交換をする場所のエピソードです。そこでは年齢・身長・卒業大学・仕事・年収が訊かれる様子が描かれているのですが、こういう場でも身長が特に重要なステータスとして出されるのだなぁと。中国人は面子を重んじるので身長も高いことが尊ばれ男女問わず身長が低いと侮られやすいとは聞いていましたが、特に女性に関してはそこまで身長を気にすることはない日本人からするとなかなかの文化の違いを感じさせられます。 『魔道祖師』などのように、国境を越えて大人気を博していく作品がこれからますます生み出されていくことでしょう。しかし、この作品の夢言のようにそれが叶わず苦心している人も世界にはまだまだたくさんいるはずです。そうした人たちが堂々と自身の才能を世に発していけるような世界を作る一助になるために、より一層仕事を頑張りたいと思わせてくれた作品です。
日向さんの恋する温度
このクーデレ女子が熱い! 2024 #1巻応援
日向さんの恋する温度
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兎来栄寿
兎来栄寿
『私の愛した母の恋人』の須野ゆき子さんが描く、クーデレ女子と冷え性男子のオフィスラブです。 早い、強い、かわいい。 三拍子揃っている理系女子の日向こはるは、いわばクーデレ界の吉野家です。 まず、早さについて。本作は展開がとても早いです。自分にはない社交性を持っていて周りを明るくすることのできる蒼井涼介への秘かな憧れが結実して、1話からこはるはデレを見せてきます。友人・同僚以上恋人未満の期間特有のもだもだ感を長く楽しみたいという方には向かないかもしれませんが、その分熱いイチャイチャを長く楽しむことができます。 次に、強さについて。27歳化学メーカー勤務のこはるは、昔から一人で勉強や研究に没頭していたタイプで人とのコミュニケーションに難があるタイプです。それ故に、恋愛についても疎い。理系女子として面倒くさい思考もしがち。しかし、だからこそ距離感がバグっていて強ムーブをしてしまうこともあります。通常だと女の子が冷え性で男の子がそれを温めるのが定番ですが、逆であるのも面白いです。1度燃え上がると実は激しいこはるの強火のデレをたくさん味わうことができます。中学生のような恋愛でありながら、大人なので健康的にやることはやる熱々さが良いです。 そして、かわいい。シンプルに須野ゆき子さんの描く女の子がかわいくて、ここぞという決めシーンでの表情が好(ハオ)なのはもちろんなのですが、社内でのイメージと実際のこはるのギャップはクーデレの真骨頂。おまけマンガなどでも非常に積極的ですが、不器用さも残したこはるの様子がたまりません。初々しくも大好きムーブを連発するこはるのかわいさを堪能してください。 クーデレヒロインが好きな方、理系女子の恋模様を見たい方にお薦めです。
パリッコの都酒伝説ファイル
酒が生み出す強めの幻覚のようなマンガ #1巻応援
パリッコの都酒伝説ファイル
兎来栄寿
兎来栄寿
ルノアール兄弟×酒ライターパリッコさんという、混ぜたら危険な組み合わせによるとんでもないマンガの1巻が出ました。 この世には良い酔っぱらいと悪い酔っぱらいがいます。 悪い酔っぱらいは人に迷惑をかけます。一方、良い酔っぱらいは人の心を和ませて楽しませます。 この作品は、良い酔っぱらいの所業です。 さまざまな都市伝説やオカルトネタと、酒ネタを組み合わせることでとんでもない読み味を生んでいる作品です。 『MMR』の樹林さんがワインマンガの金字塔『神の雫』を生んだことを考えれば、あながち都市伝説と酒の組み合わせは悪くないのかもしれません(そうか?)。 とにもかくにも、語彙が強い。 「神秘交信飲酒(チェアネリング)」 「行きつけの路上飲みスポット」 「宝焼酎はノーマルでも  うめぇんだよおおお!!!!」 「麹次元の存在」 「上ミノタウロス」 「U うんと飲んでも  F 二日酔いにならない  O おじさんになろう」 「鬼ころダウジング」 「地球はホテイの焼きとり塩味だった」 「酒蒸しとは錬金術の一種なのです」 「缶詰太陽系」「缶詰グランドクロス」 「4千万年に1度の飲酒体験」 「キンミヤ焼酎はナスカ文明の遺したオーパーツ」 普通の人生を歩んでいたら、絶対に遭遇しないであろうパワーワードのオンパレードや細かいボケの数々には何度も声を出して笑ってしまいます。 チェアネリングサークルに宝焼酎4リットルを置いて交信飲酒することで極上宝焼酎を召喚する件とか本当に好きです。 ホッピー大好き人間としては、FILE.4の「ホッピーラビリンス」の回などは幕間コラム含めて愛しいレベルです。そう、このマンガの世界と現実をつなぐ役割を果たす酒好きならではのコラムもまた良いんですよね。 ホテイの缶詰が異様に美味しそうに描かれているので、静岡県民にも強く薦めたいです。また、地元である吉野の酒の八咫烏が登場する回は嬉しくなってしまいました。 酒蒸しに関しては本当に手軽で美味しそうなので、釣られて作ってみたくなります。実在する良い呑み処の紹介などもあり、酒好きは深い共感を得られる堪らない作品です。 基本的に1話完結型なので、どこから読んでも大丈夫です。どこか1話だけでも読めば、この謎の熱量の虜になる……かもしれません。 巻末を含めすべてが狂っていますが、狂気の沙汰ほど面白いのです。
レトロゲ
生粋の作者が描くレトロゲー×美少女 #1巻応援
レトロゲ
兎来栄寿
兎来栄寿
20年以上前のゲームをレトロゲーとするなら、プレイステーションやセガサターンはおろかプレイステーション2やゲームキューブやニンテンドーDSすら最早レトロゲーという時代。いかがお過ごしですか。良いんです、私たちは『ガンダムSEED』を観たり『FF7REBIRTH』をプレイして盛り上がって楽しく生きていましょう。 さて、皆さんレトロゲームはお好きですか。かわいい女の子×レトロゲームという組み合わせの作品も増えてきた昨今ですが、本作は一味違います。なぜなら、原作者があの『Final Re:Quest ファイナルリクエスト』の日下一郎さんだからです!(『ファイナルリクエスト』は私の激推し作品のひとつですので、未体験でしたらぜひ検索してみてください) 主人公・英川叡子の「サブカルにも詳しくレトロゲーの知識もYoutubeで学んだ」という設定は、時代だなあと感じずにはいられません。2000年以降に生まれた子がファミコンを知るのは親兄弟などに愛好家がいないと無理ですからね。カセットをふーふーした体験とか持ってなくて当然なわけですよ。 その成績優秀な叡子の更に上を行き、塾でいつもトップを取っている美原美子は、正真正銘本物のレトロゲー好き女子。いえ、好きというレベルを超えた何かの域に達しています。 第1話では、美子が「ファミコンを代表する1本は何か」と問い、叡子は『マリオ3』と答えます。わかります。アイテムで自由に空を飛べるようになってますますアクションに幅ができ、ミニゲームや満載の裏ルートや隠し要素なども最高ですからね。それに対して、とある理由により美子が返す答えは『'89 電脳九星占い』。もう、この時点で格が違っておりこのマンガの本気度が伝わりますね。 マンガに例えるなら、「『ガロ』を代表する1冊は何か」と問われて『カムイ伝』と答える一般人に対して『『ガロ』に人生を捧げた男 ― 全身編集者の告白』と答えるような感じでしょうか(余計伝わりにくそう)。 世間の皆が『ドラクエ』や『FF』に興じていた中で、それらもやった上で『アマランス』や『グレイストン・サーガ』にも興じていそうなオーラをビンビンに感じます。 3話では、究極の問題である『ドラクエ5』の結婚にも切り込みます。叡子はフローラ派であり、長年迫害を続けられつつもPS2版では幼少期にビアンカよりも早い登場があり大逆転を果たしたものの、『いたストDQ&FF』にて性格に難がありすぎてまた辛い思いをした私にとって推しポイントは違うものの勇気付けられる話でした。 5話の冒頭の懐かしいCMネタなどにも、往年のゲーマーならニヤリとしてしまうことでしょう。ドリームキャストで通信費がえらいことになって親に鬼詰めされていた友人は元気かな。 黒い「R7」などは、日下さんならではの、他の人にはなかなか描けない領域の濃ゆいレトロゲーネタでしょう。そういったものが好きな方には最高の作品です。もちろん私は大好きです。 クソゲーへの向き合い方も、愛を感じてとても良いです。さすがに6人プレイはしたことないですけど。 毎回のピアスやイヤリングに、そのときに扱う作品や事象が示唆されているのも面白いです。ただレトロゲームについてマニアックに語るだけでは終わらない展開も見どころです。 海外に日本のレトロゲームが流出していく流れが激化する昨今、ザリガニやミカドなどに行くのが好きな私としてはああいう遺産レベルのゲームを国内に保全する大きな場所ができてほしいですね。1巻最後に出てくる美子の家は憧れです。 ともあれ、レトロゲーマーとしては、「そんな話をもっとしてくれ…もっと……!」と赤木の前の銀次のようになる作品です。
アイアンファミリア
『オナ禁エスパー』作者が描く王道バトルファンタジー #1巻応援
アイアンファミリア
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兎来栄寿
兎来栄寿
『オナ禁エスパー』で一躍名を馳せた竜丸さんの、待望の連載作品です。 人造人間であるホムンクルスが存在する世界を舞台に繰り広げられる、随所に王道少年マンガ感が溢れているダークファンタジーとなっています。 王道であるが故に展開には既視感を覚える方、特に第1話はプロットに『チェンソーマン』を感じる方は少なくないでしょう。しかし、そこは竜丸さん。徐々に独自の持ち味を発揮していきます。 特に1巻で見どころなのは、3話の「新人の通過儀礼」。主人公テツヲが新たな生活を始める拠点となる蜂須館において、自称「かしこくて知的で頭の良い十四歳」シローと自称「十三歳で館一番の美女」カレンが課すとんでもない対決です。ここに竜丸さん節極まれり。 蜂須館の主であり母性と底知れぬ強さを感じさせる蜂須さんや、自称蜂須館で一番キュートなホムンクルスことクレコさんなどのキャラもとても良いです。立っているキャラは続々出てきますし、それぞれの固有の能力に伴った掘り下げも楽しみです。 また、 「多勢に無勢 去勢のひとつでも張ってみろ」 や 「血飛沫に反吐と硝煙」 のような七五調が滲み出る独特のセリフのセンスも小気味いいです。 時折混じるギャグとシリアスの塩梅も良く、濃ゆいオリジナリティを上手く人口に膾炙するように落とし込んである作品となっています。純粋な尖った作家性を見たい方は『オナ禁エスパー 竜丸短編集』の方をお薦めしますが、王道少年マンガを好きな方にはこちらもお薦めです。
パンチラッシュJKタラちゃん
『股間無双』作者が送る健康的JK格闘 #1巻応援
パンチラッシュJKタラちゃん
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兎来栄寿
兎来栄寿
『股間無双~嫌われ勇者は魔族に愛される~』のジブローさんが原作を務め、新鋭の斯道歩さんが作画を担当する本作。 身長2mを超える威圧感ほとぼしる風貌で中学時代に喧嘩無敗の「拳王」と呼ばれ恐れられた男・二階堂勝王(かつおう)は実は一度も戦ったことがないビビりで、本当に強くて武で頂点を目指しているのは双子の妹である多薇(たら)だったという設定で始まる健康的学園格闘マンガです。 ジブローさんの作品ということで『股間無双』をお読みの方であればご存知の通り、良い意味でとても頭の悪いマンガとなっています。だが、それがいい。 勝王いわく「学校で一番風紀を乱している」教師である吉良綺羅々(きらきらら)先生はとにかく「バルン」「バルン」という擬音を放ちながら初登場から4ページかけてその恵体を見せつけてきますし、多薇と最初に戦うことになる″鉄拳アングリー″こと中島亜久里(あぐり)も自身の癖を露わにする妄想を3ページかけて見せつけてきます。いい趣味してるぜアングリー! 1話読めば解る、健康的な描写への尺の割き方に安心と信頼のジブロー節を感じずにはいられません。「パンチラッシュ」の「ッシュ」の部分から色を変える装丁も、作り手の意志と意気込みを感じます。 斯道歩さんの高い画力が存分に生かされたパンチラやパンツ舐め構図の豊富さは、大変に健康的です。かと思えば、格闘アクション部分の描写も非常に力が入っていて迫力があり格闘マンガとしての楽しさもしっかりとあります。 スネ毛のキモさに定評のある″スネ一文字″ローキック菊郎のようなダサい名前のイケメンがブチ切れている性格で、しかもしっかり強いのは坂本ジュリエッタ的な何かを感じます。 巨乳で絶対領域持ちの黒髪ロングストレートJKがガチで戦うマンガが好きな方、『はぐれアイドル地獄変』や『一勝千金』が好きな方にオススメです。 それにしても、長谷川町子さんもまさかこんな作品のモチーフになるとは思っていなかったでしょう。
ザ・キンクス
「うれいらずたのぼー!」 #1巻応援
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兎来栄寿
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『ルックバック』の劇場版アニメ化が本日発表されましたが、藤本タツキさんもファンであることを随所で公言する榎本俊二さん(『チェンソーマン』ファンの方はぜひ『斬り介とジョニー四百九十九人斬り』を読んでください)。 これまでも『GOLDEN LUCKY』や『えの素』に始まり、『榎本俊二のカリスマ育児』や『思ってたよりフツーですね』、近年では『アンダー3』や『表4子ちゃん』などさまざまな作品で溢れ出る虹色の才能を披露してきました。下ネタとギャグの印象が強い方も多いかもしれませんが、決してそれだけではないことは『火事場のバカIQ』などを読めば一目瞭然です。 そんな榎本俊二さんの最新作。従来の作品とはまた違ったテイストを提供してくれています。35年のキャリアを重ねながら、未だに独自のセンスを縦横無尽に発揮し続けているのは尊敬します。まるで、汲めども汲めども枯れない泉のよう。 本作は、あとがきで筆者自身が語っているようにこれまでは掌編や4コマが中心だったものの残り少ない人生の中で挑戦をしようと描かれた、毎話16ページの連載です。 内容としては、小説家の隅夫・妻の栗子・中学生の長女茂千(もち)・小学生の長男の寸助の4人家族である錦久(きんく)一家を中心にしたコメディ……という字面から想像できるものの数段階斜めに行ったものです。 まず、4コマや掌編を思わせるコマ間のテンポの良すぎる展開。 栗子が 「うえー同窓会だって 行かない〜〜〜〜」 と言った次のコマではおめかしして 「行ってきまーす」 とコロッと言動が反転していたり、 「来月までにお芝居の台本書いてくれない?」 と栗子に言われた隅夫が 「断る」 とやや大きめのコマで拒否した次のコマでは 「おはよー何書いてるの?」 「芝居の台本だ」 と言った具合です。 普通ならこの間に何かしらのコマを挟みそうなものですが、それを省いています。 また、このスマホで読まれることを意識する時代には珍しく、各ページ3〜4段を基本として5段のコマもあります。これらによって、1話1話の情報量が多く密度が濃くなっています。 そして、普段は詰め込んだコマ割りでありながらここぞというときには大ゴマや見開きで爆発させる。この緩急が読んでいて非常に爽快です。毎回の「ザ・キンクス」の題字の出し方など最高です。 また、義両親との関係性であったり保護者面談であったり、子育てや田舎あるあるであったり、社会的に地の足のついたテーマをリアルに描きます。孫に良いもの食べさせてしまう祖母、かわいい。しかし、そこから突然翼を生やしたように羽ばたく自由な発想が注入されていくところは流石のセンスです。旗振り当番の話を考えさせても100人中99人はそうはならないでしょう。 1話の言葉遊びや5話の物語創作の技法や空想のお話、番外編の哲学性など、榎本俊二作品らしさが溢れているところも堪りません。6〜7話の構成力の高さなどは、素のマンガ力の高さに感服させられます。 かと思えば、抽選会の2等の賞品が「高級赤外線スコープ」であるところなどはちょっと普通には出てこないセンスです。 「うれいらずたのぼー!」は声に出して読みたくなるセリフで2024年筆頭クラスになるのではないでしょうか。マンガを読むときに普段はまったく使わない筋肉を使って筋肉痛になるような快感があります。 見所が詰まりすぎていて、人によって好きになる点や良いと思う点がそれぞれにあるのではないでしょうか。 榎本俊二さんは凄まじいマンガをたくさん描かれてきているのですが、近年の主要なマンガアワードではあまり名前が挙がることがありません。しかし、この『ザ・キンクス』はほど良い具合のキャッチーさとニッチさを併せ持っており、下ネタもないため広く薦めやすいこともあって「このマンガを読め!」のようなところで上位に入るポテンシャルを感じます。ぜひ何かで上位を獲って、改めてこの天才的なセンスを世に知らしめて欲しいです。 余談ですが、あとがきマンガの1コマで積み重ねられた本の中に「チェンソー」というタイトルがあるのは藤本タツキさんは嬉しかったんじゃないかなぁと勝手に思っています。『ロマンガロン』と並んでいるのも良いですね。
十五野球少年漂流記
新たなる遺志を継ぐ、高校野球物語 #1巻応援
十五野球少年漂流記
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兎来栄寿
兎来栄寿
『カノジョは絶対、ボクのこと好きなはず』や『Dear Monkey 西遊記』の白井三二朗さんが描く、新たな野球ストーリーです。 白井三二朗さんといえばどちらかというとかわいい女の子を描くイメージが強かったのですが、2021年に読切「邪神打線」を描いていることもあり野球マンガを描きたい想いが強くあったのかもしれません。 タイトルだけ見ると「15人の野球少年が異世界転生して野球するのかな?」と思う方もいるかもしれませんが、純粋な野球マンガです。ただ、近年また新しい野球マンガがたくさん登場していますが、本作も切り口は独特なものとなっています。 30年以上の高校野球監督歴の中で3校通算22回も甲子園に出場し全国制覇も成し遂げた名将・大倉祐一。そんな大倉が率いる名門校・東王を、かつて公立校として追い詰めた県立大江山高校のピッチャーであった若林耕一郎。 そのふたりが、100年女子校として続いてきた博愛学舎が共学化するに際して新設される野球部で全国制覇を目指していきます。 そこまでは良いのですが、新チームを発足しようとした矢先に大倉のガンが再発して帰らぬ人となってしまいます。「大倉さんがいるなら新設の野球部でも」と入学しようとしてくれていた新入生も、半分以下になり残されたのはたった14名。 若林はそれでも残ってくれた者たちを大倉が残した50年分ノートを元に指導していこうとするも、肝心の中身の字のクセが強すぎて解読が困難であるという問題がありました。 そこに断片的に描かれた「部員全員がマウンドに立てることを目指す」という新たな野球の構想の実現に向け、チームをマネジメントしていくこととなります。 ピッチャーが野球において特に大切であるというのは、多くの人が納得するところでしょう。だからと言って全員を大谷翔平選手とまではいかなくとも投げて打てる選手にするというのはなかなか大胆な発想で面白いです。なぜ名将がそんな発想に至ったのかを読み解いていく、ある種のミステリ的な楽しみもあります。 野球マンガですが、監督側の苦悩も多く描かれており、硬式と軟式出身者の確執、陸上しかやってこなかった者や性格に難がある者など一筋縄ではいかないチームをまとめていかねばならない難しさが描かれています。 指導者側のキャラクターとしては、かわいい見た目でありながらセパタクローとスカッシュで日本代表を務め女子ラグビーを全国優勝に導いた責任教師・吉島苺もいい味を出しています。メンターとしての有能さと、プライベートの抜け感のバランスが良いです。 グラウンドを見たときの感想であったり、セルフマネジメントのシーンであったり、エピソードでそれぞれのキャラクターを描いていくのが上手いので14人それぞれの掘り下げが深まったらこのチームをとても好きになれそうです。 偉大な先人の遺志を受け継いでそれが大成するのかどうかという視点のウェイトもあり、従来の野球マンガとはまた違った部分で楽しめる新たな高校野球譚です。
エルピーと推しの生活
推し活、してますか #1巻応援
エルピーと推しの生活
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兎来栄寿
兎来栄寿
webとはいえ『ちゃお』系列でこの作品が連載されている日本の未来は明るいなと思います。 学業と弁当工場でのバイトをこなしながら推し活に邁進する21歳の女子大生エルピー。 エルピーと地元が同じで中学時代の同級生でありエルピーによって沼に引きずりこまれたプ〜コ。 オタク歴の長い古参で経験豊富なチョキ単推しの年上お姉さんペチねえ。 彼女たち3人が「ジャンケンボーイズ」(通称:ジャンボ)を推して推して推しまくる日々の様子がコミカルに、しかしリアルに描かれる作品です。 絵はかわいくデフォルメが強くて小学校低学年くらいでも親しみやすそうな感じですが、彼女たちの繰り広げる推し活模様は″ガチ″です。 トレカやコースターの交換 ぬい ライブ前の物販 現場でのマナー 店舗別特典 リリイベ お渡し会 コラボカフェ 誕生祭 自作グッズやケーキ カラオケや上映会 などなど、推し活経験者ならいろいろな感情を持って″理解る″であろう様子が描かれていきます。 とりわけすごいなと思ったのが、大阪遠征編です。ヤコバ(夜行バス)での移動はまだしも、某地区の安宿の様子まで克明に描いているのはびっくりでした。繰り返しますが、『ちゃお』系列作品なんですよこれ。『ちゃお』系列で西◯が描かれることあります?  「2段ベッドとかたたみの部屋はあいてるし安い!!」 で笑ってしまいました。ちょうど、私も最近泊まったところですが、昔と比べると治安もだいぶ改善して宿も星野リゾートが進出するなど綺麗なところも増えたので女性ふたりで行ってもまあ大丈夫かなと思えるようにはなってきましたが。でも、そういう経験がまた思い出に残るんですよね。 何しろ、推しを推すことによって人生が充実してエネルギーに満ち溢れるのは素晴らしいことです。推しを推している人であれは、ジャンルを超えて共感が吹き荒れるであろう作品です。
えをかくふたり
祈りに似た絵という言語 #1巻応援
えをかくふたり
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兎来栄寿
兎来栄寿
こういう作品が、とてもとても大切だと思います。 『ゆうれい犬と街散歩』の中村一般さんの新作です。 ″ふたりにとって、「絵」は言語だった″ という印象的で秀逸なモノローグから幕を開けるこの物語は、25歳のイラストレーター花海修(はなみおさむ)が主人公。AI人型ロボットがデータ収集目的でひとり暮らしのモニターを募集していたところに修が応募して見事当選したことで「DLHC2030」、通称ハルと共に暮らしていく日々の様子を描いていきます。 元々イラストレーターとして活躍されていた筆者自身の経験がふんだんに込められているようで、現代におけるイラストレーターの仕事描写の解像度が高いです。本の装画の仕事では、帯やバーコードの位置を意識して絵を考えるなど言われてみればなるほどと思うような仕事のディティールの妙があります。装画仕事の進め方やリモート会議の様子など非常にリアルです そうした仕事マンガとしての興味深さもありながら、この作品の何よりの美点は創作者として生活している修の感性の豊さです。 2話の「夕陽はメッチャ動物的」の件なども良いですが、とりわけ1巻の最後に収録された5話が最高です。 ″俺の経験上、「絵を描くという行為」そのものは、  祈りに近いような気がしていて″ のパートは、読んでいてしみじみとする素晴らしい言語化がされているなと思います。絵のみならず、他の創作や多くのことに通ずる真理でしょう。 かつて神保町の高岡書店の店長が閉店時に「マンガがあれば、僕らはまたどこかで繋がれます」と語ってくださいましたが、マンガという言語で世界や人と繋がっている私にはとても沁みました。 ″いつから絵を描くことは  資本主義の競争に勝つための  武器になっちまったんじゃ〜!″ ″そういうことを忘れない人間でいたい  彼らにきちんと祈れる人間でありたい″ という修の語る言葉は、今の時代において極めて重要なテーゼです。一番大事なことを常に忘れずに、見失わずに生きていたいと思わせてくれます。 そして、イラストレーターということもあって決めのシーンの一枚絵から生み出される情緒がまた堪らず、湧き起こる感情を繊細かつ雄弁に補強します。 何気ない風景の1コマにも魅力が宿っており、読んだ後は心に風を通したように軽やかにしてくれる作品です。
女王陛下の紅茶
紅茶の奥深き世界 #1巻応援
女王陛下の紅茶
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兎来栄寿
兎来栄寿
『銀のニーナ』のイトカツさんが2007〜2011年まで、かつて存在した『スーパージャンプ』及び『オースーパージャンプ』にて不定期で散発的に描いていたシリーズが長い時を経て単行本化されました。 鎌倉の紅茶専門喫茶店「ERNEST」を舞台に、さまざまな悩みを持った人が来店してそれぞれに合った紅茶を提供されることで人生の悩みを解きほぐしていく1話完結型の物語です。 我が家は常飲するのは緑茶とコーヒーがメインですが、それなりに紅茶も飲むので紅茶に関するさまざまな知識が詰まったこの作品は興味深く読みました。 イトカツさんがあとがきで述べている通り、リーマンショック直後のお話のように時勢が変わってしまっているものもありますが、一方で紅茶にまつわる基礎的な知識は年月を経ても普遍的なので今読んだとしてもまったく問題なく楽しめます。 ・硬水を使ったミルクティー ・中国のブルゴーニュ酒と言われる紅茶 ・フォートナム&メイソンのアールグレイクラシック ・レモンたっぷりドライベンガルタイガー ・紅茶の中にジャムを入れない正式なロシアンティー ・チャイ などなど、ひとくちに紅茶と言っただけでは想像しにくいさまざまな側面を見せてくれます。 そして、訪れるお客さんも老若男女さまざま。家庭の問題や仕事の問題、個人的な人生におけるモチベーションなど悩みも人それぞれ。人によって、共感できるエピソードがどこかしらあるのではないでしょうか。各々の物語に沿った紅茶が提供されることで、彼らが立ち上がって前を向いていく姿にも心が温まります。 奥深い紅茶の世界について知見を深められながら、温かい人情ドラマを楽しめる作品です。読むと、ちょっと良い紅茶を淹れて飲みたくなります。
あすなろ坂
「あすなろ坂」読んでみた
あすなろ坂
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かしこ
かしこ
幕末から終戦までを描いた作品です。初代主人公もお婆ちゃんになるまで激動の時代をかけ抜けますが、物語の主役は各時代ごとに子供から孫そしてひ孫へと受け継がれていきます。 幕末編。主人公は会津藩でも指折りの名家へ嫁ぎますが、その後に幼馴染への恋心を自覚して妊娠してしまいます。しかし旦那さんが自分の子供として育てると受け入れてくれます。なかなかセンセーショナルな始まりです。ここから更に紆余曲折ありますが、幕末編の主人公の相手を思いやるピュアな夫婦愛には胸を打たれます! 明治編。出生の秘密を息子と娘は知りません。娘とお嫁さんが看護師や小説家になって女性の自立が描かれるようになり主役も変わっていきます。ただ幕末編の主人公もまだまだ若くて元気なのでそちらの生き様も目が離せません。 大正編。明治編の息子の子供達が主役になります。女優の夢を叶えて仕事に邁進する姉、思想家の夫と満州へ渡った家庭的な妹。まるで対照的な生き方がどちらも過酷な人生でした。関東大震災が起きて人々が混乱していく様子も描かれていたのが印象に残りました。 昭和編。満州に渡った妹夫婦の娘が主役です。訳あって孤児として育てられ勘違いから養女として主人公一家に迎えられることになります。大人になった娘は軍人と結婚しますが初恋の相手であるロシア人と三角関係になったり、時代も恋も怒涛の展開です。幕末編の主人公が大往生して走馬灯が流れるシーンは4代続いた物語の大団円に相応しかったです。 後書きに「10代の頃から男性の周りにいた女性達は戦争を止められなかったのかと考えていた」とあり、それが全編を通して真のある女性が描かれた理由になったんだなと思いました。また同じ女性でも仕事に生きがいを見出したり、命がけで家庭を守ったり、それぞれ違って多様性があるのがいいですよね。少女漫画だからどの女性も恋に対して一生懸命になってるけど、大事なのは精神的な自立なんだと学びました。もっと早く中学生くらいの頃に読んでたら人生も変わってたかもしれません!
小暮くんは美少女V(♂)に恋してる
推しVはクラスメイト!? #1巻応援
小暮くんは美少女V(♂️)に恋してる
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兎来栄寿
兎来栄寿
「マンガソムリエVtuber渋谷川トリカです  今日もご来店ありがとね  早速おすすめのマンガ、紹介してくね!  今回紹介するのはこちら  COMICポラリスで連載中の『小暮くんは美少女V(♂)に恋してる』!  作者の流星ハニーさんは『五人のセフレとカグヤ王子』や『にぶんのいちボーイフレンド』などを描いてた方ね  ポラリスでは『親友王子と腰巾着~推しの王子に求婚されて困ってます~』と同時連載中よ  Twitterで描かれている「オタクが猫を迎えた」シリーズもかわいくて好き  え、ポップン思い出す? わかるわかる〜  フィフネルの宇宙服めっちゃ好きー  もしかしたら作者さんも好きだったりするのかな  『小暮くんは美少女V(♂)に恋してる』は現役JKギャルVtuberの春風ヒナタちゃんを神推ししてる陰キャ少年グレのお話なんだけどー  実はその中身がクラスメイトの陽キャイケメン幸原(さちはら)ヨウだった!  っていう衝撃から始まるのね  みんなだったらどうする〜?  推しVの中身がクラスメイトのパリピ陽キャだったら  絶望?  無理?  推しとは適切な距離を取って眺めていたい?  うんまあそうだよねー  グレくんも最初はそんな感じで死んでたんだけどー  でもちょいちょいヨウくんから推しの影が漏れ出してきて混乱するのよ  ヨウくんはヒナたんじゃない! って頭でわかっていながら  段々いろんなイベントで距離が縮まっていって  自分はヒナたんの何が好きだったのか?  見た目はもちろんかわいくて好きだけど  何よりもいつも笑顔で元気をくれる優しさに救われてたんじゃなかったっけ?  ってなってくのね  しかもその推しから一緒に美少女Vやらないかって誘われてもう大変  どんどん外堀を埋められていくグレくんなんだけど  でもグレくんにもいろんな魅力があって  それをヨウくんがしっかり見初めているっていう構図がすっごくいいのね  グレくんがヨウを通してクラスメイトたちと少しずつ  打ち解けていくところとかは読んでてすごく良いなー  青春だなーって  あとヨウくんの陽キャグループにいる景虎くんとか  サブキャラクターもすごく魅力的で  私は景虎くん最推しかなー  何で推せるかはね〜読んでみて!   読めばわかるから!  Vtuberをテーマにしてる作品だけど  Vの文化とか基礎知識とかも読んでいる内にわかるようになってて  Vに全然詳しくない人でも楽しめとと思う!  あと流星ハニーさんの絵がめっちゃかわいい!  グレくんがVになったときのハイテク女騎士グレースちゃんも  すっごくかわいいからヒナタちゃんとどんどんコラボしてって欲しいなー  あ、トリガーはワシが育てたおじさんスパチャありがとー  読んでみたくなったって? うん本当面白いから読んでみて!  じゃあ今日の配信はこの辺でおしまい  またのご来店お待ちしてまーす!  ありがとうございました〜!」 (並行世界で行われた配信の様子)
ハルメイ
ハル派? 漣派? #1巻応援
ハルメイ
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兎来栄寿
兎来栄寿
大人気の『ハルメイ』連載マンガ版の1巻が発売となりました。元々、作者の雨宮うりさんがSNSで連作イラストとして上げていた一連の物語が『ハルメイ 雨宮うり ILLUSTRATIONーBOOK』として2022年に発売されており、それをベースにしたマンガとしての連載が2023年より始まりました。 高校1年生の主人公・橘芽衣と、幼いころから親しくしている近所の10歳年上のハル兄。タイトル通り彼女たちの関係性を描いた作品です。 ただ、こちらの連載コミック版では表紙絵が示しているように芽衣と同い年のもうひとりの幼馴染でその美貌が他校生の間でも話題となっているほどの漣との三角関係の色合いが強くなっています。 漣もまた、非の打ち所がないヒーローなんですよね。外見だけでなく性格も良いことがエピソードを通して描かれていて、もしハルがいなかったら心置きなく推せるタイプです。でも、このマンガ『ハルメイ』なんですよね……。漣は漣で幸せになって欲しいと心から願います。 なお、そんな漣の存在によって恋愛感情を意識し出して変わっていく芽衣の姿に危機感を覚えて大人気のない嫉妬を見せるハルはとてもかわいいです。 また良い少女マンガには良い友人キャラがつきものですが、芽衣の友人の環もナイスキャラで好感が持てます。 雨宮うりさんの絵が良いのはもちろんなのですが、少女マンガとしての呼吸もすごく自然体で上手さを感じます。 個人的に好きなポイントは、両ヒーローが決めシーンで少しだけ敬語になるところ。思わず口角が上がってしまいます。 少女マンガが好きな方、歳の差が好きな方、三角関係や複数のイケメンに同時に迫られるシチュエーションが好きな方にお薦めです。
あすなろ坂
「あすなろ坂」読んでみた
あすなろ坂
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かしこ
かしこ
幕末から終戦までを描いた作品です。初代主人公もお婆ちゃんになるまで激動の時代をかけ抜けますが、物語の主役は各時代ごとに子供から孫そしてひ孫へと受け継がれていきます。 幕末編。主人公は会津藩でも指折りの名家へ嫁ぎますが、その後に幼馴染への恋心を自覚して妊娠してしまいます。しかし旦那さんが自分の子供として育てると受け入れてくれます。なかなかセンセーショナルな始まりです。ここから更に紆余曲折ありますが、幕末編の主人公の相手を思いやるピュアな夫婦愛には胸を打たれます! 明治編。出生の秘密を息子と娘は知りません。娘とお嫁さんが看護師や小説家になって女性の自立が描かれるようになり主役も変わっていきます。ただ幕末編の主人公もまだまだ若くて元気なのでそちらの生き様も目が離せません。 大正編。明治編の息子の子供達が主役になります。女優の夢を叶えて仕事に邁進する姉、思想家の夫と満州へ渡った家庭的な妹。まるで対照的な生き方がどちらも過酷な人生でした。関東大震災が起きて人々が混乱していく様子も描かれていたのが印象に残りました。 昭和編。満州に渡った妹夫婦の娘が主役です。訳あって孤児として育てられ勘違いから養女として主人公一家に迎えられることになります。大人になった娘は軍人と結婚しますが初恋の相手であるロシア人と三角関係になったり、時代も恋も怒涛の展開です。幕末編の主人公が大往生して走馬灯が流れるシーンは4代続いた物語の大団円に相応しかったです。 後書きに「10代の頃から男性の周りにいた女性達は戦争を止められなかったのかと考えていた」とあり、それが全編を通して真のある女性が描かれた理由になったんだなと思いました。また同じ女性でも仕事に生きがいを見出したり、命がけで家庭を守ったり、それぞれ違って多様性があるのがいいですよね。少女漫画だからどの女性も恋に対して一生懸命になってるけど、大事なのは精神的な自立なんだと学びました。もっと早く中学生くらいの頃に読んでたら人生も変わってたかもしれません!
スーサイドエイジ
青々とした影の下で息絶えるものたち #1巻応援
スーサイドエイジ
兎来栄寿
兎来栄寿
カドコミがリニューアルされ、とても見やすく使いやすくなった今日このごろ。アプリのBOOK WALKERもこの調子で使いやすくして欲しいです。 そんなカドコミで短期集中連載されていたこちら。 作者のあらやかわいさんは「絶対天使」や「ゾンビは走らねえんだよ」などでも感情を迸らせる女子高生たちを描いていましたが、この『スーサイドエイジ』も、まさに自身が高校卒業する際に同人誌として描いたもののリメイクだそうです。 第1話 天真爛漫な合田さん 第2話 陸上部の松田さん 第3部 惰性に生きる田嶋さん 第4話 優等生の真田さん 第5話 学校嫌いな金子さんと刈谷さん 第6話 卒業式 という目次を見ていただければ解る通り、概ね1話ごとにメインでフィーチャーされるキャラクターは変わりながらも、同じクラスで共に過ごす女の子たちを描いた群像劇です。 まず、シンプルに絵に惹きつける力があります。スタイリッシュな作画で描かれる女の子たちが魅力的で、特に三白眼になりがちな眼力の強さが良い。個人的な好みで言うと、4話でチラシを配っている金子さんの横顔と、6話の包帯の子が特に好きです。 そして、「女子高生」という特別な3年間が終わるに際して生じるさまざまなものが入り混じって消化不良を起こしそうな感情を若々しさを迸らせながら表現しているのも良いです。人生において、その瞬間にしか湧かないものというのがありますが、この作品にはそれがしぬかりと込めてあります。普通の人であれば、記憶の中から時と共に少しずつ薄らいでいくであろうものがこうして作品として永遠に残る形で留められている。それは、他者が触れれば自身の記憶に呼応して何かしらを呼び覚ます契機にもなり、またいつか歳を重ねて自分で読んだときにはその貴重さを噛み締める類の素晴らしい営みであろうと思います。今の私には、この昏さが眩しいです。 作品の構成もまたとても良く、1冊で綺麗に完成しているのも美しいです。あれだけ楽しい時間を一緒に過ごした友人でも、その裏にあるものをまったく知らないこともあります。努力していた人。怠惰な人。真面目な人。奔放な人。他者に行っていたさまざまなラベリングのその裏は、もしかしたらこんなだったのかもしれないと思わせてくれます。 ウクライナやパレスチナにいる同い年の子の存在を思えば日本に生まれて毎日食べるものや水に困らず今この瞬間に命が消されることに怯えなくてもよく、さまざまな権利があるだけでも幸せなはずです。しかし、たとえひとつひとつ大きな不幸を消していっても残った小さい不幸の大小が隣の人と比べてほんの少しでも大きければ結局不幸だと思ってしまうのが人間。難儀なものです。人間はどこでも幸せになれるし、どこでも不幸になれる。若いころなんて特に今の自分が宇宙のすべてであるのもよく解ります。ああ、苦い。 キャラクターで言えば、容姿的にも関係性的にも金子さんと刈谷さんのエピソードなどはどうしたって好きです。ここを煮詰めたものなども一回描いてみて欲しいなと思うくらいには、短い中に良さが溢れていました。 あらやかわいさん、瑞々しくて初期衝動に満ちていて、これからますますたくさんの傑作を描いていくであろうことを確信できる1冊で今後が楽しみです。
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