子が家を出て、再びふたりきりになった夫婦の日常にコメントする
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ふたりきり晩酌

安売りキャベツ一玉と晩酌と

ふたりきり晩酌 紺屋一
ゆゆゆ
ゆゆゆ

ある日ある時ある街に住む、年配と言われる年頃だろうか、あるご夫婦をカメラで追っているかのような読切漫画。 こういう日々が我が身に訪れるのが待ち遠しいと同時に、少し不安になる。 冒頭、安売りのキャベツを前に、どうやって食べきるか二人で思案する。 一玉買ってアレヤコレヤすれば、問題ないような気もするけど、買って新鮮なうちに食べきりたい派なんだろうかと悩んでしまった。 いや、そこがメインじゃないと気付くのは少し先。 ちょっとしたセリフにいろいろな事柄が詰まっている。 慣れ親しんだ人との会話はそういうものなんだろう。 読んでいるこちらはフルスロットルで、理解するために必要なピースを回収する。 読切は読切ゆえに、情報が詰まっている。 忙しいし、読み直して最初と異なる読後が得られるのがとても心地よい。 『ふたりきり晩酌』とタイトルにあるとおり、ある日ある時あるご夫婦が晩酌をするまでのお話なのだけど。 この漫画で描かれているのは、長い人生を考えれば何気ない日常のひとコマでしかないのかもしれないのだけど。 その「ある日ある時」の選び方が素敵だなと思った。

不揃いの連理

タイトルから見る"伴侶"の形

不揃いの連理
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

ここではタイトル『不揃いの連理』の語義と内容をリンクさせながら、(6巻までで)四組の女性ペアの関係を追う本作の魅力を書いてみたいと思います。 「連理木(れんりぼく・れんりぎ)」というのは、隣りあった木々の接触した枝や幹が一つにくっつき、木目まで混ざり合った状態のこと。そこから「連理」という言葉は二人の深い契りを表すのだそうです。 幸せな予感のある「連理」という言葉。では「不揃いの」という言葉はどうでしょう? 登場するペアは、いずれも全然タイプの違う二人。そしてどちらか片方、もしくは両方とも「ダメな人」だったりもします。 まっとうな会社員×元不良は見た目に反して、ダメなのは会社員の方。いかにも悪そうな人と優等生のJKコンビは、優等生が意外と暴力的etc……。でもそんな二人が何故か寄り添う。 ではそこにどんな心があるのか。 ある人に惹かれる理由を、言葉で言い表すのは難しい。でも、なぜある人の側にいるかは、理由を言える場合もある。 この作品でそれが分かりやすいのは、ダメな漫画家に接する生真面目な編集者。彼女は恋愛的惹かれの他に、ダメな漫画家を支える動機としての「ある気持ち」を持っている。そして同じようなものは、他の三組にも見て取れる。「ある気持ち」はおそらく頼りない人に対する普遍的な心情なので、納得する人は多いと思います。 「ある気持ち」で支え合い、接するうち、彼女たちはいつのまにか離れ難くなっていく。そこには理屈ではなく、もはや必然として一つになった連理木が生まれている。 伴侶って、こういうことだよな……大きな安心感とエモーションが同居する感じ。実はかなり暴力描写・しんどい内容も多いのにそれはとても不思議な感覚で、いつまでもこの物語を追う動機となってゆくのです。 ダメな人に対する、共通する「ある気持ち」......どんなものか、ぜひ本作から探してみてください。 さあ、まだ不穏な堅物教師×生徒の物語はどうなるかな? (6巻までの感想) (追記:実はマンバ読書会でリアルタイムで書いたものから、細かく改稿しています。どんなふうに変化しているか、ぜひ配信と比較してみてください! https://www.youtube.com/watch?v=FgBPuVvUHFI) #マンバ読書会 #クチコミを書く回

ふたりきり晩酌
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