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自分も含め、人間のほとんどはこの主人公のように、上ばかり見て、自分にないもののことばかり考えて、不満と嘆きを友として一生を終えるのかもしれないと思った。
地位も金も学歴も、上の階層に移ったところで、ほとんどの人間はまたその中での「中途半端」な位置になる。上を見ればキリがない。
女に不自由しない男も、裕福な人も、その事に幸せや感謝など感じていない。女やお金に不自由しないことが空気のように当たり前になっているから。
「健康な体」や「独身の自由」や「安定した企業の正社員であること」等は、それを欲している人から見たら喉から手が出るほど欲しい【輝かしい幸福】だけど、それらを持っている主人公はそれに微塵も幸せを感じていないのと同じ。
欲しいものを追い求める事も、それを得た時の 長続きしない いっときの喜びも、無意味だとは思わないけれど。
自分はどういう心構えで生きるのか、という問いを突きつけられたような気がした。