同人と百合の結びつきは自然であり必然であった
百合思考の人たちの事を指す名詞って何かあるんでしょうか、普通に「百合好き」でいいのかな… 本作は一迅社の代表的百合専門誌、「コミック百合姫」作家陣によるアンソロ。 「マッチングアプリ百合アンソロジー」も素敵でしたがこちらもどうしてなかなか。 ただし同人あるあるがありまくりなので「コミケって美味しいの」系の人には少し解りづらいやもしれません。 惜しむらくは、どうしても最初の3本ぐらいが強すぎて後半との実力差を感じがち(失礼に聞こえたらすみません)なのが一迅社のアンソロ…という… あ、でも好みの問題なので個人の感想です! 私はミノちゃんが好き。
同人活動というのは創作の楽しさという光の面と、人間関係の煩わしさという闇の面があると思っていて、
このアンソロの中だと、つつい(筒井いつき)先生の「さよなら私の星」という収録作がその闇の面を見事に描いていたなあと思いました。
他人を観察して、他人の喜ばれる感想を言い、必死に界隈でのコミュニケーションに奔走するミシシッピ(HN)……こういう同人女めちゃくちゃいそ〜!!!!そして最後は自分の本は読んでもらえず関係が途切れるところまで最高。
絵はかなり粗かったけど視点が独特で、だからこそつつい先生はプロでやられているんだなと思いました。
ヨルモ(高瀬わか)先生の作品は構成が見事。絵も可愛いし短いページ数ながらしっかり満足させられる完成度の高い作品でした。
散田島子先生は読切のダークな作風ではなく、最近の日常系というかポップな作風でした。
アンソロってあまり買わないんですが、色んな作家の同テーマの短編が読めるのはいいですね。