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ネイリストを目指している義理の姪っ子ちゃんに、かわいく爪を塗ってもらった主人公のきよかはSNSにその写真を投稿。すると学生時代の同期・チコから「どこのネイルサロン?」とコメントが入るところから物語は始まります。SNS上でのちょっとした交流のつもりが「友達割引とかある?」「あるんなら紹介して~」「姪っ子ちゃんの練習台になってあげる!」と矢継ぎ早にメッセージが送られてきて、チコの恐ろしい暴走っぷりに振り回されていくきよか。そう、彼女は度を越して人の物を欲しがったり、得をすることに執着をする「クレクレちゃん」だったのです…。その性質ゆえ、人間関係で絶えず大きなトラブルを起こしてきたチコのエピソードを掘り下げていくと共になぜチコがそこまでがめつくなってしまったのか、彼女の生い立ちに踏み込んでいく問題作。親が子供に与える影響や家族との関わりについて、深く人生を考えさせられる壮大な実話コミックエッセイです。
SNSで公開されていた当時、バズっていたのをきっかけに読んでいました。この度コミックスになってもう一度読んでみましたが、あのラストシーンは記憶になかったです。衝撃的。
最初はSNSで学生時代の変な同級生に変な絡まれ方をして災難な目にあう話かと思ったんですが、これがもう読めば読むほど、ものすごく深くて深刻な話だとわかるんです。めちゃくちゃおもしろいです。
あとがきにもあるように、多くの人の経験に当てはまるエピソードが描かれていて共感を呼ぶのかなと思います。
チコちゃんみたいな人なんかいるの!?と思うのですが、一種の見た目ではわからない心の問題やトラウマというものなのかなと思います。なので自分には無関係な話だとは思えない。
内容は「欲しがるあの子」であるチコちゃんだけではなく、その周辺の人物についても細かく描かれるので、よくこんなたくさんの情報を一冊にまとめられたな〜とシンプルに感心します。笑
詳細には書きませんが、読んでいたすべての人がホッとするようなラストの流れでの、あの終わらせ方。完全ノンフィクションではないにしても意味なく入れませんよね………
心の問題はそう簡単に解決するものではないというメッセージなのか。
余談:多分これは全く共感されないと思いますけど、映画「怪物」を見たときと似たような気持ちになりました。