初期の植芝理一を彷彿とさせる細かい描き込みやマジックリアリズム的な世界観が魅力的で、まさに四季賞の王道と行った風格のある短編。
唯一惜しむらくは夢の世界で巡り合ったタオルケットとの関係が深まってきたところで話に終わりがきてしまうところで、連載化を前提とした、あえて腹八分目に留めたような物足りなさがあった。しかし、夢というのはいつだっていいところでおわってしまうものだから、もしかしたらそれも意図的なものなのかも。
.....と、ここまで書いたところで作者のインタビューを読んだところ、どうもその通りのようだった
誰もが当たり前に見る、寝ている間の夢。そんな夢を一度も見たことがない少年が「夢を見るための世界」に誘われる短編漫画『夢に…
伏線=回収という先入観をやさしくひっくり返してくれる、佳作であります。
【四季賞2022冬のコンテスト 四季賞】睡眠時に夢をみたことがないケーイチは、姉からもらった「鍵」が原因で「夢の外側」へ迷いこむ。そこでは、タオルケットという女の子が一人きりで、夢のお世話をしていた。(good!アフタヌーン2023年3月号)