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言葉は水滴みたいに

センス良すぎる読切

言葉は水滴みたいに 黒川明
野愛
野愛

ブス界へようこその河野大樹先生が「センス良。。。」とツイートしていたので読んでみた。たしかにセンス良い。めちゃくちゃ良い。 医者である主人公のもとに、元妻が患者としてやってきた。死ぬまで会うことはないと思っていたのに、生存率30%の大病を患ってやってきた。 些細な諍いで離婚したけれど、何気ない会話をすればあの頃の気持ちを思い出してしまう。好きとか嫌いとかそういうことじゃないけれど、言えなかったことがあったなあなんて思ってしまう。 時間を遡ってやり直すことはできない。でも、積み重ねた時間があるからこそ後悔を終わらせることはできる。人生って面白い。 ストーリーだけ見ると大人っぽいヒューマンドラマなのに、テンポのよい会話と小ネタ満載なのでしんみりする暇を与えてくれない。 HUNTER×HUNTER読んでない人にもわかるレベルのゴンさんパロディでもれなく笑っちゃうし、元妻の名前にも仕掛けがあって面白い。 小ネタがなくても成立するけど、こういうのが夫婦の身内ノリとしてあったんだろうなあと想像力を膨らませてくれていいアクセントになっていると思った。 言葉を使うところと使わないところの緩急も素晴らしい。センスとはこういうことか……。

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嘘か真実か陰謀論

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六文銭
六文銭

自分が何かと恵まれていないのは、何か大きな陰謀によるものではないか?という、ネットではびこる「陰謀論」がテーマの本作。 主人公は、いわゆる社会的に弱者の部類で、それでも自分にも特別な何か(人生大逆転できるようなものが)あるんじゃないかと日夜怪しいセミナーに通いながら過ごす。 そんな中、偶然出会った大学生の女性に恋してしまう。 関係を深めていくなかで、彼女につきまとうFACTという謎の組織の存在を知り、彼女を守るために接触。 そこは、陰謀論に染まった集団で、自分の境遇の悪さも、彼女と出会ったのも全てが大きな陰謀だったと諭され、気づくと彼もまたその思想に染まりはじめてしまう・・。という展開。 社会的な問題を扱う重そうな感じもあれば、コミカルなヌケ感もある。 現実を描いた漫画だから明らかに嘘っぽくも感じつつも、これ実はファンタジー漫画なのでは?と思うと真実のように感じてしまう。 ついつい、陰謀も本当のように感じてしまう。(ちょっと調べればわかるんですけどね) そんな感じで嘘か真実かわからないながら、自分なんかは読んでいたのでめちゃくちゃ楽しめた。 特に2巻。 主人公が上述した恋心を抱いている女性に、付け焼き刃的な稚拙な持論を展開し、一瞬で論破される様は読んでいてホント痛々しく、ゾクゾクした。 共感性羞恥をこれほど感じたシーンはないと思う。 4巻で最終巻らしいけど、どうオチをつけるか気になる。

言葉は水滴みたいに
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