気品があるとは、こういうことさ
改めて最近の巻(31~34)読み直してみると面白いのもそうだが本当に正統派の漫画だと思った。絵、コマ割、セリフ回し、脚本、どれもオーソドックスだけど丁寧で且つ上手く、何の衒いも無しにクスッと笑えるし、時代を反映した風刺にしても怯えたりせず軽い気持ちでうなずけるし、パロディも知ってる読者が知らない他人をバカするような、そういう変にスノッブなつくりにもなっていないし、何処か温かみが常に感じられるし技巧への驚きも幾度か味わう事になる。今でもエッチなシーンが描かれる事があるが、ますます丁寧に真摯に(或いはよりフェティッシュに)描かれてて健康的な趣さえある。 確かに昔のエッジの利いた時期も面白いとは思うが、今の円熟もそれはそれで楽しい。こういう丁寧に真摯に描かれた面白い作品が全盛期や人気絶頂の漫画と比べて少し鳴りを潜めてるような気はしながらも今の漫画を下で支え続けてると言うのは、それを知るのはそれはそれで幸福であります。
面白いかどうかは置いておいて、過去の単行本だと乳首とかも普通に描かれてたのが今は修正されてるので、昔出てた単行本と今の単行本は同じ関数のそれでも劣化してるのは間違いない。また、それ基準で考えれば今はお色気要素が減ってるということなのでそういう意味でも劣化してる(元々サービスシーン程度で下品なお色気では無かったため、余程のフェミニストでもない限りあのサービスシーンをマイナスと考えては無かったと思うけど)。