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85歳でオタクに開眼!ホストも女子高生も巻き込んで、オタクばあちゃん大暴れ!孫の孝(ルビ:たかし)との何気ない会話から、二次元キャラに目覚めたおばあちゃん、チヨ。ふたりの一日は、神棚に飾られた推しのグッズを拝むことから始まる。円盤予約、同人誌即売会、コラボカフェと、大忙しのオタクばあちゃんの推しに捧げる愛(年金も)は計り知れない…!ときには、ホストや孝のクラスメイト、さらには詐欺師にまで、オタクの流儀を教え込む!?オタクって楽しい! オタクってかっこいい!いくつになっても、推しを愛していきましょう!
自分が何歳まで生きるかは定かではないですが、年齢を重ねてもこのバイタリティを保ちたい。随所で笑いながら楽しませてもらったのが、こちらの作品です。
85歳のおばあちゃん・チヨとその孫の孝が主人公ですが、チヨさんはただのおばあちゃんではありません。スマホPCタブレット4台で特典を巡る予約合戦をガチり、イベントでは最前に並び、同担拒否し、自担を貶す輩には10分間の説得で推し変させるほどのガチオタクとなってしまったおばあちゃんなのです。
彼女とオタ友になるホストや、孝のクラスメイトの女子など、さまざまなオタクが登場します。
本誌で脇役の推しが登場しない期間の飢餓感、推しの命が危機にさらされることで自分の命脈にも連動するさま、はたまた推し活が報われて爆発する瞬間などは推しがいる人は強く共感できるところでしょう。
基本的にはギャグなのですが、孝のクラスで孤立するオタクの沼田に対して、
「あのね オタクになれるってだけで人類最強なんだよ
オタクになれるのはものすごい熱量を持った限られた人間だけなんだから!!」
という言葉は、悩めるオタクへの最高のエールだと思いました。
個人的にはばあちゃんが『H2』でバッティングセンターに通ってバッティング技術を得て、『YAWARA』で柔道教室に通い技を習得したところや、
「黙れ小僧」
「肉食系女子にもなりきれぬあわれな娘だ」
の件も好きです。
また、巻末の描き下ろし「チヨの初恋」は純粋に上質な少女マンガとして楽しめるお話で大変良きでした。