犬の飼育に大切なことを学べる作品
私の妻は大の犬好きで長年犬を飼っていたのですが、その妻をして「知らなかった!」と言わしめる知識も詰まったドッグトレーナーマンガです。 しつけの仕方、ストレスのサイン、上手なスキンシップの方法などなど……。私は今は犬を飼っていないのですが、今後犬に出会った時には試してみたいと思いました。 犬を飼っている方はもちろんですが、これから飼いたいと思っている方も一読しておいて損はないでしょう。 主人公とイケメンドッグトレーナーとの間に若干BL的な要素も感じられる人には感じられるかと思いますが、苦手な人が無理というレベルでもないと思います。
保護犬のポメラニアンをお迎えして家で飼い始めてから1年と少しが経ちました。それまでほとんどの時間をケージで育ってきたうちの子は、最初に抱き抱えた時には怯えてずっと震えていました。
しかし、今では自分からぽてぽてと歩いてきて人間にぴったりと寄り添ってくれます。毎日元気にお散歩をし、最初はあまり食べなかったご飯もパクパク食べるようになり、たくさんお昼寝して幸せそうな寝顔を見せてくれています。愛くるしいにも程があり、すっかり「うちの子かわいい」を連呼する親バカになってしまいました。
1巻発売時にもクチコミを書き、実際に犬を飼い始めてからより実感を伴ってためになりながらますます面白い『DOG SIGNAL』なのですが、最新刊の7巻にはポメラニアンが主役となる回が描かれます。
元気いっぱいの若いポメを熟年男性が飼い始めるエピソードなのですが、このお話は多くの飼い主さんやこれから飼い主さんになる方に読まれるべき大切なことを描いています。
男性は「自分がリーダーである」ということを犬に示していかないといけない、としつけの本から学び忠実に実践していきます。本に書いてある通り、時には愛犬が怖いと思うことも心を鬼にして実行していきます。しかし、その結果ポメラニアンは男性を怯えるようになり他の人にだけ心を開くようになってしまいます。
悩んだ末に相談すると、読んだ本の初版が20年以上前であり、かつて正しいとされていたオオカミの研究に基づく「飼い主はリーダーであるべき」論は既に古いものであると教わります。インターネットを常用する私自身もこの論を聞き齧っておりアップデートできていなかったので、紙媒体しか触れない世代では尚更そういう方も多い気がします。
現在正しいとされていることも未来にはどうなっているか解らないので知識を更新していくことも大切ですし、何より人間と同じように個々によっても性格が違うので「犬だからこうする」と簡単に括らず、自分の愛犬が何を望み何を嫌がるかをしっかり向き合って理解していくことが最も大事だと教えてくれます。
学びの多いマンガですが、純粋に犬のかわいさも最高です。自分が飼っている犬種だとより細かな仕草のディティールに「あるある!」と頷くこと頻り。改めてお薦めしていきたい作品です。