かわいい絵柄で、火葬場で働く人びとの日常話
祖父の葬式のとき「あそこの火葬場は火力が強くてよく焼きすぎて骨が残らない」なんて話を親がしていたなと、読んでいてふと思い出した。 本作には、火力差どころか、焼き方まで流派があると描かれていた。なんと。 普通に生活をしていたら、人の焼き方なんてお仕事として関わらなければ、焼き上がったあとのことしかわからない。 そんなことが火の中では起きてるのかと、驚きとともに興味深く読めた。 そして、副葬品に果物をいれてほしいと遺言して、悲しみの中、果物の香りをさせたいなとふと思ってしまった。 水分が多いものと、燃えにくいものは入れないでと事前にチェックが入るので、この地域では難しそうだけども。 2chの生活板に存在した「僕らの知らない生活をする人たち」を思い出すような、知的好奇心をくすぐられる漫画だと思う。
ボタン一つで全自動処理してる仕事だろう程度の先入観だったので衝撃を受ける内容でした。
なかなかこういう形でしか知り得ない舞台裏を真剣に伝えていますが(誰でも行き着く終着点を改めて考えさせれます)、絵や作風には柔和さもあってイメージしやすく読みやすいのが助かりましたし、このジャンルに必要なところだと思います。