野愛1年以上前編集『あーとかうーしか言えない』の近藤先生の読切。 逆さまに飛ぶゆりかもめ、アンナの髪を編みながら独白するドリー、感情を爆発させる場面で抱えている本は『怒りの葡萄』 意味のあるモチーフがふんだんに散りばめられているのに、残酷な運命が描かれているのに、ゆったりとした時間が流れています。 怒りや悲しみは時間が解決するという言葉は無責任に感じるけれど、救いであり祈りなのかもしれないと思わせてくれる作品でした。 怒りを忘れずにいることも、忘れることも、伝えることも、全てに意味があるんだと感じました。 「時間は麻酔だ」「大丈夫よ」という言葉に確かな温度を与えているのは、悠久の時を丁寧に描いているからなのかなあ。素晴らしい作品でした。1わかるfavoriteわかるreply返信report通報
あらすじ逆様船…そこは死者が悠久の時をすごすあの世との境。新たに船に招かれた少女アンナは自分の死と取り巻く世界の残酷さに心を闇に沈めていた。悠久の時間が彼女のその時を「歴史」と呼ばれるものに変えるまで、空に船は漂う。特別読切64P
『あーとかうーしか言えない』の近藤先生の読切。
逆さまに飛ぶゆりかもめ、アンナの髪を編みながら独白するドリー、感情を爆発させる場面で抱えている本は『怒りの葡萄』
意味のあるモチーフがふんだんに散りばめられているのに、残酷な運命が描かれているのに、ゆったりとした時間が流れています。
怒りや悲しみは時間が解決するという言葉は無責任に感じるけれど、救いであり祈りなのかもしれないと思わせてくれる作品でした。
怒りを忘れずにいることも、忘れることも、伝えることも、全てに意味があるんだと感じました。
「時間は麻酔だ」「大丈夫よ」という言葉に確かな温度を与えているのは、悠久の時を丁寧に描いているからなのかなあ。素晴らしい作品でした。