最良の少女マンガ
くらもちふさこの凄さは、ファンにとってはもう自明でしょうし(知り合いに何人か「私はくらもち漫画から生まれたの!」と言う女性がいます)、『ショパン』から近作『駅から5分』『花に染む』まで、各時代にとんでもなく素晴らしい名作が並んでますので、まだ読んでいない人がただただ羨ましいです。 ここであえて、とても反時代的で「偏見」に満ちた個人的断定を書きますが、 少年マンガ=男から見てカッコイイ「男」を描くジャンル 少女マンガ=女から見てカッコイイ「男」を描くジャンル だと自分は思っているのです。 (異論反論、当然あるでしょう。申し訳ない) そういう点で、くらもちふさこ漫画に出てくる「男」ほど、女性から見て魅力的なオトコはいないのではないだろうか、と愚考しておりまして、その極めつけとして頭に浮かんだのが、この『海の天辺』です。 現代日本を舞台にした最良の少女マンガ、だと思います。
「人魚は瞳を開いて最初に見た人間に恋をするんだって」そう語ってくれた その人に 私は恋をするー。こんなモノローグから始まる女子中学生の初恋の話です。初めに言っておきますが名作であることは間違いないです!しかし私もすでにいい大人なのです。恋の相手である22歳の理科教師よりも年齢が上になってしまったんです…。もし自分が中学生だった頃にこの作品に出会っていたら、ファーストキスのシーンも指輪をもらうシーンも何度も読んで100回でも1000回でも妄想していたに違いありません。だけど心が薄汚れてしまった大人目線で見ると同級生の遠藤君と付き合った方がいいんじゃないって思っちゃいます。一途だし将来性もあるし。でもドキドキする恋ってのはきっとそんなんじゃないんだなぁ…。