スライムをタピオカにするという発想よ
一大ジャンルになった異世界転生もの。 メインは、ゲームの世界だったり、転生したら最強だったりしてますが、最近は異世界と現実を行き来できるようになったり、通販で道具を仕入れたりとか、その内容もどんどん先鋭化していきますが、本作もその一つだと思います。 ヤクザが異世界へ。ええ、ヤクザが異世界です。 しかも、そのヤクザが現実世界のシノギで「タピオカ屋」をやっているという点が、まず本作の面白ポイント。 ヤクザがクッキー焼いちゃうくらい面白い。 競合におされうまくシノギが稼げず、代償として指詰めになってしまいますが、そのエンコから何故か「鍵」が出てきて、それが異世界にいく道具となる。 ここが第2の面白ポイント。 異世界でもヤクザはヤクザ。得意の拳にものをいわせ、スライムを倒すのですが、ふいに口に入れたスライムの残骸が予想以上の美味。 独特の食感にひらめいヤクザは、シノギが不調だったタピオカの材料にしてしまうという流れ。 これが第3の面白ポイント。 もうヤクザという設定も、タピオカという流行り物も、異世界も、フルに使っているこの発想に脱帽です。 異世界ジャンルのなかでも、俺TUEEEだったり、国盗りだったり、ほのぼのだったりに飽きた方、この一風変わった異世界ものはいかがですか?
自分の中でいま一番アツいレーベル、コミック維新の『トライゾン』より新たなおバカヤクザ漫画が登場…!!
今日の新刊ページで緑っぽい表紙が格好いいから目を留めたのがこれ。タイトルを見て「はいはい、異世界ものでヤクザね〜」と素早く理解した。ふと(ヤクザでシノギと言えば、最近はタピオカだよな〜)と思い表紙をよく見たら、いやマジでタピオカ持ってるじゃん(困惑)と即購入した。
(↑表紙すごい好き。タピオカっぽい円がたくさん使われててかわいいし、スライムの顔も色の透き通った感じもかわいい)
まず表紙をめくってすぐ、扉と呼ばれる本編前に挿入されるページを見てそのデザインに強烈なデジャブを感じたんだけど、それはさておきひとまず読み進めた。
主人公のヤクザ若頭・朧は、姑息に茶を薄めたりしない、味で勝負のド正直なタピオカ屋を経営したせいで大損害を出し指を詰めることになる。部下の元へ戻って詰めたばかりの小指を見てみると、なんとそこから鍵が生えていて…!?
も〜〜〜〜〜〜ホント馬鹿!! 大好き!!!
本当に声を出して笑ってしまった。そしてついこないだ右手がドリルになる漫画を読んだばっかりだったので、「あ、これコミック維新の作品だな」と確信した。
(cf. 極道パティシエ~小指は無いけど右手にドリル~)
そして朧は一切の動揺せず(やばすぎ)「使えりゃ儲けもんだろ」と、そのへんの扉の鍵穴にぶっ刺し見事異世界へ…という流れ。
朧は転移して初めて出会った第一異世界人・アリアをスライムから助けたことで、「こいつぁ異世界転生ってやつか…!?(※)」と理解する。いやなんでヤクザの若頭が「異世界転生」とかいう知識を持ってんだよとなるが、その理由は部下が異世界モノAVを新しいシノギにしようとしていたからでクソ笑った。
(※実際には、この話は「転生」ではなく「転移」なわけですが、ここら辺わやわやな所がリアルですね)
スライムを食べるとMP回復になると聞いた朧は、さっそくちっちゃな粒となったスライムを食べてみるのだが…これがメチャクチャうまいらしい。どれくらい美味いかというと、
「スラタピランド開園だろ!!」
と、朧の脳内でアミューズメントパークが建つレベル。
とにかく笑いの勢いがすごい。
それに絵が綺麗でお洒落で格好いいし、アリアも異種族の女の子たちも萌えに媚びてなくて元気で爽やかでかわいいし、アクションも迫力あるし…全部すごい。
2巻以降は部下とともに異世界を訪れ、現実世界でシノギとなるようなものを探す。3巻では劣悪な環境で働かされる人魚たちを仁義で助けるんだけど、こっちがホロリと来たところにブッ込まれたオチが衝撃だった。
まあシノギ探してるヤクザだもんな…そうなるよな…。
なんかちょっとショックだけど、それはそれとして続きがメチャクチャ気になる!!『トライゾン』やっぱすごいわ。
トライゾン の 作品一覧 です。