原作は読んだことがありません!
ゲーテのファウストは名前は聞いたことがありますが、読んだことがありませんでした。聞けば手塚先生がそれをコミカライズしてると。それは手塚先生のマンガも楽しめて、文学の教養も獲得できる!!!と意気込んで読みました。 なので、原作がどれくらいアレンジされているかわからないのですが、こういう話なのですかね??ファウストさんが主人公なのかなと思って読んでいましたが、特に惹きつけられるところもなく、どちらかというとあまり好きではなかったです。 最後らへんで「満足は努力の末に感じられる」とものすごく名言が登場します。まさにそのとおりだと思うのですが、そもそもそう発言した主人公がいつ努力してたのかがよく分からなかったので、感慨も薄かったです。 原作を読まずに先にこちらを読んだから消化不良気味になったのかなと思いましたので、また原作を読んでみてから再読したいと思います。
『ネオ・ファウスト』を読もうかなと思っていたのですが、手塚は何度か『ファウスト』をテーマにしたマンガを描いていると知って、本作から読むことにしました。
作品の詳細は公式サイトに詳しいです。アニメーションチックなキャラクターデザインや動きはフライシャーなどが参照されているとのこと。
手塚治虫公式WEBサイトです。マンガについてご紹介
横長三段の形式で描かれるコマは今の感覚だと読みづらい部分もありますが、こちらもアニメのカメラの感覚を意識しているのかな…など想像が膨らみます。
そして物語の方はなかなか難しい…。正直言ってファウストの言動が破天荒すぎてついていけないところがありました。
気の向くまま欲望の赴くままに悪魔メフィストの力を振るい、メフィストすらも道具として割り切って扱う冷徹さはほとんど悪役。「満足」を知らない彼は暴走を続け、罪なき人を手にかけた段階でようやく後悔し始めます。
もとの老人の姿に戻ったファウストは「満足するための努力」をしてきた自分を誇ります。努力の尊さを噛み締めたことで最高の満足を味わった彼はいよいよメフィストとの契約で地獄に連れ去られそうになるのですが、そこを天使に救われ天国へ辿り着きハッピーエンド。
この「努力」、作中ではさまざまな人への迷惑をかけてきた行為でしかないので、正直ピンとこず…。天使の正体もファウストのせいで死んでしまったマルガレーテ王女だし。
人は迷い過ちを犯すものであり、それを認めたうえで本人の絶えぬ努力(野心)に加えて、純潔の象徴たるマルガレーテの弁明があることで救われる…というのが原典ですが流石に端折り気味なのでは…と思ってしまうところもありました。
とはいえ「ファウスト」が大まかどんな話なのかを掴むのにはピッタリの作品だと思います。児童向けに描かれたというバッググラウンドもあってか、非常に分かりやすいです。
本作を踏まえた上で、次は同じくファウストがモチーフになっている『百物語』も読んでみたいと思います。