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父子家庭の親子が主役の『こどもの体温』は中学一年生の息子が「クラスメイトの女の子を妊娠させてしまったかもしれない…」と父親に打ち明けるところから始まります。他にも亡くなった妻の実家を尋ねる話や、父親の高校時代の同級生が登山中に事故にあってしまった話(これだけボーイズラブの要素も有ります)など、このシュチュエーションすごいなって話ばかりですが、どれもオチが明るいので読後感は気持ちがいいです。
架空の中世の国が舞台の『彼は花園で夢を見る』は、美しい花園がある屋敷に住む男爵と彼に楽師として拾われた孤児が主役です。男爵が生涯で二度だけ本当の恋をした話は、昔から語り継がれてるおとぎ話なんですよって言われたら信じちゃうくらいドラマチックな悲劇でした。こちらも全体の最後としてはいい終わり方をしているので読後感はよかったです。
現代の日本と中世の異国。遠く離れた二つの舞台で「家族」をテーマに描いた、よしながふみの傑作短編集。