気弱な中学二年生・写楽保介(しゃらく・ほうすけ)。だが額のばんそうこうの下から「第三の目」が現れるとき、古代人の超能力が発動し大活躍! 美少女・和登千代子(わと・ちよこ)とともに怪事件の数々に挑む! 長編「三つ目族の謎編」、手塚治虫漫画全集未収録の「文福登場」を含む短編八編を収録。<収録作品>三つ目登場/第三の目の怪/魔法産院/酒船石奇談/寿命院邸の地下牢/三角錐コネクション/文福登場/三つ目族の謎編/めおと岩がくっついた <手塚治虫漫画全集収録巻数>「三つ目登場」「第三の目の怪」「酒船石奇談」「寿命院邸の地下牢」「三角錐コネクション」 MT107『三つ目がとおる』第7巻収録/「三つ目族の謎編」 MT109『三つ目がとおる』第9巻収録/「めおと岩がくっついた」 MT110『三つ目がとおる』第10巻収録/「文福登場」 *手塚治虫漫画全集未収録 <初出掲載>『三つ目登場』 1974年7月7日号 「週刊少年マガジン」掲載/『第三の目の怪』 1974年8月11日号 「週刊少年マガジン」掲載/『魔法産院』 1974年9月15日号 「週刊少年マガジン」掲載/『酒船石奇談』 1974年10月13日号 「週刊少年マガジン」掲載/『寿命院邸の地下牢』 1974年11月10日号 「週刊少年マガジン」掲載/『三角錐コネクション』 1974年12月8日号 「週刊少年マガジン」掲載/『文福登場』 1975年1月19・26日合併号~2月16日号 「週刊少年マガジン」連載/『三つ目族の謎』 1975年2月23日号~5月25日号 「週刊少年マガジン」連載
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三つ目がとおる、というタイトルは作中で「三つ目」をもつ主人公写楽を揶揄するときに同級生がはやし立てるフレーズだ。
この三つ目をもつ主人公、普段はばんそうこうで封じられた第三の目が解放されると超人的な頭脳と念力のような超能力を使えるようになる。。。
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個人的に最高なのは、実在する歴史の遺物や、遺跡などの名所を舞台にして新たな解釈をしているところだ。
たとえばピラミッドは宇宙からのエネルギーを集める装置だったのではないか、とか、酒船石は危険な薬を調合する台だったのではないか、などオカルト的な解釈を写楽が見つけていく。
この伝奇的な新解釈や仮説は歴史自体の壮絶なパロディと言えそうだ。
内容もオカルト好きにはたまらないけれど、さらに主人公写楽と相棒の和登さんの関係がたまらない。
普段は幼稚園児のような知性の写楽の見守り役の和登さんが、第三の目が解放された危険な男になった写楽に惚れていて、関係がスイッチする。
オカルト的な事件の中での怪しい二人の関係、いつまでもみていたい。