初中村先生
中村先生のご芳名は知っていたのですが、BLの先生だと思っていたので、なかなか手に取る機会がなく、今回が初となりました。 まず思ったのが、話の完成度が高いです。ちょっとミステリものの感じがする不思議体験記です。BLとかって大体上下巻か1巻だと思うのですが、そのせいでしょうか、この話の完成度は、ちゃんと書く前から全部の話がまとまって書いてる感じだと思います。話を書いてるってことですね。 連載ものだとどうしてもやりながらみたいなところもあるので、そこはしょうがないのですが、これは連載ではなかったんですかね?? 改めてやっぱりわたしは話が好きだということがわかったので、こういう連載っぽくない数巻完結ものを今後しばらくは攻めていこうと思いました。 中村先生、気づかせて下すってありがとうございました。 本作は、面白い話が好きな方におすすめです。
考察してもしなくても面白い!自分は1回目は通しで読んで2回目はメモを取りながら読みました!中村明日美子先生の描くキャラクターは男性も女性も美しいですね。ただ眺めて世界観にひたるのも良しです。全2巻でこんなに楽しめる作品はない!と思います。考察ブログもたくさんあるので自分の推理と重ねながら読んだのですが、謎が解けていく程に色んな解釈が出来るので益々面白いです。
ここからはネタバレも含めて感想を書こうかな。個人的な解釈ですが…。この作品の最大のミステリーは藤乃朱と三木桜どっちが秋山富士子なの?ウツボラを書いたのは誰?ということだと思いますが、亡くなった藤乃朱が秋山富士子でありウツボラの作者ですね。とはいえ一番謎が多いのは三木桜だと思います。大手生命保険会社の元OLで横領疑惑で警察に追われていて、違法なクリニックで溝呂木好みに整形した女。三木桜の存在がストーリーを狂わせて面白くさせてますね!警察は三木桜を秋山富士子と誤解したまま逃がして、ラストシーンでは溝呂木の子供を身ごもった姿を見せてます。藤乃朱と溝呂木が自殺するきっかけを作ったのも三木桜ですが、すべてを抱えてこれからも生きていくんでしょうね。2人のことを愛してたのは本当なんだろうな。癒しキャラのコヨミちゃんには幸せになって欲しいです。