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なので決して腹を抱えて笑えるとか、明るく楽しい気持ちになるような話ではないのですが 人の人の関わり合い、心理描写が緻密に成されているので読み進めているうちにグッと引き込まれるような力を感じます。
主人公の 愛する妻を失ってしまったことによる無気力、そこからの「生き残った者は自分の人生を真摯に重ねていくべきである」といった決意を得ていくまでの変化には目を見張るものがあります。
全2巻とコンパクトに収まっていますが、とても美しい結末を迎えていますし 最終話を読んだ後に敢えて第1話を読み返すと驚きすら覚えるかもしれません。
悲しみから目を背けるわけじゃない。
それはそれとして受け入れるからこそ 人は何度でも立ち直れる。前を向ける。
そういう気持ちを教えてくれた作品だと思っています。
環さん(主人公の妻)、したたかなところがすごくかわいい。
おすすめです。