『たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語』の著者・サトウとシオが大絶賛!! 「収納チートの柴犬無双! “システムを逆手に取った発想”と“モフモフテロ”に脱帽です!」【あらすじ】ブラック企業で社畜として働く 「クドウ カズト」は 、会社から帰宅途中の深夜、謎の大きな犬を轢いてしまう。その瞬間、カズトの頭の中に声が響いた。《クドウ カズトのLVが1に上がりました》《カオス・フロンティアにおける最初の討伐を確認―― ボーナススキル『早熟』を獲得しました》翌朝、カズトが目にしたのは変わり果てた街並み、そして人々を襲うモンスターだった――!! 愛犬のモモと共に、モンスターがあふれる現実(リアル)を舞台にしたカズトのサバイバル冒険譚が今始まる――!! 「小説家になろう」のローファンタジージャンルで、日間・週間・月間・四半期・年間ランキング全てで1位を獲得した超・人気作をコミカライズ!! 原作者書き下ろしショートストーリー「モモの前日譚」も収録! ※「小説家になろう」は株式会社ヒナプロジェクトの登録商標です。※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※
続きを読む
モンスターがあふれる世界になったので、好きに生きたいと思います
この話はゾンビものではないけど、
ゾンビものがなんで好きかって、かつてあった日常が破壊されて同じ人間や場所でさえ全く違う表情を見せてくるあの感じ。
それまで戦いやサバイバルを全くしてこなかったような人も必要を迫られ覚醒したり、狂気に飲み込まれたり、人を蹴落としたり、欲望のままに動いたりと、本性が剥き出しになっていく。
そして、いつ命が奪われるかも分からない中で紡ぐ関係性が刹那的で美しいのだ。
上のは、あくまでゾンビものの好きな点だが、この話は少し似つつまた違う文脈で語られているから面白い。
日常が一晩にして崩壊し地獄と化すのは同じだが理由は全く違って、どうやらファンタジーな世界の生物が現実に出現し、なぜか人間を蹂躙しまくっている。
しかもゲームシステムのごとく、モンスターを倒すと経験値が入り、レベルが上がり、スキルを獲得し、目に見えて分かりやすく戦闘力が上がっていくのだ。
現実を舞台としたサバイバルで読みやすいし、敵がゾンビ一種類とは違っていろんなファンタジー生物がいるし、ワクワクしないわけがない。
自分だったらどうするだろう、なんて考えちゃう。
現実の日常が蹂躙される「ゾンビもの」と、いわゆるファンタジーを舞台とすることが多い「なろう」の流れ、その中でもゲームシステムを組み込むタイプが上手く融合されていて、視覚的にも数値的にも成長度合いが分かりやすい。
いろんな面白さがあるけど、主人公が成長のスピードが速いとシンプルに楽しいものだ。
そして犬がかわいい。
総合的に単純な消費しやすさのレベルが高く、ライトな読み口で適度にちゃんと苦境に立たされるというとてもいい塩梅。
ハンターハンターのようなガツンと濃厚でのめり込めるストーリーを求める人には物足りないかもしれないが、優等生的な良さがあり万人受けしそうだ。
この読みやすさなら原作も読んでみようと思う。