よくあるBLかな?と思って気軽に手に取ったのですが、ニューヨークを舞台にとあるゲイカップルの苦悩と幸せを描いたシリアスな良作でした。
セックスシーンはほぼなく、彼らの親や仕事との関係、トラウマなどにスポットを当てた作品です。
20年以上前のアメリカを描いているはずなのに、2018年の日本よりセクシャルマイノリティーへのまともな理解があって、やっぱり日本はやばいな・・・と思いました。

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ニューヨーク・ニューヨーク

愛してるとその先

ニューヨーク・ニューヨーク 羅川真里茂
pennzou
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本作は1995年~1998年に花とゆめにて掲載された。話数単位とは別の章立てにより5つのエピソードに分かれている。それぞれのエピソードの概要は、Episode I:ケインとメルが出会い強固な絆で結ばれるまで、Episode II:ケインの両親へのカムアウト、Episode III:ケインとメルの結婚、Episode IV:メルをさらったシリアル・キラーをケインが捜すサスペンス、Episode V:養女を迎えた二人の生涯となっている。このように、物語は二人がまず結ばれるまで(Episode I)よりもそれ以降の長い時間(Episode II~V)を描いている。ここに絆がより強固になっていく様を描こうとする作者の意図が見えるし、それは成功していると考える。 ゲイであることとそれにより生じる苦難は本作の大きなテーマだが、異なる理由で生じる問題もある。例えばケインの言動が無遠慮で本当にひどい時がたまにあり、それゆえに起きる問題もある。このキャラクターの性格・行動にいいところもそれはどうかと思ってしまうようなところがあるのも本作の特徴だ。一人の人間が持つ複数の面が描かれている点は本作の射程の広さになっている。 射程の広さでいえば、ケイン・メルを取り巻く人物はそれぞれ異なる考え方を持っており、その人間模様や変化も魅力である。特にEpisode IIで描かれるケインの両親との物語は本作のハイライトだろう。大きくは扱われないが、Episode IIIで描かれるゴーシュの件も気を引き締められる。 Episode IVでメルがさらわれるのはメルがゲイであるから起きた問題ではない。さらに言えばシリアル・キラーを追う展開であり、この要素だけを見ると別の物語のようだが、犯人とメルとの相似やケインとメルが試練の中で互いを想うことは物語をより強いものにしている。また、スリリングな場面・描写もあり別の読み口が楽しめる点も良い。 先に述べた通り、本作は90年代中~後に描かれている。そのため、これは当たり前なことなので野暮を承知で書くが、当時は先鋭あるいは常識的なことだったのだろうが現在では古いように感じられる部分も散見される。古く感じられるのは昔より進んでいる証左であり、良いことだと思う。しかしながら、同時にそれは「自分はそういった思想・文化のアップデートをちゃんとキャッチアップして血肉にできているのか?今後もできるのか?」という自問を発生させるわけで……その、かっこよく生きたいものですねと思うばかりです。

にゅーよーくにゅーよーく
ニューヨーク・ニューヨーク 1巻
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是騒騒

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『ましろのおと』羅川真里茂、完全新作読み切り!!大学生・音音に、向けられる謎の視線と襲い掛かる怪異の数々。そして、エリーと名乗る淑女との出会いが音音を…!?羅川真里茂が綴る妖艶怪異譚!!(月刊少年マガジン2024年7月号)

ましろのおと

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津軽三味線を背負い、単身、青森から東京へやってきた津軽三味線奏者・澤村雪(さわむら・せつ)。師でもあった祖父を亡くし、自分の弾くべき音を見失ってしまった雪だが、様々な人と出逢いながら今、自らの音を探す旅を始める。――「赤ちゃんと僕」「しゃにむにGO」羅川真里茂(らがわ・まりも)が贈る、今一番アツい津軽三味線×青春ストーリー!!

東京少年物語

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両親の離婚後、母に引き取られて東北の田舎で暮らすことになった吉蔵。だがそこに馴染めぬものを感じてしまい…。遠い夏の日の記憶が胸を打つノスタルジックロマン!(このコミックス内の作品はすべて「僕から君へ 羅川真里茂傑作集」に収録されております。重複購入にご注意ください。)

僕から君へ 羅川真里茂傑作集

僕から君へ 羅川真里茂傑作集

冬のある日、夏己が死んだ──ひろむは15年前、彼と出会った日のことを思い出す…。24歳で逝った友とのかけがえのない日々を回想する感動作『僕から君へ』他、少年たちの美しく懐かしい田舎での日々を描いた『東京少年物語』、ほろ苦い青春ストーリー『がんばってや』を収録!(『東京少年物語』『がんばってや』はコミックス「東京少年物語」にも収録されています。)

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