朝がまたくるからのあらすじ闇の中で、ただ震えることしかできなかった幼い双子・リキとチカ。二人を外に連れ出したのは、ある日家に入ってきた知らない「おにいさん」だった…。罪をテーマに描いた感動のシリーズ3編を収録!
オッサン・オヤジが読んでも面白い少女マンガ、ありますか?朝がまたくるから』という短編集もオススメです。痛々しい作品達ですが美しく、泣けます。名和田耕平デザイン事務所の装丁は、性別を超えた詩情を醸し出していて、持っていたくなります。
オッサン・オヤジが読んでも面白い少女マンガ、ありますか?朝がまたくるから」も知りませんでした。 テニス漫画もあまり読まないジャンルなんですが (ルールを良く知らないせいもある) 自分があまりしらない少女マンガで、あまり馴染みのないテニスの漫画、 ってことで、より、知らなかった面白さがあるかもしれませんね。 それに「ましろのおと」「しゃにむにGO」など題名だけでも なんだか羅川先生独特のセンスを感じます。 「ましろのおと」も読んでみたくなりました。
幸せになりたいけれども、それを得ることは許されない……そんな苦しみや罪の意識を抱えながらも、寄り添わずにはいられない人達を描いた、三つの物語。 羅川先生が過去の連載で駆使してきた、お気楽コメディに苦しみを隠す技を封印。剥き出しにして突き付けてくる状況と感情は、生々しく、痛々しい。 三つの季語に詩情を託し、様々な「救い」の形を謳い上げる、これらはそんな「贖罪の歌達」。目を背けなければ、最後には必ず、優しさに出会える。 ●葦の穂綿 ふと出会った男性に、心惹かれる。どこか壁のある彼の、向き合っている「罪」を知った時……。 とてつもなく重い物を背負った、赦しを得られない人に、それでも支えたいと思う人が、ほんのひと時、寄り添う話。 ●半夏生 カメラマンになりたい女と、女装したい男子高校生。秘密を共有するうち、惹かれ合い、一線を超えるも……。 やましさと、どうしようもなく惹かれる気持ちを、互いの閉塞感の中で育んでしまった二人の、精一杯のけじめのつけ方の話。 ●冬霞 ネグレクトされた幼い双子を、若い男が誘拐する。何かから逃げる男は、一方で双子には、真っ当な愛情を注ぐ。彼は一体何をしたいのか……。 大きな負の連鎖に連なる、男と双子。双子を真っ当にしようとする男の動機を知ると、そのクソッタレな状況と、それに抗して足掻く男、そして彼に愛情を貰って始めて、自らの感情を出すことを覚える双子に、本質的に幸せを求める人の性を見て、切なくなる。 この作品については名作『赤ちゃんと僕』を描いたことで得た物が、反映されているのかもしれない。虐待の実態など、極端な事例のようでいて、実際に報道で触れる痛ましい事件のリアリティがある。