ハートフル・漫画家マンガ・コメディ
ちゃんと描いてますからっ! 星里もちる
ネームだけ描いたら逃げちゃう漫画家の父親の代わりに娘達が作画をしてるけど、ファンにはもちろん担当編集さんにも内緒にしているというお話。ちなみに主人公の姉が人物のペン入れをして、妹がデジタルで仕上げをしています。それから長年アシスタントをしているあかねちゃんも事情を知っていて助けてくれます。
2巻までは、監視の目をすり抜けて逃亡しちゃった父親の代わりに嫌々ながら原稿を完成させる毎度お決まりの話が続くんですが、3巻で父親の漫画のファンであり主人公の憧れの先輩に秘密を打ち明けてから流れが変わります。今まで父親の「模倣」しかしていなかった主人公が初めてオリジナル作品を描くことになるのです。
プロ目線もアマチュア目線も両方ある漫画家マンガとして楽しめる作品でした!登場人物は少ないんですが全員分のエピソードがちゃんとあって丁寧に描かれているのも好印象です。娘達を困らせてばかりいる父親ですがそれほど悪い人にも描かれていないのでイライラしないで読めます(笑)
ポジティブ先生 石黒正数短編集(2)
石黒正数の短編集。「それでも町は廻っている」の主人公である嵐山歩鳥が『夜は赤い目の世界』に登場する。別の短編『探偵綺譚』にも登場する。
巻頭の『種』はビームに投稿して佳作をとった作品のようだが、大友克洋っぽい(気分はもう戦争あたりの)感じを受けた。
表題作の「ポジティブ先生」は短いんだけど破壊力のある漫画でとても笑った。『夜は赤い目の世界』はですね、お馬鹿で流されやすくて自己中なところもあるけどなんやかんやで人情味のあるいいやつっていう嵐山歩鳥の原型があり、さらに作品としても面白かったので、とても満足。