玻璃の花
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あらすじ

ある日、ひとりの僧が子供を助けた。それは雪の夜に生された呪縛── 獣の刻印を持つ下法師・蘆屋道満は右大臣・小野宮の依頼を受け三条天皇を呪う術者を始末したが、帝の容態は悪くなる一方だった。人のような獣のような怨霊の仕業という祈祷師の言葉に道満は安倍晴明の影に気づく。そんな折、高野の奥に隠された「玻璃の堂」に封じ込められている瑞慧阿闍梨は、残禍に苦しんでいた。獣の血を引く子・イツの命と引きかえに双子の兄、春宮・敦明にかかる一切の厄災をその身に受ける生きた人形[ヒトガタ]となっていたからだ。そのうえ、瑞慧はイツと暮らした幸せな日々も、イツの記憶すら失っていて──!?

あかのわしゅぴーる
赤の原遊戯
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あらすじ

理想という大儀の下、潔癖に純粋であろうとするアーリア人。体制への忠誠は血に勝り、死にゆく者にも祈りは与えられない。完全なる純粋を求める故に生まれる孤独、衝動、愛情、罪……。ナチス政権下、時代に翻弄される少年、そして若き将校へのレクイエム……。

はりのかたなとごきのふね
針のかたなと御器のふね
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あらすじ

身体が人の手のひらに乗るほどしかない兵九郎は月の光の下では人並みの大きさになれる。それゆえに祟りの子と噂されてきた。兵九郎は噂を覆すべく里を出て都にのぼり、京の貴族・琴平の守護役となることに成功した。琴平を踏み台に出世をもくろむ兵九郎だったが、何かといい加減な琴平に不安を覚える。しかし、琴平はどうも喰えない感じのする男で…。