“約束”を守ると願いを叶えてくれる、世界に一つだけの人形。ただし、約束を破ると、その“代償”は……? 『地獄少女』シリーズ(講談社刊)のエトオミユキの描く魅惑のドールミステリーホラー、開幕!
訳あって他人との関わりを断つように生活をする、引き篭りの小説家・ルーカス。そんなルーカスの家に届いた荷物に、謎のサーカス団から逃げ出した奇妙な猫が2匹紛れ込む。執拗に猫を追い求めるサーカス団の目的とは!?
地方の過疎化で進む、妖怪たちの上京ブーム!? 今日も雅不動産には、そんな妖怪たちが理想の部屋を求めてやって来る…。雪女に座敷童、河童に砂かけババアなどなど、悲喜こもごもな賃貸物件コメディ、開幕!!
日々変化するトレンド。それは人間だけでなく、悪霊もまた同じだった! 都市伝説「メリーさんの電話」で有名な悪霊・メリーさんも、今では電話ではなくツイッターのリプライを使い、殺しにやってくる。そんなトレンディな殺しの標的にされた小説家志望の青年ヨウヘイだったが、殺される前に、メリーさんが家の壁にハマってしまい… さらに彼女は深刻なレベルのおバカであり… こうして、悪霊の美少女との奇妙な同棲生活は始まった! 爆笑必至! カワイイ悪霊との同棲コメディ、第1巻!
古来より闇に潜む、人ならざる者“狗属”。その脅威に対抗すべく、正義の狗属たちによって構成された国家公認の対狗属組織、“犬養部”! 天狗の力を持つ局長を中心に、個性豊かな犬養部たちの戦いが始まる…。NEW退魔アクション、第1巻!!
失踪していた兄を捜していた少年・望月翔太。彼はある日、見覚えのない部屋で目覚める…。その部屋の様子はWEB中継され、外部との繋がりは視聴者との音声チャットのみ。そして、突如始まったのはバトルロイヤル形式の殺人ゲームだった…!戦慄のサスペンス・ゲーム、ここにスタート!!
雛見沢に伝わる秘宝・フワラズの勾玉のせいで、レナが恋に落ちてしまった!!果たして、レナの恋のお相手は…。暴走するレナ、助けようとする圭一たち、役に立たない羽入!!竜騎士07原作による、やりたい放題「ひぐらし」コメディ編!!
平和だけがとりえの島に住む中学2年生の主人公・彰。代わり映えないメンバーで迎えた新学期は、都会からの転校生・西神松枝郎の噂で持ちきりだった。「僕と親しくなった人間は必ず死ぬ」松枝郎の言葉の真意とは…? 新感覚ラブコメ×サスペンス第1巻!
女子高校生探偵の肩書きに固執し、3度目の高校3年生を迎えた三海結(19)が、助手のリンリンこと本林木木の手柄を譲り受け、難事件の数々に挑む!!読むだけで、推理の基礎が分かっちゃう!?新感覚探偵コメディー!!
平凡だったはずの日常から、「研究所(ラボ)」での爆発事故の渦中へ…。事故の発生する5日前から、事故が発生した現在まで、高校生・夏彦の視点で、「現実」と「過去」の交差する2重構造の脱出劇。なぜ「研究所(ラボ)」で事故が発生したのか──?そしてなぜ、「過去」の記憶が一日ずつ脳裏に蘇るのか──?その真相を知った時、夏彦に突きつけられる残酷な真実とは──…!?2012年ユーザー評価No.1(※電撃オンライン調べ)の究極のSFサスペンスアドベンチャーゲームをコミカライズ!!
巨大研究施設の地下で起こった原因不明の爆発事故。その事故に巻き込まれた人々を救助するため派遣されたレスキュー隊・シリウス…。だが隊長の渡瀬は、救助に際し何故かそれまでの記憶を全て失っていた…。自分が何者かもわからぬまま目を覚まし、最悪の極限状況を認識していく中で、渡瀬は、人命を救助し無事脱出することが出来るのか──!?2012年ユーザー評価No.1(※電撃オンライン調べ)の究極のSFサスペンスアドベンチャーゲームをコミカライズ!!
なんの変哲もない日常を過ごす高校生・鹿倉時雨は学校で奇妙な噂を耳にする。“魔の水曜日”と呼ばれる連続自殺事件…。学校に蔓延るこの噂の謎を追う時雨は屋上で謎の少女と出逢い、さらなる事件へと巻き込まれていく。戦慄と狂気のサイコサスペンスミステリー、開幕。
「楢鹿高等学校」、そこは未来が約束された場所。「神蝕」、それは現実を蝕む残酷な神の試練。学校に閉ざされし少年少女達の生存競争を描く戦慄のサバイバルホラー開幕!!
奇行・電波的発言で、今やクラスメートから総無視を食らう、残念な美少女、上村ユウカ。そして、唯一、彼女に声を掛けてしまった白崎修士は不幸にも上村に付き纏われることになり…。「キミを骨抜きにするんだからねっ!?」この出会いがすべての崩壊の始まりだった!?電波×SF×ラブコメストーリー。
何という面白さ! 面白すぎる! 凄すぎる!! ルートダブルに本腰を入れ始めた時、私は「ジョジョの奇妙な冒険」のアニメのリアルタイム視聴すら諦めて、この過酷な世界に徹夜で没入してしまいました。そして、暫くの間うわ言のように「ルートダブル面白い」「ルートダブル面白い」としか言わない、壊れたレディオのようになりました。 「ルートダブル」は、2012年の6月にXBox360で発売されたAVG。今や禁忌とも言える極限状況。知的好奇心を刺激して止まない、近未来における新たな理を描くSF設定。それらが合わさって構築される、濃密な物語。その圧倒的な面白さは、私が2012年に触れた全ての物語の中で最高ともいえるものでした。 ■禁忌の絶望的極限状況 「ルートダブル」は、メルトダウンした原子力施設の中に閉じ込められた9人の脱出劇を描いた物語です。蔓延する放射線、火災、バックドラフト、酸欠空気、殺人……様々な苦難が満ちた地獄の世界で、果たして彼らは生き残れるのか。 このあらすじを聞けば、「福島の事故があったのに、そんな話は不謹慎ではないか」と感じる方もいるでしょう。実際、社会情勢を鑑みて発売中止になるかもしれない、という時期もありました。しかし、この作品の制作が発表されたのは2010年。元々、原発事故の被害者を貶める意志など微塵もなく、むしろ極限状況における人間の希望を描いた作品であるということが強調され、何とか発売されました。私は、この作品が世に出てくれて本当に良かったと思っています。純粋に面白いのは勿論ですし、触れれば悪意を持って創られた作品でないことは明白に理解できます。そして、放射線・放射能・放射性物質やベクレル・シーベルト・グレイの違いといったような知識を改めて学ぶことができる内容、そして作品の中で語られるテーマは今の社会において非常に重要で有用であるからです。 ■視点は「二つ」あったッ! 双極から立体化する物語 「ルートダブル」は、そのタイトルが表す通り、二つの異なる視点から同じ対象が描かれます。√Aは、記憶喪失になってしまった救急隊員の笠鷺渡瀬の視点で、√Bでは母親が研究所の職員である高校生の天川夏彦の視点で。マンガ版でもそれぞれのルートの話が別々に一本の作品として描かれ、単行本も√Aと√Bが二冊同時に発売される形でした。 たとえ見るものが同じであっても、観点が変わればその印象は全く違う……そんな面白さも見事に表現されています。一方的な視点見るだけでは解らない側面。他者の立場に立ってみて初めて解ること。この双方向的な構造それ自体が、批評性を持っています。これ以上ない緊張感溢れるシチュエーションで、二転三転していく物語。何でこんなに続きが気になる所で仕事に行かなければならないのか! と理不尽な怒りすら湧くほどの牽引力でした。この作品に込められた様々な趣向と構造には、思わず溜息すら漏れます。 ■SFの世界が現実に ジュール・ヴェルヌが描いた潜水艦や宇宙船、アーサー・CD・クラークが描いた衛星通信技術、H・G・ウェルズの描いた光学迷彩……優れたSFは、未来への真摯な想像力によって、現実を先取りしすることが多々あります。「ルートダブル」もその好例です。実際に制作中に原発事故が発生してしまった、というのも先見的ですが、この作品では根幹となる部分に一つ大きな設定を導入しています。それが、「Beyond Comminucation(BC)」、いわゆるテレパシーと呼ばれるような能力です。脳と脳による直接的なコミュニケーションが超能力としてではなく、極めて濃厚な科学的考証を経て、社会では普通の存在となった能力として描かれます。「"情報"もエネルギーの一種である」という理論は近年研究が進められ、今作で描かれるような現象も近い将来には実現しているのではないか、と思わされるリアリティがあります。知的好奇心の擽られるSFが好きな人間には堪らない作品です。 ガンガンオンラインのサイト上で1話の試し読みができますので、まずは騙されたと思って触れてみて頂きたいです。商業的な要請から美少女が全面に押し出されてはいますが、中身は実に重厚です。 ただ、この「ルートダブル」は、マンガ版は物語の途中までで完結となっており、事件の全ての真実や、より細かい世界設定などを楽しむためには原作をプレイする必要があります。とはいえ、マンガ版にはマンガ版の魅力も勿論あります。ゲームでは見られなかったアクションやキャラクターの表情・魅力といったものを堪能できるのは、マンガ版の強みです。原作と共に相乗的により深く物語を楽しめる作品として、まずマンガ版から入るも良し、先に原作をプレイして後から読むも良し。現在、PS StoreにてPS3版とVita版の半額キャンペーンが行われていますので、是非とも原作と併せてこの類稀なる傑作として「ルートダブル」の世界をお薦め致します。 ■余談 マンガソムリエを名乗り、あまつさえマンガレビューサイトでこんなことを言っていいのか悩みます。しかし、敢えて言いましょう。こと物語創作において、今最も可能性を持った媒体はノベルゲームではないかと。ヴィジュアル面とサウンド面、そして構造的演出による相乗効果を駆使できながら、映画やアニメに比べれば遥かに低コスト。その気になれば四畳半の部屋で個人単位で制作し、世界を変えて行くこともできます。 原稿用紙数万枚分や単行本数十巻分、あるいは映像にして数十時間分の超大なボリュームの物語をいきなり新人が打ち出すのは極めて困難ですが、ノベルゲームはそういったことも可能にする世界です。今後も、野心的な素晴らしい作品が生まれることを期待しています。 ただ、マンガにおける音声面の補完としては、最近では集英社のVomicや、Domixといった試みもあり、非常に興味深い所です。あるいはニコニコ動画などでも絵が多少動きつつ音声も付けられた作品があり、そちらにも新たな可能性を感じています。ロッキーの練習シーンや、ラピュタ上陸シーンのような、聞けば一瞬でそのシーンを想起するような音楽の力がマンガに付加されたらどうなるのか。Webマンガやスマホで読むマンガが隆盛を極め、マンガ業界も過渡期を迎えている今、どんな形のマンガが今後生まれてくるか、楽しみです。