「戦後」と呼ばれる時代。己の運命を国家や家族、そして時代に翻弄されながらも、日本とアメリカに生きた4人の人間の物語。人気作家や社会学者の方も推薦!! 戦後の日本とアメリカに生きた若者を実直に描く衝撃のデビュー作。
昭和22年、敗戦後の日本。当時、日本はアメリカの占領下にあり、人々は仕事もなく苦しい日々を送っていた。そんなある日、主人公・麻美はMP(米国の憲兵)に襲われ、レイプされてしまう! 傷モノにされたことを許せない夫が離婚を切り出し、追い出された麻美は妹分のユキを連れ街をさまようが貴重品を盗まれ無一文になってしまう! そんな麻美に「花電車のお初」という老女が声をかけてきた!
「お母ちゃん! もう身体売るのは嫌だよ!」実の母親に客を取らせられる!? 戦後昭和の売春街で身体を売って生きた母娘の壮絶人生を描いた「赤線母娘~売春街に生きて~」、両親を失った令嬢姉妹、疎開先で奴隷のように扱われ、家の主人からはいやらしい目で見られるようになり…? むごく淫猥な日々をまとめた「疎開の姉妹」、怖いものナシのお嬢様が売られた先は日本人娼館!? 待ち受ける地獄の日々に救いはあるのか…涙なしでは読めない「からゆき」、学校にいきたい! その一心で街に出ようとした小さな村の少女が運ばれたのは金持ちの変態の豪邸だった。少女の絶望と再生を描いた「なみだの運河」。汐見朝子がおくる、身勝手な男の欲望に翻弄された女たちの物語4作品を収録!
戦後間もない大阪。戦争の傷跡が残る町で、人々ががむしゃらに生きていた時代――。愛生子は、アメリカ兵相手の売春や金持ちの黒田の妾となりながら体ひとつで生きる母を見て育ち、母を反面教師として、女である自分が強く生きていく為のゆるぎないなにかをつかもうと努力する。そのなにかが愛なのか学歴なのか、大人になりきれない愛生子にはまだ分からない…。そして、黒田の息子正彦と恋に落ち……。