都会の喧噪を逃れ、秘境の温泉宿・椿屋で従業員として働き始めた謎の男・源さん。彼はかつて、人の命を奪うことを生業(なりわい)としていた殺し屋(スナイパー)だった!!正体を隠して勤める源さんの元に、以前の「マネージャー」だった男が訪れ、再び殺人の依頼を持ちかけるが……。ゼロから人生をやり直そうとする男の胸を打つ人間ドラマ!
あの男が帰ってきたゾ!!極道の世界に背を向け、姿を消した凡野親分だったが、子分たちの熱烈なラブ・コールで、再び極道の世界に戻る。そこに待っていたものは……。
ある日隣に引っ越してきた凡野一家。父親の凡野平太郎は一見腰の低い平凡なサラリーマン。ある日会社に押しかけてきたヤクザに凡野の名刺を見せると…!?あの凡野平太郎が帰ってきた!!新宿の親分として…
私、六本木小菊一家代貸、恩部谷健と申します。もっぱら賭屋でシノイでおります。組長と私、たったふたりの吹けば飛ぶよな極道稼業。でもね、お客さん、なめちゃあ、いけません。賭屋が集金できなけりゃ、死んだも同然ッスからね……。
果てしないラーメンの魅力にとりつかれた男たちが、“理想の一杯”を求め、日々闘い続ける……。エセ・グルメな店も客も、すべてを粉砕する衝撃の“食”バイオレンス!!ふざけた味は、もういらない!!
愛とセックスを通して女性の心情を描き出すことに定評がある内田春菊が、男性の視点でストーリーを紡いだ意欲作!おしゃれでもなく、ダサくもなく、おしゃべりでもなく、無口でもなく、金持ちふうでもなく、びんぼうくさくもない、めだたないラインで生きていく、ごくごくふつうの成人男子・清くん(27歳)。彼がなぜ、そうなったのか?思い出したくない心の奥深くに抱える秘密とは……?「忠海くん」「智くん」「宏治くん」「トオルくん」など、心に傷を持つ男達の物語のほか、男の思惑に乗らない女達の物語を収録!!
女と見たらやるしかない、やったら金を出させるっきゃない!究極の自己チュー男・デビイの生き様を見よ!ルックスはイイが仕事を持たず、女と金のことだけを考えて生きている悪魔のような男・日出男。デビイと呼ばれる彼は、女に近付いては金をせびり、セックス三昧。時にはウソを並べて涙を流し、時には甘い言葉を囁いて……プロの物書き・アユミ、田舎娘・トキコ、セックス奴隷・米子(まいこ)など、さまざまな女を渡り歩いていく。内田春菊の描く史上最低の男(!?)、第1弾!!
温泉の湯けむりに隠れて暗殺を行う――。てっきりそんな話だと思ってました。あらら、全然違うじゃんだまされた、つぶやきながら読み進めていったらこれがなかなか掘り出し物。元殺し屋の「源さん」が過去を捨てて第二の人生を温泉宿の従業員として生きる、という話で、これがシブくて深い。温泉に訪れる客との交流に源さんの過去を絡めるだけでも結構イイ感じの人情話。さらに松茸取りの名人やら女体盛りやら夜逃げやらアナクロな感じの要素がてんこ盛りで、田舎育ちの私にとっては日本にはまだまだこんなところが残っているよな、と再確認してしまいます。私が特に好きなのは温泉街の人が集まって夜桜で花見をする場面。人工的な照明ではなく、暗闇にぼんやりと浮かび上がる桜。秘境ならこんな花見もホント、ありです。また、後半になるにつれて比重の高くなる源さんと2人の女性との心理描写も読み応えたっぷり。重厚な絵柄がそれを引き立ててくれます。しかし女体盛りが出るような秘湯なのに、近場に海の家がある海水浴場があるなんて…。モデルがあるなら一度行ってみたいものです。