的中!青春100%

真面目にやって下さい、先輩方!

的中!青春100% 秋★枝
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

新入生の毛利と楠が入部した弓道部は、ふざけた先輩の巣窟だった!今日も用具を手に、モノボケに興じる面々。ウケた時の合言葉は「射!」……それでいいんか? 思考戦と人間関係のドラマを紡ぐのが「陰」の秋★枝先生だとしたら(『純真ミラクル100%』『Wizard’s Soul』『恋は光』など)、『煩悩寺』や『起きてください、草壁さん』のような、細かいネタを詰め込むシチュエーションコメディを繰り出すのは「陽」の秋★枝先生。この『的中!青春100%』は、「陽」の作品に分類されるだろう。 (やや強引に分類しましたが、がっつり秋★枝先生ワールドに引き込まれたい方は「陰」の作品、気軽にコメディ+恋愛を楽しみたい方は「陽」を読むといいかも、くらいの気持ちです) 弓道部の先輩達は、なかなか部活をしない。用具を手にモノボケに興じ、別のスポーツで遊び、真面目な毛利(本名は杉本)を呆れさせる。 特にシリアスなドラマもないので、おかしな面々に振り回されるうちに、状況に染まりそうになる毛利(本名は杉本!)の行く末を、気軽に眺めていたい、そんな作品が、およそ100ページ。 後半は、恋愛のかけらの4ページが少しずつ積み重なってゆき、幾つかの愛になる約70ページの作品群『ワンシーン』。どちらかといえば「陰」の秋★枝先生だが、短い瞬間の恋心を切り取り、ドキッとさせられて終わるのが気持ちいい。

水曜日

高校デビュー失敗組は必読

水曜日 冬川智子
nyae
nyae

読んでいて、ちびまる子ちゃんが今女子高生だったらこんな感じかもなと思った。 どうせあたしなんか…と自分を卑下しながらも、心のどこかでは自分のポテンシャルを信じたい。いつか自分もあちら側に…という期待を捨てることができない女子高生の自意識がパンパンに詰まった、笑える青春?マンガです。 中学までの地味だった自分を捨て、高校デビューを目論むも根っからのオシャレ人間たちとの圧倒的な差を見せつけられ、絶望する主人公の鳩。かといって地味女子グループに入ることはプライドが許さない。 比較的自分とレベルが近いと思っていた友達も、オシャレになって恋をして彼氏ができる。比べて自分は“男子に話しかけられるか”を日々の目標にする始末。 流行りのおくれ毛を作っていったらボサボサだし疲れてる?と言われてしまうくだりは涙なしでは読めません(笑い涙です)。 鳩はそんなオシャレグループにかすりもしない自分に対して思い悩みながらも、全体的にノリが軽いのが読んでいて楽です。 鳩に自分を重ねて、自分の高校生活を振り返って、しょうもなかったけどそんな自分も今思えば未熟で愛おしいな、と思えるかもしれません。

煩悩寺

オトナの秘密基地、煩悩寺。

煩悩寺 秋★枝
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

小山田君の部屋は、ヘンテコグッズでいっぱい!恋に仕事に疲れた小沢さんは、今日も彼の部屋でダンボール箱を開ける。中身に驚き、笑って飲んで元気になれるこの部屋、通称「煩悩寺」で、今日は何して遊ぼうか? 小山田、小沢と小山田の友人・島本の3人は、部屋にあるグッズで遊んだり、それをネタに笑い転げたりと、あまり社会人っぽくない遊びに興じる(酒は飲む)。その日の遊びは、開封する段ボール箱任せ!という博打感を楽しむ、彼らの力の抜け具合がいい。 煩悩寺にあるグッズはとにかく悪趣味、煩悩丸出しで、くだらないものが多い。しかしそれらは裏を返せば、欲望に忠実で、隠し事がないということ。小山田の基本ウェルカムな性格もあって、小沢にとって煩悩寺は、素の自分のままでいられる、寛げる場所のようだ。こんな秘密基地、私も欲しい。 失恋の痛手や仕事のストレスを癒してくれる煩悩寺は、小沢にとって、次第に大切な存在になってゆく。そしてそんな場を創り出す「変人な善人」小山田との関係も……。 煩悩寺のグッズ達をゲラゲラ笑いながら遊び、受け入れる小沢は、島本に言わせれば「素質あり」。部屋の主との相性はいいんじゃないの?ということで、いつも楽しそうな息のあった二人の関係を、島本と一緒にいじりながら眺めていたい、そんなお話。