加賀谷次長、狙われてます!【電子単行本】

BL…?奇妙な三角関係が癖になる男3人の人間模様

加賀谷次長、狙われてます! 小山田容子
天沢聖司
天沢聖司

オフィスコメディだと思って読んだのでこの3人の関係の奇妙さにとにかくびっくりした! 主人公は顔がよくて仕事のできる性格のいい次長で、日頃から支店内で女房役を務め、仕事が円滑に進むよう絶妙なサポートを行なっている。 恋愛よりも「人を育てるのが大好き」という少し変わった人物で、態度の悪さで皆が手を焼いてる3年目の新人を喜んで指導することに。(ちなみに既に大学生の男の子のお世話もしてる) 次長が手塩にかけて大切に大切にお世話するうえに、「えっ、この人俺のこと好きなんじゃね…!?」とドギマギさせる思わせぶりな態度をとるせいで、タイトル通り大学生と新人くんの2人から好意を寄せられ狙われることになるという話。 あの態度をマジのガチの素でやってんのか、それとも意識してやってるのか今のところ言及がないので謎で、読みながら「えっ…なにこれ…? どういうこと? え…?」と戸惑わされそれが面白かった。 2人とも思いを寄せてるんだけど、それは普通に恋してるというか、初めて自分だけに注がれる愛情に舞い上がっちゃってるだけの気がする。2人とも家族からの愛が足りていないところがあって、次長から無償の愛をバンバン注がれて嬉しくなってしまい脳が「恋」と誤作動してるみたいな。 とりあえず今のところ恋(?)は新人くん&大学生→次長の一方通行で、次長がどう思っているのか感情が全く見えず、BがLになるのか全く予想がつきません。 レーベルはエレガンスイブなんですね。なるほど、わからん…。 加賀谷次長は一体どうなってしまうのか続きが気になります! https://souffle.life/manga/kagaya-jichou-nerawarete-masu/20200306-2/

オフィスのざしきわらし

普通のOL4コマと思いきや・・・?

オフィスのざしきわらし 小坂俊史
ひさぴよ
ひさぴよ

4コマ王子こと小坂俊史先生による、普通そうで普通じゃないOL4コマ。 中途入社の主人公・志咲笑子(しざきえみこ)は転職元の会社がことごとく倒産することから「座敷わらし」の異名を持つOL。しかし、この座敷わらし設定は即座に捨て去られ、タイトルの意味はどこへやら、日々の仕事を”いかにサボるか”に話が変わっていきます。 ヒロインの体型も徐々に変化し、最初は気のせいかと思いましたが、どんどん太っていきます…ドラえもんの逆バージョンみたいな感じでしょうか。 そして、サボっていた仕事も次第にそこそこ出来るようになり、普通のOLへと変わるのですが…。これだけ話に変化がありながら4コマ漫画としての面白さは一貫して変わらないのです。普通のOLマンガを目指そうとした結果、普通じゃない漫画になってしまった感じがします。脇を固める同僚たちもおかしな人材ばかりで読んでいて飽きません。作者コメントで「会社勤めの経験が一度もない」というのは驚き。オフィスのあるあるネタは本当に共感できるものが多いかったので。 連載時期が2010年〜2011年頃という事で、リーマンショック後の時期のはずなんですけど、不況を感じさせない、ほのぼのと明るい気分にさせてくれる漫画です。

高機動無職ニーテンベルグ

働きたくない思いを戦う力に変えて

高機動無職ニーテンベルグ 青木ハヤト
ANAGUMA
ANAGUMA

「働かずに食べるメシはうまいかっ!!N.E.E.T.ッ!!」「美味しいですよ!!」 ロボット作品の開闢以来、戦闘中のコックピットで発されたセリフの中でも相当上位の切れ味を誇るのではないでしょうか。せめて少し迷ってほしい。 開幕のこのセリフが象徴するように、本作は働くことと働かないことをめぐり、命懸けで戦うパイロットたちの姿が描かれます。 主人公の不動遊(無職)はひょんなことからデスマーチ軍に抗う存在、無職同盟(リガ・ジョブレス)に加入し、黒い人型兵器(ワークマン)・ニーテンベルグに搭乗。彼の「働きたくない」思いとともに、世界の命運をかけた社畜と無職の戦いが幕を開けるのでした。全部マジです。 ロボットもののテンプレートに乗せて一貫して働く者と働かざる者の対比が描かれるのが最高に笑えるポイントです。 レジスタンスに加入してもぐだぐだしている遊に比べて、ライバルのワーカ・ホリック大佐が社会人としてまともに見えるのも読んでいてじわじわくるところ。本当に倒すべき敵なのか彼らは…? イカれた設定が繰り広げられる中でメカの作画やバトル描写はすごくカッコイイのが更に面白い。ちゃんと機体のパワーアップとかもあってロボットものの楽しさも味わえますし、物語自体は王道の熱さを備えているのがすごいです。 ガンダムのパロネタ(※超秀逸)だけではない「自由を求めて戦う」という重厚なテーゼが奥底に織り込まれているのが本作の魅力なんでしょうね。実際には労働から逃げているわけですが。 働きたくね〜と思った時に読むと元気が出るのでおすすめです!

『くーろんず』シリーズ 空論基礎

ダ・ヴィンチ・恐山というインターネット

『くーろんず』シリーズ 空論基礎 ダ・ヴィンチ・恐山
野愛
野愛

ダ・ヴィンチ・恐山をダ・ヴィンチ・恐山として認識したのはいつ頃だったんでしょう。RTで何かしらのネタツイートは見かけているはずなのに記憶にあるのはにぅまさんのツイートばかりだし、オモコロで記事を見ているはずなのに永田さんの女装姿とかARuFaさんの奇行ばかり脳裏に焼きついています。 それが今更ながら恐山大好き。匿名ラジオ毎週聴いてるしオモコロチャンネルも見てるし一回だけ復活したオールナイト虚無も聴きました。 なので読んでみました。 めちゃくちゃ恐山。今も昔も恐山。 恐山すぎる〜という喜びによってさらに面白さが倍増してる気はしますが、それを抜きにしても面白い。インターネットという観念がここに凝縮されています。 乳首がもし取れたらの話はほぼ大喜利だし、それに付随する言葉遊びがめちゃくちゃインターネットです。「#名作に一文字足して台無しにする」みたいなのみんな好きでしょ? 今年の干支ってウサギだっけ?メスゴリラだっけ?っていうのもVIPのスレタイに絶対ありそうです。 巨人になってしまったら踏みつぶさないように新宿御苑にって話は匿名ラジオでもしてた!恐山だ〜!!やった〜!!とARuFaさんのようなテンションになってしまいました。 古参の恐山ファンは間違いなく読んでると思いますが、わたしのような新規の恐山ファンも間違いなく面白いですし、恐山のことはよく知らないけどインターネットが好きなひとにもおすすめです。 匿名ラジオもぜひ聴いてみてほしいです。