戦隊大失格

戦隊ヒーローが裏で握ってるかもしれない

戦隊大失格 春場ねぎ
さいろく
さいろく

戦隊モノに限らずヒーローものは必ず敵がいて、それらが悪巧みするのを防ぐことで被害者を助け、世界を守るのがヒーローだと思う。 だが、実はヒーローが裏で敵と結託していて、あらすじが最初から出来ていたら? 悪者成敗の実態は産業として成り立っていると知ったら、そんな戦隊ヒーロー(実質国防軍?)は正しいのだろうか。 そして悪役は何故黙っているのか、何故悪役は悪になったのか。 などなど、本作では悪役を演じている彼らは一度侵略に失敗して敗れ、その後その罪を問われて結果としてヒーローに支配された関係が出来ていた。 日々の暮らしがある意味担保になっているとはいえ、これでいいのか?と考える悪役が出てくるのは当然のことだが、力で押さえつけられている現状を打破できないのも事実。 じゃぁどうするんだ!というのが本作の面白いところ。 そしてコレはヒーローが実は裏で握ってるあくどい感じのやつらでしたー!で終わるような浅い話でもなかった。 まだ読み途中ですが、1人1人の裏の話や、素顔の見えないヒーローの新陳代謝なども含め非常に濃ゆい物語になってますねー 作者が春場ねぎ先生ということで、『五等分の花嫁』の後にこんなプロパガンダ的な戦隊モノを生み出しているのも面白いです。

アスミカケル

格闘も良いけど、家族愛も良い

アスミカケル 川田
六文銭
六文銭

格闘マンガは正直あんまりな自分でしたが、本作は格闘シーンだけでなく主人公の家族愛が良くて、一気に読んでしまいました。 というのも、父親は事故で他界。 子供5人を母親が女手1つで育てる。 祖父は認知症。 そんな環境でも、主人公はそこその生活を維持するため学校でも家でも何かと穏便にすますよう、色々と耐えている状況。 認知症の祖父の介護を率先してみたり、学校でいじめられていても笑ってすます。 主人公の不憫さと家族思いの姿にグッときます。 ところがどっこい、実は、認知症の祖父はかつて「明日見流総合武術」をうみだした最強の格闘家だったようで、そんな祖父に密かに毎日稽古をつけられていた主人公。 最初はクラストメイトに誘われ見学しただけだった「MMA」のジムで火がつき、格闘家としてのセンスを開化していくという流れ。 そこから、同じく祖父に格闘技を教わるも、より強さに取り憑かれ家を出ていった兄と再会し、兄弟対決が行われる。 兄はプロの格闘家。しかもトッププロ。 2人の熾烈なバトルが描かれる、一方でそれは子供がやる兄弟喧嘩のようにもみえ、根底には兄、そして家族への思いがビンビン伝わってきて泣けます。(画像参照) 認知症の祖父を見限って、家を出たと思っている主人公。 兄は兄で、少しずつ壊れていく祖父に耐えられなかった様子は圧巻でした。 ただの格闘技マンガにはない兄弟愛・家族愛があって、そこがすごく魅力的な作品でした。 兄も主人公のことを思っている様子が随所にあって、悪いやつなんて1人もいなっかたんです。