塩の街 ~自衛隊三部作シリーズ~

不朽の名作『塩の街』のコミカライズ作品 #1巻応援

塩の街 ~自衛隊三部作シリーズ~ 弓きいろ 有川浩 有川ひろ
sogor25
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この作品は『図書館戦争』『阪急電車』『フリーター、家を買う。』などで知られる有川ひろさんのデビュー作である小説『塩の街』のコミカライズ作品です。 舞台は突如発生した「塩害」により関東の人口が3分の1にまでなってしまった日本。 一般的には塩害とは塩分の影響により農作物などに被害が生じることを言いますが、この作品における「塩害」はそれとは全く異なります。 それは、作中で描かれている街中にまるで雪のように塩が積もっていることからも分かると思います。 そんな「塩」に囲まれた東京で生きる女子高生の小笠原真奈と、彼女と共に暮らす秋庭高範の2人を描いていくのがこの作品です。 『自衛隊三部作』と呼ばれるシリーズの1作目に数えられるこの作品は、ミリタリー要素や「塩害」の正体にまつわるSF的な要素も織り交ぜつつ、真奈と秋庭の2人に訪れる数々の出会いと別れを通して変化する2人の関係性を描いていく、崩壊寸前の世界で育まれる純粋な愛の物語です。 原作を読んだことのない人はもちろんですが、"塩"の描写がビジュアライズされるだけで世界観の理解度がグッと高まるため、原作既読の人にもおススメしたい作品です! ※ ちなみにこの作品のWikipediaには「塩害」や物語全体のネタバレが書かれているので、作品を楽しみたい方はWikipediaを見る前に作品を読むようにしてください(笑) 1巻まで読了

どれが恋かがわからない

5股!どれも本気百合 #1巻応援

どれが恋かがわからない 奥たまむし
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

新女子大生が、入学初日に出会った5人の女性と次々に恋に落ちてしまう物語。そしていずれも両想い!という事で、第一話から大変さと甘さに脳をかき乱されたのですが……。 個性的な5人の女性が、主人公に惹かれるポイントは様々。声、手触り、匂いetc.フェチポイント多彩ですが、それぞれの性的惹かれが強く描かれて、恋というのが理屈じゃないんだなぁ、というのが分かります。 そう理由は無くても、恋は恋。 主人公・空池(そら行け!)メイは、5人の女性に同時に恋し、何なら付き合いたいと思ってしまう「人倫にもとる」状態なのですが、でも、恋が理屈じゃない、と知っている私にはそれも仕方ないことだと分かる。 色々制御できないメイは、どの人とも出会って二ページで恋に落ちる(少し誇張あり)。でも性的・恋愛的惹かれってそういうもんだよね?色々こねくり回した「恋に落ちる」表現より、この作品の"光速恋落ち"描写の方が私には腑に落ちるのです。 後半、学内でメイに群がる女性達。1巻にして大混戦!全員を好きすぎて絶対一人なんか選べないメイ、どうするんだよー!とソワソワして、いてもたってもいられなくなる感じ。 本当に 結末が わからない

まほらば

最後の見開き作画修正を!!!(個人の願望です)。

まほらば 小島あきら
サミアド
サミアド

同時期の作品『まぶらほ』とタイトルが似ていますが無関係。今は亡き『ガンガンWING』の看板作品。エニックスお家騒動でほとんどの作品が移籍・終了した時は この作品を中心に再始動しました。 連載終盤にはアニメ化。漫画とは違いが多いですが良い出来です。登場人物モチーフのタロットカード『まほタロ』も好評でした。 鳴滝荘に集う個性的な住人達のハートフルコメディで、唐突に4コマになったりしますがシュール&ユルいネタが作品に合っていて違和感はありません。 個人的には「白鳥隆子・爆誕!!」とか黒崎母娘とか黒魔術部長とかのコメディ路線が好きですが、登場人物が抱える問題や想いを適当に流さず描いた終盤のシリアス展開も好きです。 変わる事は怖いけれど皆が居たから前に進めた。良いハッピーエンドで最終巻の表紙も好きです。 ただ 最終回最後の見開きが残念クオリティ。作者さんは体調不良で休載が多く連載の数年後には余命宣告(今は多少回復)を受けています。大変だったと思いますしキチンと完結してくれた事に感謝もしていますが、せめて単行本では修正して欲しかった…。 登場人物は可愛いし 流星はジョニーだし 涙あり笑いあり、ほっこりコメディ好きの方にオススメの良い漫画です。

D・N・A2 ~何処かで失くしたあいつのアイツ~

懐かしの人生初「桂正和」作品

D・N・A2 ~何処かで失くしたあいつのアイツ~ 桂正和
六文銭
六文銭

当時学校で桂正和を読んでいるとエロいみたいな風潮があって、小学生でウブだった私は、ジャンプを買ってもこれだけは読まないように頑張っていました。 ページをめくってて本作がでてくると慌てて数ページ飛ばして違う作品に移動する。 テレビのエロシーンがでるとチャンネルを変えるようなものをイメージしてもらえれば、大体あってます。 ・・・今思うと意味不明な努力なのですが、最終的には、魅力に抗えずなんだか悪いことしているような背徳感を感じながら、影でこそこそ読んでいた思い出深い作品です。 「少年」ジャンプなのに結構際どい描写をしており、 さすが俺たちの桂正和!と神格化し、同時に、そこにしびれて憧れておりました。 さて本作の内容なのですが、タイムトラベル×SF×バトル×ラブコメといった属性で、自分としては初めてタイムトラベルものの味わい深さを実感した作品。 エロばかり強調してましたが、内容もしっかり面白いんです。 未来は、人口増加が問題で2人以上の子供をつくったら死刑になるほど深刻な状況。 そんな中、何人もの女性を虜にして1人で100人以上も子孫を残したプレイボーイのDNAをもった男がいたことが判明。 ただ、判明したときには彼はすでに死亡していた。 問題は100人以上いるという彼の子孫。 同じようにプレイボーイ気質であることは予想できたため、大元である男のもとにDNA操作をしに未来からやってきたという流れ。 その男が子供をつくるまえにDNAをいじって、プレイボーイじゃなくさせてしまおうって魂胆である。 そのプレイボーイのDNAをもった大元の男が主人公の桃生純太で、DNA操作をしに未来からやってきたのが、ヒロインの葵かりんである。 ちょっと運命入ったボーイミーツガールである。 ところが、現代の純太はプレイボーイどころか、もてない・さえない男で、かりんも不思議に思うが個人情報が対象と一致したことからDNA操作を実行する。 が、その際に使用した弾丸が実は誤ったもので、これが原因で逆に彼のプレイボーイのDNAを目覚めさせてしまったという展開。 つまり、プレイボーイをなおすために未来からやってきてDNA操作をしたから、プレイボーイができてしまったというタイムパラドックスが起きる。 基本路線はこんな感じで、プレイボーイの能力を使って女の子を虜にしたり、それが他の男の嫉妬を買ってすったもんだあったり、なぜかパワーアップ(超サイヤ人みたいになる)して、サイキック能力なんかも出てバトル展開がはじまったりと色々飽きさせない展開が続きます。 とまぁ、ここまでだったら普通の漫画なのですが、やはり桂正和は一味違います。 特に最終巻の怒涛の展開は、個人的に我が漫画史上で忘れられないほどの名シーンの連続です。 黒幕、つまりDNA操作で間違って撃ったと思ったのが、実はとある陰謀で罠にはめられただけという真実。 その陰謀とDNA操作の狙い、かりんと純太の本当の関係、そして最後、タイムトラベルにつきものの別れ・・・すべてがつながった時、えもいわれぬ感動が押し寄せます。 ネタバレになるので詳細は割愛しますが、全5巻と1日で読めると思いますので、ぜひ読んでいただきたい。 5巻だと打ち切りだったのかもしれませんが、自分はそんな風には感じず、むしろキレイに終わった作品だと思います。 逆に、人気がなかったのだとしたら隠れた名作だと言える作品です。

娘じゃなくて私が好きなの!?

ママとの恋愛というか年上との純愛ラブコメ

娘じゃなくて私が好きなの!? 東鉄神 望公太 ぎうにう
六文銭
六文銭

タイトルどおりの出オチ感で読むのに一瞬躊躇したが予想以上に良い、いやむしろ好きな部類のラブコメでした。 ちなみにタイトルは 『娘じゃなくて 私(ママ) が好きなの!?』 私と書いてママと読むんです。・・・うん。 ただ、ママと言っても実際のママではないのでご安心ください。(当たり前だ) その内容なのですが、 事故で亡くなった姉夫婦。葬式場で、あとに残された娘をめぐって、親族が押し付けあっている様に我慢ならず引き取ることを決意した主人公・綾子。 当時20代。 それから10年。その時、引き取った娘も高校生に。 平穏に暮らしていくなかで、娘の幼なじみかつ家庭教師でもあった大学生の巧(たっくん)からプロポーズされてしまい・・・という流れ。 娘ではなく、私なの!という、見事タイトルの回収である。(ここまで1話) 好きな人には申し訳ないが、私は母性的な類のものがあまり好きではないんですよね。 つまり、バブみとかオギャる的なエッセンスはあまり共感できないんです。 タイトルからその手の話かと思っていたのですが、全く違くて、言ってしまえば年の差、年上女性との恋愛で、逆に自分が好きなジャンルでした。 たっくんは、葬式場での一幕をみていて、そこから好きになったという10年かけた超純愛。すごく真面目で適度に下心がある姿も好感もてます。 そんな彼に年上の綾子が翻弄され、天然的な抜け感も可愛くてグッドです。 年の差や常識・世間体から、最初は彼の気持ちを受け入れることに抵抗し拒絶しますが、少しづつ受けいれていって・・・というところまでが現状のところ。 二人の関係・・・きっと結ばれるのでしょうが、障壁どう乗り越えていくのか見届けていきたいです。