この不況で夫の給料も減額になり、専業主婦でいられる余裕もなく前職場にパートで復帰することを決意する。都合よく家の近くの保育園が見つかるわけもなく、オフィス街の保育園に預けることになる。しかし通勤ラッシュの電車に子連れで乗ることは想像以上に大変なことだった。誰しもがストレスを抱えており、子連れだからといって容赦はない。子連れ乗車は迷惑というのが周囲の本音なのだろうか……と、思い悩む母だったが、子供のある行動から解決策を見出す。
あまえんぼうの夏
離婚して5年、由美は女手一つで二人の子供を育てている。いくつもの仕事を掛け持ちし、働き詰めの毎日で、子供の夏休みに旅行へ連れて行く余裕はなかった。どこにも行けないことに不満を募らせる妹が母に愚図る姿を見かねて、兄の圭太は「自分が妹を連れて祖母の家に遊びに行く」と母に告げる。子供たちだけで行く初めての旅行は、波乱の幕開け。財布をなくし、行き方を書いたメモも見当たらない!果たして兄妹は無事に祖母の家にたどり着けるのか!?
緋色の悪夢
火災報知器のけたたましい音で目を覚ました家族4人。寝室のドアを開けると、そこは真っ赤な炎に包まれていた。ベランダに避難した私たちの方へ、容赦なく炎が迫り、死の恐怖が全身を包んだ瞬間――――あれは私が7歳の冬、家族と6階建てのマンションに暮らしていた頃のこと。私と兄がいる子供部屋には、電気ストーブが置いてあった。ある夜、こげ臭い匂いで目を覚ました私は、布団が燃えているのを目にし、すぐに両親の寝室に駆け込んだ。幸い、布団と絨毯が焼けただけで大事には至らず、私と兄はこっぴどく叱られた後、両親の寝室で眠りについた。だが…それで終わりではなかった。
終の棲家
死を覚悟したとき、人は終の棲家としてどこを選ぶのだろうか。血の繋がりはないが、今まで育ててくれた母のために、弓子は自宅療養を選択した。母は6年前、乳がんを患った。<brr>術後5年間再発しなければほぼ安心と言われていたが、その5年目に新たな腫瘍が発見された。今後は、痛みや不快な症状を和らげる緩和ケアに移行する。つまり、それはもう為す術がないということ――。自宅療養に切り替えてからは、小康状態を保っていたが、ここからの回復は見込めない。やがて訪れるであろう別れを思うと、頬に涙が伝った。
小学二年生の一人娘、優子は明るく友達も多い。夫は子煩悩で、姑も優しく温厚。私にとって理想であり自慢の家族が、一瞬の出来事で、砕けたガラスのように崩れ落ちた――。友達を庇って事故に遭った優子は、脳死状態に陥った。ただちに脳死判定が行われ、脳死と診断された後、医師から臓器移植についての意思を問われる。やり場のない怒りと悲しみの中、家族が出した決断とは――!?
ラーメン屋夫婦の陽介と博子は、双子にも恵まれ順風満帆な生活を送っていたが、陽介の無謀な投資により一文無しになる。さらに闇金から借りた2千万円の借金を抱え、家族は北海道へ夜逃げを決行する。地道に働いて生活を立て直すつもりが、陽介の過失で負債がさらに膨れ上がってしまう。不義理を重ねてきた親戚にも見放され、家族は崩壊への一途をたどる。
迷走家族
長男が鬱病になったのは大学受験に失敗した頃からだった。二浪して何とか入学は果たしたが、今度は就職が決まらず、やっと見つけた就職先も一年足らずでリストラされた。そして長男は引きこもりになった――。どうすれば息子を救えるのか、どうすれば昔の優しい息子に戻るのか、癇癪と暴力を繰り返す息子に両親は苦悩する。
相続の行方
夫は半年前、上司と喧嘩をしてクビになり現在は失業中。失業保険も切れているのにダラダラと働かない夫にうんざりしていた。そんな中、舅との同居話が持ち上がる。離婚を考えていた妻は、舅が不動産を持っていると知り夫の実家へ引っ越すことを決める。同居を始めてから、舅には女がいることに気づく。しかも相手は潰れる寸前のスナックのママだった。金銭目的なのは明白で、このままでは遺産がその女に流れてしまう。そこで人為的に別れさせるため、工作員を仕込みママに近づかせた。
見えない刃
気がつくと理沙は、息子の上に覆いかぶさるように倒れ込んでいた。なぜ…こんなことになったのだろう――そして脇腹は燃えるように熱かった。理沙を襲ったのは誰なのか!? 一年前、保育士だった理沙は、同僚の純平と結婚した。誰もが祝福してくれたが、ただ一人、舅だけは反対していた。まもなくして子供を授かり、忙しい毎日を過ごしていた。そんな時、子供に不自然な痣があることに気づく。
黒い絆
500万円の借金を負った夫婦は、義父の提案から郊外の自宅へ転居することを決めた。だがそこには義父の再婚相手の道子が同居していた。最初こそ驚いたが、夫婦のために労を惜しまず助力してくれる道子を、本当の母のように慕っていた。ところが涼子の実父の訃報をきっかけに、道子の態度が急変する。道子の正体が家族をどん底へと突き落とす。
彩子は女好きな夫・幹夫の帰りを待ちわびる主婦。ある日突然、幹夫の妹・薫が転がり込んできて、彩子の静かな生活は崩壊する。そんな事はいざ知らず、浮気を繰り返していた幹夫は糖尿病を発症。追い打ちをかけるような妹の迷惑行為に、夫婦の心身は限界に達する。彩子と幹夫は反撃を決意し、薫を追い出すことで一致団結する。
結婚して一年、Hがだんだんマンネリ化して欲求不満の彩音は夫に内緒でアダルトグッズの福袋を購入。一人でこっそり使おうとしていたが、すぐに夫にバレちゃった!ぬるぬるホットな福袋は、マンネリ夫婦の救世主となるのか!? ローションて何でこんなにヌルヌルするの!? なんだかいつもより感じちゃって、腰が勝手に動き出す。恥ずかしい音がバスルームに響き渡る。