華やかな外見から遊んでいると思われ、失恋してばかりの椎名。年下の幼馴染み・征海の誕生日を祝おうとしたら、大人になったからセックスしたいとねだられた。「小さい頃から椎名くんしか好きじゃない」と一途過ぎる告白をされ、心が揺れる。おまけに、経験したことのない拙くも優しいキスと愛撫の快感に流されそう──だったけれど、どうにかまずはお友達からと宣言して!?
幼い頃に双子の兄を亡くし、親の愛情を貰えず大人になった涼也。自己評価が低く、耐え難い自己嫌悪に陥る時がある。そんな時は行きずりの男に酷く抱かれて、擬似的な死を演出している。だが、その夜に出会った美貌の男・双樹は、願望とは真逆の甘い快楽で涼也を泣かせた。優しく包み込まれたようで心惹かれながらも、彼とは一夜限りのはずだった。なのに思わぬ再会をして……。
センセ、死ぬほど虐めてやるよワケアリ富裕層の子息ばかりが通う私立校。生徒指導担当の国語教師、天羽は喫煙を注意したことがきっかけで暴力団組長の息子、伊勢直也から執拗に嬲られるようになった。天羽の被虐嗜好を見抜いた直也の行為は次第にエスカレートしていく。そんなある日、指導室に現れた直也の世話係、組長補佐の小早川を目にした瞬間、天羽は戦慄した。彼こそはかつての教え子。そして……。
製薬会社勤務の有紀は、偶然出会った素晴らしい肉体美の嶋崎に一目惚れする。その“凄さ"が忘れられずにいたが、なんと彼は同じ会社に勤める研究員だった。だが再会した嶋崎はぼさぼさの髪に無骨な眼鏡、悪趣味な服装の冴えない姿。おまけに婚約者に捨てられ、EDになってしまったそう。突飛な言動をするものの純朴な彼の助けになりたくて、恋愛指南をする有紀だったが……。
養父である魔法使いの師匠を亡くしたカレルは、ひとりぼっちの寂しさに耐えかね、傍にいてくれる使役を創ろうとする。しかし、現れたのは寝惚けたような全裸の男!主従契約は交わしたものの、スヴェインと名乗った彼は使役らしからぬ態度でカレルに触れてくる。ご主人様であるカレルを「可愛い」と言い張るのには戸惑うけれど、その温もりに抱かれて眠るのは心地良くて……。
出版社に勤める敦彦は、人形作家・夏目錬三郎との仕事にうんざりしていた。溺愛する人形に瓜二つだという敦彦の顔に異常な執着を見せる夏目は、ことあるごとに愛を囁き身体に触れてこようとする。理解できない言動と人形恐怖症に悩まされる敦彦だったが、人形を壊してしまった代償として、夏目と寝てしまう。後悔する敦彦に対し、一途で天然な夏目の愛情は暴走し始めて……。
「神子は閨においてヤマヒコに隷属するもの」古き因習が支配する寒村で生まれ育った兄弟、楓と昭宇。昭宇は、村の神子に選ばれて以来、自分を冷たく拒絶するようになった異母兄の楓に憤り、昏い情念を募らせていた。そんなふたりの運命は20年に一度の大祭を前に狂い始める。神子と対をなし、その身体を思うがままにできる存在「ヤマヒコ」に昭宇が選ばれたのだ。昂ぶる感情のまま、復讐のように兄を犯す昭宇だが、楓の真実の想いと、自分たちを待つ残酷な村の掟を知って…!?
チャラい高校生の袖崎陣は、地味で無口でオタクなクラスメイトの外舘翔馬が大嫌い。目障りに思い、陰湿な嫌がらせを繰り返すが、無反応な外舘に苛立ちは募るばかり。そんな中、袖崎は外舘と2人きりで夏休みの補習を受けることになってしまう。いやいや参加していたはずが、恋バナにすら赤面する外舘の初心で小動物みたいに可愛い一面にときめき、キスしてしまい……!
雑貨店でアルバイトする坂上雅は、なにかと絡んでくるので嫌っていた店長の灰原志郎から突然「好きです」と告げられた。嫌悪されることを覚悟しながらも、恋情と欲を抑えられないと泣く志郎が切なかった。過去の恋にたくさん傷ついてきた志郎は格好いいのに泣き虫で、雅は彼をその孤独から守りたいと思い始める。心をほどきながら、ふたりは少しずつ想いを寄せていくが……。
恋を仕掛け、裏切った相手・光春の担当となった編集者の修二。癒えない過去の傷のせいで、作家をやめ他人との関わりを捨てると言う光春を贖いのため止めようとする。だが憎しみに駆られた光春は、作家を続ける代わりに自分を抱き共に苦しむことを迫ってきた。抱くほどにその華奢な体に溺れ、修二はようやく光春への恋心に気付くが、己の罪を思い知った今、想いは伝えられず…。
誰もが振り返るような美青年なのに極度の人見知りである琉生は、SNSで運命の出会いをした。素敵な容姿と目映いオーラを纏った『なるみ』というアバターに!あの人と付き合えたら――などと妄想しつつ彼と親しくなっていく琉生だったが、偶然入ったカフェで、店員・竹端に内心怯えつつもドキドキしてしまう。強引だが優しい竹端と憧れのなるみと、揺れる気持ちに琉生は……。
エリートサラリーマンの勝倉に拝み倒され、恋人となった容姿も性格も地味な相馬。つきあい始めて一年、徹底的に甘やかされた相馬は、我が儘な女王様のようになっていた。そんな中、下僕扱いしていた勝倉が事故に遭い、記憶を失ってしまう。さらに優しくてヘタレだった勝倉は、相馬を見下し、傲慢で性格も最悪な男に豹変していた。だがそれが勝倉の本性だったと知り――!?