股間無双~嫌われ勇者は魔族に愛される~

転生モノをとことん下品にした感じ

股間無双~嫌われ勇者は魔族に愛される~ ジブロー 脇道それる
六文銭
六文銭

転生モノで無双するのはよくあるのですが、 股間で無双とな? とタイトルから下ネタであることはある程度予想していたのですが、その予想の何十倍もすごかったというのが率直な感想。 それが、天下の講談社の、しかもヤンマガでこれをやるのだから恐ろしい。 自慰行為をしすぎて死亡(バカ)した主人公は異世界に勇者として転生する。 転生前によく出てくるチュートリアル的な女神・オナ神に、主人公が転生前に童貞の平均オ○ニー回数で世界1位だった(バカ)ことで、射精特典(有り体に言うと治癒的な能力)を付与され、その効能が魔族にも人類にも影響与えるという設定。 特に、魔族には魔力を上げるようで、魔族(といってもきぐるみを来たような女性)に、色んな意味で好かれてしまう。 基本的には下ネタとギャグ中心で、謎の画力の高さとあわせて、グイグイ読ませてくれます。 ヤリマーン帝国首都テマーンとか、しょうもないところも個人的には好き。 時折、HUNTER×HUNTERの名シーンのパクリ、もといオマージュのようなものが出てくるのも一興です。 一般誌でよく出せたなってレベルな作品なので、それ系が苦手な人は避けたほうがいいかもです。

靴の向くまま

靴という足元の小宇宙 #1巻応援

靴の向くまま みやびあきの
兎来栄寿
兎来栄寿

みやびあきのさんは絵が良いですよねえ。前作の『珈琲をしづかに』も心地よい穏やかさが作品全体を覆っていましたが、今回も似た空気感が存在しており読んでいて心が解れます。 本作は、タイトル通り靴職人のお姉さんを描いた物語です。誰もが履く身近な存在である靴。しかし人によって足の形は違いますし、何なら同じ個人でも左右で形は異なり、既製品の靴が合う人は実は2~3割しかいないことやその詳しい理由なども読んでいく内に解説されていきます。1冊を読み終えるだけでも、相当靴に関する知識がつくことでしょう。 それというのも、作者のみやびあきのさん自身も靴教室に通って自分でも作ることを体験しながら描いているそうです。幕間のコラムでも、さまざまな靴に関する知識が披露されます。革靴やパンプスは苦手、という方は読んでみると考えが変わるかもしれません。 テーマである「靴」の部分だけでも良いマンガですが、加えて人間同士の心の交流、それを通して前へと進み出していく様子が丁寧に描かれているのが素晴らしいところです。 「”痛み”は慣れちゃダメだよ」 「すごく小さなことで心は前を向くんだよ」 「人を笑顔にしたいなら 自分も笑顔でいられるようにしないと」 などなど、心にすっと入ってくる名言もたっぷり。 また、女の子同士が仲良くなっていく様子が好きな人にもお薦めできます。 なお靴のオーダーは単体で見ると高いですが、本当に良いものは長く使えるますし、自分でも大事にするモチベーションが自然と湧くのでより寿命は伸びます。何より、特に靴は健康にも直結するもの。自分にぴったりの靴を履けばまず気分が良くなりますし、気持ち良くたくさん歩くことができます。逆に、合わない靴を履くことで足、ひいてはそこから全身を傷めるストレスや、それによって出かけるのを躊躇ったり活動力が低下したりすることによる機会損失まで考えれば、総合的に見てオーダーはコストパフォーマンスが良いと言えるのではないでしょうか。 スーツやシャツのオーダーメイドも社会人になる前後で一度やっておくと良いと思います(『王様の仕立て屋』などを読むと、自然とやりたくなります)が、それ以上に靴のオーダーは満足度も高くなりやすいものだと思います。それでも予算を抑えたい場合は、まずインソールのオーダーからでもやってみるとその良さを安価で体感できるかもしれません。プレゼントとしても喜ばれるでしょう。すごい職人さんになると、足を触っただけでこちらの体調や普段の体の悩みまで言い当ててくれてびっくりします。 靴、それから椅子と寝具はいいものを使ってQOLを上げていきましょう。それによって、健康な体でこうしたマンガをより十全に楽しんでいくこともできるのですから。