酒チャビン
酒チャビン
1年以上前
舞台は平将門の乱の時代ということで930年頃です。乱世編の感想で鳳凰編(8世紀)の次が乱世編(12世紀)と書いてしまいましたが、間に羽衣編が入ります。。 話は天の羽衣の話をしたじきにしたシンプルなタイムスリップもので、長さも短いです(40pちょっと)。火の鳥も絵では描かれず、主人公の台詞でちょこっと出てくるだけなので、なんでこれが火の鳥の一編なんだろうと思いましたが、元々雑誌掲載時には、発表順で次の作品にあたる「望郷編」のプロローグのような位置付けだったようです。 雑誌掲載版では、主人公(おとき)は戦争から逃れるため、2500年未来からタイムスリップしてきて、羽衣編で生まれてくる子供は、未来の戦争における「毒の光」の影響で奇形児として生まれており、この方が次の「望郷編」の主人公となる予定でした(旧・望郷編におときは時子として登場してます。子供の方は「コム」という名前で、今読める方の望郷編に出てくる「コム」と同じ見た目をしています)。 ところが「毒の光」の影響で奇形児が産まれてしまうという表現がよくなかったのと、「望郷編」も2話目まで掲載された時点で、掲載誌が廃刊になったことで、「羽衣編」から毒の光の描写はなくなり、その影響で「望郷編」も全く違う物語として1話目から別雑誌で連載されたようです。 旧・望郷編は、今だと手に入りやすいものでは角川文庫版の火の鳥14巻(別巻)に収録されていますが、電子化はされてないようですね。旧・望郷編も2話目までしか存在しませんが、信じられないくらいワクワク感がある導入なので、最後まで読んでみたかったです。