酒チャビン2022/12/11意外に知らない鎌倉幕府の滅亡〜室町幕府成立まで詳しく語れる方に出会ったことがないです。多分日本の歴史の中でも最高級に軽視されている時代ではないでしょうか?? それで歴史好きとしてはもやもやしていたので、室町幕府スペースマンガで検索して上位に出ていたこちらを読むことにしました。 つくりは、後醍醐天皇を中心とする倒幕運動が盛んになってきた時期から室町幕府成立くらいまでの時代を、①楠木正成、②足利尊氏、③新田義貞の3名を主人公に3回書いた形になっています。①→②→③と別の主人公の視点から歴史を3度繰り返すことになるので、脳への定着も促進されます。 なので、試験勉強にはもってこいですね。ただ試験にこの辺りがあまりでそうにないですが・・ マンガとしてはオーソドックスで、余計な味付けなどなく、素材(太平記)の良さをシンプルに引き出すような感じです。ですが、かえってテンポ良くこの時代の出来事を学ことができたので、今回はわたし的にもこのチョイスはベストでした。 足利尊氏が室町幕府を開いたので、主人公的な立ち位置と思いきや、意外とそうではなく、足利尊氏と戦った(そして負けた)楠木正成や新田義貞がもてはやされるのかについて朧げながらわかってきました。 特に楠木正成さんについては、なぜ皇居内に立派な像があって、戦前に大忠臣として崇められていたのかよく分かってなかったですが、その一生が外観できて良かったです。 余談ですが、「足利尊氏」でGoogle検索しようとすると「足利尊氏 メンヘラ」とサジェストが出るのが今は気になってます。太平記横山まさみち
酒チャビン2022/12/11熱血スポ根系落語マンガ落語がテーマということで、文系マンガかと思いきや、超熱血スポ根ものでした。ちはやふるとかとちょっと近い感じがします。 ただ、あちらは少女マンガ的なアプローチも多く、恋バナなども散りばめた感じのきらきら感がありますが、こちらは天下の週刊少年ジャンプ掲載ということで、ジャンプっぽいやりとりが繰り広げられます(おそらくですが恋バナ的なが出てきたとしても繊細な感じではないと思います)。 まだ4巻までしか読んでいないのですが、現在連載中の全マンガの中ではベスト3には入ってくる面白さだと思います。特段凝りに凝ったストーリーとも思わないですし、ギャグもめちゃくちゃ冴えてるという感じもないのですが、ページを捲るたびに心に何かグッとくるんですよね。何かしか伝わってくる力が強いマンガなのだと思います。思えば落語もストーリー自体は決まってる中で、伝え方で勝負するみたいなところがあるようなので、そういう意味では落語的なアプローチのマンガなのかもしれません(あかね噺以外の落語知識がないので間違ってたらすいません)。 キャラも皆個性が立っていて好感が持てます。見分けがつかないとかも全くないです!特に主人公はキャラ設定もわたし好みなのか、気付けば応援してしまっています。 ちはやふるや柔道部物語やマキバオーシリーズなどの、非梶原系スポ根ものが好きな方には大大大大大オススメできます!まだ4巻なので追いつくチャンスです!あかね噺馬上鷹将 末永裕樹2わかる
酒チャビン2022/12/11キャプテンと同一世界線の物語!月刊少年ジャンプで連載されていたキャプテンと同時期に週刊少年ジャンプで連載されていた作品です。連載開始時期は1年ほどこちらが後です。 元々キャプテンが盛り上がっていた、ちば(あ)先生に週刊少年ジャンプでも、との話があり、アメフトかラグビーマンガの準備をしていたらしいのですが、ルールの把握等に時間がかかり、高校入学後の谷口選手の話を繋ぎで描き始めたところ、ちば(あ)先生の方でも興が乗ったために連載となったようです。 必殺技等がない正統派野球まんがですし、敵味方ともに超人がいない世界観の中で、キャラを立たせるのが非常に難しく、試合展開も普通っぽくなりがちな中で、キャプテン&プレイボールを同時に連載されていたので、読者を飽きさせない工夫を考えるのは相当大変だったと思います。 事実、正直私も両作品とも中盤以降はちょっと飽きましたので・・・ ただやはり谷口キャップのキャラが素晴らしく良いですね。爽やかというか気持ちの良い方です。私も谷口選手のような人を目指さねばなりません。あとは半ちゃんが好きです。自分は全然出る予定もないのに城東にもらったメモを見直して、ベース寄りに立つ攻略法を気づくきっかけを作ったシーン。自分もプレイでは貢献できないけど、なんとかチームの勝利のために、という気持ちが現れている気がしてすごく良いです!! キャプテンの方は、谷口選手は割に序盤で引退&卒業してしまうのですが、こちらは物語の全部にわたって、その谷口選手が活躍するので、谷口ファンの女性にはプレイボールをオススメします。 後半、丸井が編入してきたり、五十嵐が入学してきたりと、だいぶ戦力も整って、これは甲子園を現実的に目指せるぞ、といういいところで終了してしまいます。 ドクターストップだったようで、仕方ないですが、これくらいの余韻を残した終わり方で良かったのかな、という気がします。話のゴールとしては読者にも見えてしまっているので(がんばって甲子園優勝する)、あえて描かないというのも選択肢かなと思いました。 コージィ城倉先生の手による続編があるようですが、正直蛇足かな、と思って読んでおりません。コージィ先生は好きですが、読むつもりも今の所無いです。 余談ですが、丸井の編入後は、それまでセカンを担当していた鈴木と全く見分けがつかず、読むスピードが激落ちしてしまいました。プレイボールちばあきお1わかる
酒チャビン2022/12/084世代にわたる大長編野球マンガ!!表紙のとおり、野球マンガです。特徴としては、墨谷二中の野球部のキャプテンが4代にわたって主人公をつとめる、リレー形式のマンガという点です。 谷口キャップ→丸井キャップ→五十嵐キャップ→近藤キャップ マンガは主人公のキャラクターが大事と思いますが、4者4様なので、その都度結構作風・校風が変化します。初代の谷口キャップは、素質はそこまででもないと思いますが、とにかく努力の人で、読む者に勇気を与えてくれます。谷口キャップ時代の面白さに文句をつける人はいないと思います。 わたしが次に好きなのは、近藤キャップ時代です。丸井&五十嵐の時代にも、近藤キャップは登場してましたが、そのときはいけすかないキャラ設定で、正直好きになれず、五十嵐キャップの次のキャプテンが近藤キャップに決まったときは、「これでこのマンガも終わったな」と思いました。 ですが、近藤キャップはキャプテンになってからものすごく変わりました(変わりきれずに退場になったりもしてしまうのですが・・)。それまでの墨二は、ものすごい練習量で、言い方は悪いですが、とにかくシゴきにシゴきまくって欠点を修正し、チーム力をアップさせるやり方を採っていたのですが、近藤キャップに変わり、皆の長所をうまぁく引き立たせて、野球を楽いと思いながら前向きに頑張れるように導くスタイルに変化します。練習量は激減しますが、逆に成果は落ちてなくて、下級生たちの実力も選抜大会出場校の選手と比べても遜色のないほどに成長していきます。 どちらが良いとかは一概には言えませんが、素質はありながらも1年のときから先輩たちにバカだの何だの言われて怒られ続けてきた近藤キャップだからこそ、できない人・怒られる側の気持ちがわかり、その人達の実力を引き出すことができるんだなと思って感心して読みました。最終盤で近藤キャップがお父さんと相談して作った練習計画ノートが出てきたときは感動で咽び泣きました。 丸井と五十嵐の時代は、わたしは読んでてダレてしまいました。正直読破を諦めようかとも思いましたが、最後近藤キャップの活躍が見れて、がまんして読んで本当によかったです。 丸井も合宿の掃除や炊事を買って出たり、悪いやつではないのはわかるのですが、正直でしゃばりすぎだと思います。基本いいやつだとは思いますが、出てくる度にがっかりしてました。タイムとかも取りすぎです。 谷口キャップと近藤キャップのところだけなら★5でいいと思います。キャプテンちばあきお1わかる
酒チャビン2022/12/07ナンセンスガンダム(いい意味です)同著者の犬ガンダムが面白かったので、似てる作品が出てるとのことで早速読みました!!!ちなみに前作はただの「犬ガンダム」でしたが、本作は「機動戦士ぶよガンダム」ということで、より公式感がアップしてますが、公式にどこまで認められたかは不明です。 内容ですが、基本前作(キャラが犬)と同じく、キャラが太っていて食い意地が張ってる他は、基本的には原作のプロットどおり進んでいきます! ただいちいちキャラがデブキャラを発揮してくるので、ものすごく下らなく、ナンセンスな作品になっています。 ガンダムを好きじゃない人は読んでもピンとこないかもしれませんが、ガンダム好きならついクスっとしてしまうネタ満載ですので、ガンダム好きでギャグも好きという方は間違いなくハマる作品だと思います。全2巻とお求めやすいレングスにまとまってますので、サウナあがりにぴったりだと思います!機動戦士ぶよガンダム唐沢なをき 矢立肇 富野由悠季
酒チャビン2022/12/07少し捻った内容!タコピーの原罪や一ノ瀬家の大罪でおなじみのダイザン5先生による、今回もほんわりとする内容の読切です! 内容は公式のあらすじ以上のことはお話しすることはできないのですが、読切でサクッと読めるので、ぜひ通勤時間中などに読んでみてください。 テーマはまぁ広い意味での愛とか人生とか人間とかだと思うのですが、少しひねってあって、心に引っかかるものがあるのは流石だと思いました!途中から思ってたものと少し違う話になっていくのが面白かったです!キスしたい男タイザン52わかる
酒チャビン2022/12/07タコピー&一ノ瀬家でお馴染みのタイザン5先生の読切!表題の通りです!! 内容は兄弟のねじれかけた絆の話で、心がほんわりとする内容です。ヒーローとは、という点についても考えさせられる内容となっており、初期作品ですが、すでにさすがのストーリー&メッセージだと思いました!! 読切ですので、サクッと読めるので、ほんわりとしたい方は読んでみてください!今(2022年12月7日)現在、一ノ瀬家の大罪の連載開始記念なのか、ジャンプ+で無料で読めます!!!!ヒーローコンプレックスタイザン51わかる
酒チャビン2022/12/07ナメててすいません・・・なんかネットで盛り上がっているのはなんとなく気づいていたのですが、表紙もちょっとオタク寄りの作品なのかな??と思わせるように感じてしまったのだったので、避けてしまっていたのですが、この度、ジャンプの一ノ瀬家の大罪にハマりかけていて、来週まで待てないので、友人に同じ作者だと教えられて手に取りました。 まじですいませんでした。本格マンガですね。超本格マンガ。ちょっとググると「胸糞マンガ」と紹介されていることもありましたが、わたしの感想は全然違くて、むしろいい話だし、ストーリーやメッセージもしっかりあって刺激的なだけの瞬発力系マンガではないと個人的には感じました。「胸糞」は世間の耳目を集めるためにそう書いたのですかね?? タコピーがひたすら愛くるしいです。他の登場人物も一生懸命頑張ってます。 途中、思ってたストーリーと違った!!みたいな二転三転のドッキリがありますが、それも私の好みにぴったりでした!!小説では結構こういう作りの物語があるのですが、マンガでは珍しいのではないでしょうか???タコピーの原罪タイザン56わかる
酒チャビン2022/12/074ページものだけど考えさせられる内容週刊ヤングマガジンの2022年12月5日発売号に掲載された4ページものの読切です!マスク着用が義務付けられていて、他人の素顔を知らない世界の架空のお話です! マスク着用の義務について話すと社会派の感想になってしまうのでしませんが、4ページなのに少し考えてしまいますね。確かに私もコロナになってから2度ほど転職したのですが、飲み会(生を飲むとき等にマスクをとる)に行って「この人こんな顔しとったんや・・」ってなったことが8度や9度ではありません。 人間って面白いもので、見えない部分があると勝手に脳内で都合の良いように補完してしまうのですね〜。確かに今の人たち恋とかどうしとるんやろ。人間性が前よりも重視される世の中になったのかもしれません!! 4ページで2分くらいで読み終わるので、気になった方はぜひ読んでみてください!ちなみに今、作者の吉田博嗣先生の過去の読切(「人間禁止」と「やすお」の2本となります)がウェブで読めるようになってるみたいですね!!こちらもタイトルが惹かれます!!マスク生活吉田博嗣1わかる
酒チャビン2022/12/05作品自体は悪くないけど三四郎2と言われると・・・📷最高のマンガ作品のうちのひとつになりかけている1・2の三四郎の続編です。1の完結から10年以上経って続編が描かれることになったのですが、実は本作の構想段階では三四郎の2の予定ではなかったところ、主人公が三四郎っぽくなってきたので三四郎2として発表されたとのこと。 というか、三四郎っぽくないな、と感じたんですよね・・・ や、マンガとしては全然面白いし、ギャグも良いのですが、三四郎2と言われると微妙な気がします。 三四郎だけでなく志乃もキャラ変しすぎてる気がして、どちらかというと二人とも柔道部物語に出てきそうなキャラ(鷲尾とひろみ)のように感じました。 志乃はもっと大食いですぐ泣き、三四郎はお遊戯のレッスンをがんばって欲しかった!!! というか一瞬出てきた1時代の柳がめちゃカッコよかったです。確かに三四郎1のキャラには、ジャンプ作品にない影のある少し大人のカッコ良さを感じてました。1・2の三四郎2小林まこと1わかる
酒チャビン2022/12/05タラッタ リッタ タッタ タ〜〜〜〜ン小学生のとき、蓄膿症で耳鼻科に通っていたのですが、待ち時間がべらぼうに長かったのですね。そのときお世話になっていました。 いちおう、他にはキャプテンかプレイボールのどっちかもあったのですが、断然三四郎の方が面白く、大ファンでした!! 当時、田舎の小学生の間ではジャンプが王道中の王道で、マガジンを読んでいる人はクラスに一人もいなかったですし、まだコンビニもなかったため、売っているところもあまり見かけない感じで、そのマガジンに連載されているというのは小学生時代の私にとってものすごくミステリアスで、何か遠い異世界で連載されているマンガなのではないかという感覚を抱いていました。当時の茶色地に白でKCKCKCKCKCと印刷された講談社コミックスのいでたち(センスどうなんですかね)も、ジャンプコミックス(確かカバーを外してもキャラの絵が書いてあった気がします)に馴染んだ私にはものすごく異世界感がありました。 さて、内容ですが、今読んでもかなり上位にランクインできるほど完成度の高い作品だと思います。 基本的にはギャグよりのスポ根(ラグビー、柔道、プロレス)ですが、70年代特有のシリアスさもあり、ドラマ的なストーリーとギャグのバランスがものすごく素晴らしいです!!!全体的にジメジメ感はなく、切ない場面もカラッとしています。そこもわたしの好みに合っています。カラッとしててもグッとくるところはちゃんとグッとくるのがすごいと思います。 後半登場機会がめっきり減ってしまいましたが、ラグビー部時代の盟友・飛鳥が三四郎のことが好きで、たまに三四郎がラグビー部の練習に来ると、本当に嬉しそうな顔になってるところもいいと思います。 ひとつ個人的に残念な点をいうと、後半に行くに従って志乃のすぐ泣くキャラ設定がなくなっていってしまったのがもったいなかったと思います(2ではほぼ別キャラになってます)。 基本誰が読んでも楽しめると思いますが、男子に特にオススメです。1・2の三四郎小林まこと6わかる
酒チャビン2022/12/04夜はいろいろな顔をもっている その顔をひとつひとつのぞいていく男がいる その名をミッドナイト医者のブラックジャック、代役専門の舞台役者の七色いんこと並ぶ裏稼業プロ三部作のひとつです!今回の主役は、無免許タクシードライバーのミッドナイトこと三戸真也!!1986〜1987年にチャンピオンで連載された作品です!! ブラックジャックこと間黒男もゲスト出演しています。ゲスト出演どころか、最終話のかなり美味しいところでもガッツリ出てるので、見ようによっては、ミッドナイトという作品自体がブラックジャックの壮大な長編の1話のようにも思えてきます。 そのラストはかなり意外なおわり方でした。。。基本的にはヒューマンドラマ・人情ものの1話完結が続くBJ方式ですが、通底するストーリーがあり、入院中の女(スケ)のため、タクシードライバーをやりつつお金を稼いでいる、というものでした。なので、そのスケの病状のゆくえや、背景に隠されたドラマなどがものすごく気になりながら読んでいったのですが、まさかあんな感じの終わりかたとは・・・。けして期待はずれで面白くない、ということではないのですが、想像と違ったのでびっくりしました。繰り返しますが、完全にブラックジャックの話になってます。 ちなみに私が好きな話は、以下のとおりです。 ・トン骨の話 ・お茶の水博士の話 ・タヌキの話 ・平さんの最終出勤日の話 ・猫の引っ越しの話 気に入ったセリフは「空き巣は芸術だぞ、オレ芸術家だからベレーをかぶる」です。ミッドナイト手塚治虫
酒チャビン2022/12/04保健の授業 × 番長もの × 学園ロマンス × オカルト📷ヅカラーの間では「ぱちマリ」の愛称でお馴染みの同作品。1970年にチャンピオンに連載された作品となります。文庫全集版の表紙のマリアはかなり良く描けてますね。本文中とは印象が違います。 一応、性に関する描写などあるのですが、いまどきのジャンプとかマガジンとかに比べるとおままごとレベルですし、だいぶ健康的で文化的です(性的な興奮を得ることが目当ての読者は別のマンガにしたほうがいいと思います)。ですが信じられないことに、ぱちマリが掲載されたチャンピオンが福岡で有害図書指定されたことがあったようですね。時代を感じます。 主人公の焼野と、焼野から出てきたエクトプラズムが入り込んだダッチワイフのマリアがほのぼのとした恋をはぐくみますが、ビニール製のダッチワイフでは何事も如何ともし難く、最後の最後で羽澄マリという激かわの転校生に持ってかれます。 ただ、相手がダッチワイフという存在だったからこそほんのりとした健康的な愛情を育むことができたのかなと思います。 また、舞台が私と同じ市立第十三中ってのも愛着が湧きます。ちなみに作中手塚先生が書いたオバQと鬼太郎が出てきますが、激うまです。さすがプロ。 最後に、主人公に敵対する組織のトップであるボスナンバーワンが女性ってのも当時かなり新しかったと思いますが、そのデザインも2022年の今でも通用するモダンさで、昨今大ブーム中のスプラトゥーンとかに通じるものを感じます。さすが天才。やけっぱちのマリア手塚治虫1わかる
酒チャビン2022/12/04AYAKO1972〜1973年にビッグコミックで連載された作品。ハズレのないビッグコミック × 手塚先生のニックス作品です。しかもタイトルに「奇」が入ってるマンガ作品は、三年奇面組、ハイスクール奇面組、ジョジョの奇妙な冒険、寄生獣、やまだたいちの奇蹟などハズレ知らずなので、面白くないはずがないです。 舞台は、敗戦とGHQによる統治を契機とする価値観の一新・一変に混乱する日のもとニッポン。ある農村の封建的で閉鎖的な旧家での陰鬱で破廉恥な常識。変わろうとする人、変われたように見える人、変われなかった人たちの悲喜交々の20数年間が描かれます。 タイトルにもなってる奇子は、戦後直後から20数年間外界との接触を断たれて成長し、あの頃のまま外界に飛び出し、変わろうとした人、変わったように見える人、買われなかった人たちとさまざまな出来事に出くわします。 手塚先生によるともっと長編にする予定だったそうで、その構想も見てみたかったです。 同時収録で以下の短編作品も読めます! ・鉄の旋律 ・白い幻影 ・レボリューション奇子手塚治虫1わかる
酒チャビン2022/12/04あまりマンガ教室っぽくありません!!手塚治虫先生のような上質なマンガ家になろうと思い、手に取りました。ただ色々な事情があったようで、あまりマンガの技法だったりとかそういったことには触れられておりません。 なので、これを読んだからといって、明日から手塚治虫先生のような上質なマンガが描けるようにはなりません。ちょっと残念でした。 ただ、所々メッセージは込められています。良い漫画を描くには「まず下品な言葉をかかないこと」だそうです!!!ことに不良の使う言葉やきたないいなか言葉はNGです! といいながらご自身の作品にも「このオッタンチンのやきブタオヤジのデベソッパゲ!!」など出てくるのですが、確かに不良はこのような言葉は使わないし、いなか言葉でもないのでセーフですね。非常に上品です。 表題作の他、 ・珍アラビアンナイト ・化石島 ・罪と罰 の3本が収録されています。 いずれも1950年代前半の単行本作品です。 さすがに70年前の作品ですので、今読むと技法的にもストーリー的にも若干厳しめな部分もあり、手塚ファン以外では、あえて今この作品を読む必然性は全くないと思います。残念ですが。 ただ、現代でも皆があまりやっていないような実験的なコマ割りや手法が使われてるシーンも多々あり、キラリと光る作家性を隠しきれていない部分はさすがだなと思いました。漫画大学手塚治虫2わかる
酒チャビン2022/12/03マンガ喫茶に通わざるをえないほど一時はまるもう自分大人になってしまっている(今更「ヒーロー」もないやろ)のと、アメコミ調のキャラの存在とで、完全に敬遠してしまってましたが、ちょっと必要があって読んでみることになりました。 で、買うのは気が引けたのでマンガ喫茶へ。 面白か!!!えっ、なんなん?面白かったんですけど・・・ しかも結構感動できるシーンもあって、涙もホロリ。主人公にすごく共感できるし、頑張ってほしい気持ちもすごく湧いてきます!!!他のキャラも皆すごく魅力的でチャーミングです!!苦手意識を持っていたアメコミ風の人もいいキャラです!!! 私と同じ理由で敬遠してる方、意外に多いんじゃないかと思いますが、一度マンガ喫茶や試し読みでも良いので体験してみることをオススメします!!! じゃあ☆5にせえやと言われそうですが、中盤からなんか全然話が進まなく、ものすごく冗長になってきて読むのが苦しくなってしまったので、リタイアしてしまった分引かせてもらいました。もし完結することがあれば(ジャンプの場合完結せずに永久に連載することもあるので)全巻まとめ読みしてみたいと思います(100巻以内なら)。僕のヒーローアカデミア堀越耕平7わかる
酒チャビン2022/12/03すいません、認識あらためます。わたし、小林まこと先生がわりかし好きで、1・2の三四郎や柔道部物語など、傑作中の傑作だと思って愛読させていただいていたのですが、こちらの「JJM 女子柔道部物語」(以下「JJM」といいます)は完全にバカにしてました。 けっこう最近は70年代〜80年代のヒット作の続編が謎に連発されていて、自分の中でちょっとどうなんだろうという気持ちがある中で、JJMの第1話が無料になっていたので読んだのですが、JKがペンギン歩きしてて、チョロっと三五が登場するみたいな感じだったので、こりゃないな、と完全にナメてしまっていました。実在の選手の物語ってのも引っ掛かってたんですよね(オリジナルストーリーを希望してました)。 そんな中、なぜかは忘れましたが、1巻を読んでみようということになり、読んだら圧倒的に面白い!!!さすがすぎる筆力!!!お得意のギャグも快調ですし、本筋のストーリーも面白い!!!!しかも最近のエンタメ業界にありがちな引き伸ばしなどなくテンポも軽快!!まじですいませんでした。連載中に気付けて良かった・・・ さり気に三四郎も柔道部物語も連載中は知りませんので、好きな小林(ま)作品を連載で追うっていう経験は初めてです。イブニングという正直名前だけ聞いたことあるレベルの雑誌での連載にはなりますが、完結までしっかりと追いかけたいと思います。もし何かしかの大会で主人公が優勝するようなことがあれば狂喜し、敗退したら悔し涙を流したいです!!JJM 女子柔道部物語小林まこと 恵本裕子6わかる
酒チャビン2022/12/03異常なまでのおもしろ成分含有マンガ家マンガが好きなので手に取りました。島本先生のことは超絶失礼ながら存じ上げなかったのですが、今やサインがもらいたいマンガ家ベスト5位くらいには入ってきてしまっています。 マンガ家マンガということで読んだのですが、一応そのテイストも十分に感じられますし、ジャンル分けすればマンガ家マンガになるとは思うのですが、それを抜きにしてもめちゃくちゃ面白いです。マンガとしてエンタメとしてストーリーが圧倒的に面白いですね。あとギャグもまじで面白いです。 「面白い」と言っても、コントなどをみて爆笑する面白さだけでなく、歴史が面白いという時などの面白さや、ストーリーの先が気になるなどの面白さなど、たくさんあって、面白い気持ちというのはとてもハイブリッドで複雑なものだと思います。 それが本作品は、多種類の面白さがものすごく重層的にミルフィーユされていて本当にすごい作品だと思います。一応泣けるシーンもあったような記憶もなくはないです!! しかもマンガの歴史などもものすごく勉強になります!!!例えば、うる星やつらの連載が始まったときや、アニメが始まったときなどの社会的な情勢だったり、主人公の気持ちだったりが、とても丁寧に詳しく描かれていて、体験したかのような感じになります!!! この作品はまだ連載中ということですが、どこまで行けるのか、島本先生はいま事業会社の社長を兼務されているようで、掲載のペースは早くはなさそうですが、次巻の発売が待ち遠しすぎるマンガ(わたし調べ)1位です!!アオイホノオ島本和彦2わかる
酒チャビン2022/12/03ディープなオタクもののマンガ一時期オタクが主人公のマンガを選んで読んでいたのですが、こちらの作品に出てくるキャラはかなりディープなマニアではないでしょうか??? 一応、難易度の高い用語については注釈がついているのですが、ついてないものに関してもかなり難しいです!!!特にメインのヤクザの方のディープ具合がすごく、すごいなと思います。作者の方もかなりオタク事情に詳しいと思うので、その方面の出身の方でしょうか?? あと作中のギャグは結構「フフ」ってなることも多く、面白いと思います。ちょっとテイストは聖おにいさんに似てますね。 いずれにしても好きなものについて語れる友人がいるってことは素晴らしいことだと思いました。わたしにもそういう人がたくさんできることを祈っています。オフ会したらとんでもないやつが来た話mii.m
酒チャビン2022/12/03足塚茂道(満才茂道)先生の自伝的青春群像まんが!!!かなり有名な作品で、レビューもたくさんされてますし、もはやわたしが付け加えることはありません。ここをみてるということは既に読み終わった方か、読もうかどうか迷ってる方だと思いますが、もし後者ならここを読んでるくらいなら、迷わずすぐ買ったほうがいいと思います!!!!!我らが手塚治虫先生も多数出場されてます!!! ちなみに、「青春日記」という当時のA先生の日記が載っているのと、あと作中作みたいな感じで当時の作品が大量にかつほぼ全編載ってたりするので(一部は書き直しされてるようです)、それもものすごくタメになります。 1957年作品の段階で、タッチはほぼ手塚先生なので、ここからどうやって藤子節ができてくるのかがすごく気になります! 一応登場作品リストまとめておきます。 ■作中作のような感じで登場するマンガリスト ・天使の玉ちゃん(2巻)毎日小学生新聞 ・小さな拳銃王(2巻) ・宝島(2巻) ・拳銃魔(5巻)激河大介の作品 ・UTOPIA(6巻、7巻)単行本 ・西部のどこかで(8巻)少年少女冒険王 1952年12月号 ・三人きょうだいとにんげん砲弾(9巻)漫画王 1952年12月号ふろく ・四万年漂流(10巻、11巻)少年少女冒険王 1953年02月号 - 07月号 ・白魔きたる!!(12巻)少年 1959年 ・旋風都市(12巻)おもしろブック 1953年夏休み増刊号 ・役に立たなかった目覚まし時計(13巻)漫画少年 1955年 ・海抜六千米の恐怖(14巻)漫画少年 1954年06月号 ・かくてシャシンはうつされる(14巻) ・光にあたれ陽にあたれ(14巻)漫画少年 1955年06月号-10月号 ・ぼくの暑中お見舞アルバム(14巻)漫画少年 1955年 ・南部戦線異常あり(15巻)漫画少年 1954年 ・ライオンとこじか(15巻)講談社の漫画絵本 38 ・コンクリートの密林(15巻)少年クラブ 1955年 ・漫画図鑑 植物編(15巻)漫画少年 ・漫画図鑑 虫編(15巻)漫画少年 ・砂漠の牙(16巻)漫画少年 1954年 ・海底人間メバル(17巻、20巻、21巻)ぼくら 1955年01月創刊号 - 04月号 ・漫画図鑑 スポーツ編(17巻)漫画少年 ・熱血絵物語 英雄暁に死す(17巻)漫画少年 1955年 ・銭無平太捕物帳(17巻)漫画少年 1955年 ・チビわかまる(17巻、18巻)小学三年生 1957年4月号ふろく ・とんぐりくん(18巻、20巻)漫画王 1954年 ・バラとゆびわ(18巻、19巻)少女クラブ 1955年お正月増刊号ふろく ・よるの王子さま(20巻、21巻)二年ブック 1955年04月号 - 06月号 ・世界とたたかう少年(20巻)三年ブック 1955年 ・鉄拳の怒り(20巻)漫画少年1955年 ・ゆりかちゃん(21巻)少女 1954年12月号 - 1955年10月号 ・漫画図鑑 さかな編(21巻)漫画少年 ・漫画図鑑 のりもの編(21巻)漫画少年 ・史劇絵物語 十字架上の英雄(22巻)漫画少年 1954年11月号 ・巌窟王(22巻)漫画少年 1955年 ・ある日本人留学生からのローマ便り(22巻)漫画少年 1954年11月号 ・ゼンダ城の虜(23巻)三年ブック 1954年 ・愛読者クイズ大会(23巻)ぼくら ・宇宙少年団(24巻)ぼくら 1956年 ・シラノ・ザ・キッド(24巻)たのしい四年生 1962年 ・雲の中のミカド(24巻)少女 1957年03月号付録 ・ロケットくん(25巻)ぼくら 1956年(宇宙少年団からタイトル変更) ・ユリシーズ(25巻)たのしい三年生 1957年06月付録まんが道藤子不二雄(A)1わかる
酒チャビン2022/12/03巻来先生のマンガを読んでいなかったのですがちょうど私がジャンプを定期購読していた時代に関するものだったので、興味深く読むことができました!!ジョジョ&荒木先生&カバシマ編集のところが面白かったです!!編集者としては、堀江信彦氏、松井栄元氏、鈴木晴彦氏などが登場されてます! ただ、個人的には主人公の巻来先生の性格とかキャラとか言動があまり好きになれず、後半週刊少年ジャンプと袂を分つシーンでの主張もいまいち共感できなかったので、入り込めませんでした。 ですが、これからも面白いマンガを描いていってほしいです!連載終了! 少年ジャンプ黄金期の舞台裏(デジタル版)巻来功士2わかる
酒チャビン2022/11/29手塚先生の遺作 その31988年に朝日ジャーナルに連載された作品です。 手塚先生はファウストが大好きだったらしく、取り上げるのは今回で3度目です。タイトルにファウストと入っているので、そこから材を採ったことは明らかなのですが、基本的なテーマだけ借りたオリジナル作品といった方がいいと思います。 流石にファウストは何度も読まれていたそうですし、マンガにするのも3度目ということで、かなり手塚先生の中で消化され、こなれた手塚マンガとしてアウトプットされていると思います。遺作となった3作品の中では、個人的に一番完結して欲しかった作品です。 第2部突入直後にお亡くなりになられて未完になっているのですが、お亡くなりになる4ヶ月ほど前(1988年9月27日)の講演で、本作の2部以降の壮大な構想について語られており、そのバイタリティの豊富さに尊敬の気持ちを超えて呆れてしまうほどです。すごすぎる・・ その講演の文字起こしや、未完成ネームも併録されていますので、気になる方は購入されるとよいと思います(私が読んだのが文庫全集版ですので、他バージョンにそれらが収録されてるかは未確認ですのでご注意ください)。ネオ・ファウスト手塚治虫1わかる
酒チャビン2022/11/29手塚先生の遺作 その21987年〜1989年にビッグコミックに連載された作品で、途中までは手塚版の島耕作みたいな感じです! 途中からアクションも激しくなって冒険もの的な感じに変わっていき、未完で終わってしまう直前は、なんと相撲トーナメントの話が始まろうとしていました。 何気に見たかったですね。手塚先生の相撲マンガ。 あとがきなどによると、日本人についてとことん書いてやろうとのことで構想された作品とのことです!ですので、外国に行って徹底的に差別されたり、奥さん(フランス系カナダ人)に日本ほど閉鎖的で変わっている国はないと言われたりします!! 後半アクション色が強くなってしまったのですが、個人的には前半のようなリーマンもので続けてくれてたらもっと神作品に近づけたと思います! それからこれは特筆すべきことがらだと思うのですが、体調不良による休載から復活した時のオマケマンガも収録されています!痩せ切ってしまったご自身の姿が描かれていますが、病室でもお仕事を続けれおられたらしく、改めてその創作への執念や、マンガ愛に畏敬の念を感じざるを得ません! あと以下の作品(おもに短編)が併録されています。サスペンスものが多いですが、中でも私は「料理する女」が好きでした。 ■サスピション(3話) ■山の彼方の空紅く ■雨のコンダクター ■料理する女 ■お客様は悪魔ですグリンゴ手塚治虫1わかる
酒チャビン2022/11/28手塚先生の遺作 その11987~1989年にコミックトムで連載された作品。グリンゴ&ネオ・ファウストと並んで遺作とされる作品です。 ちなみに雑誌の掲載が一番ラストなのがルードウィヒ・Bなので、遺作オブ遺作を決めるとしたらこちらの作品になると思います。 内容的には昔の超有名インフルエンサーであるベートーベンの一生を描いた作品で、一部フィクションも交えながら出生から描かれます。 手塚先生がお亡くなりになったことによって、ウィーンに出てきたあたりで終了となってしまっていて、これからちょうど面白くなってくるところだったと思います。 正直書かれた部分(500ページ程度)だけ読むと、少し盛り上がりに欠け、豊かな読後感が得られるとは言い難いです。 ただ、最晩年の作品だけあって、作風もかなり完成されてきているうえ、手塚先生自身のマンガに対するスタンスや主義などを、手塚先生がご自身の性格と似てるというベートーベンを通じて描かれているように感じる部分もあり、そこが読みどころとなっていると思います。 完成まで読みたかった!!!グキャァ!ルードウィヒ・B手塚治虫1わかる