panpanya先生の作品は、不定期だけど繰り返しパラパラと読み直したくなる、アナログで手元に置いておきたいマンガのひとつ。
その商業第1作『足摺り水族館』。
個人作品を再構成しつつ、未収録作品を追加されたもの。この雑多な感じが魅力だなーと思う。panpanya先生といえば現実と非現実をフワフワと漂いながら行ったり来たりするような、不思議な世界観が魅力。
表題作「足摺り水族館」は作中で3編に分かれて描かれている。古めかしい栞に誘われて不可思議な空間へ向かう。中編は写真と文章で日記みたいな感じ。後編はなんだかもう集大成といった雰囲気。
他にも様々なテイストの作品があって面白い。
お母さんからのメモに全く読めない謎の言語で書かれた品物が一つあり、それをなんとかして買いに行こうとする「完全商店街」。木炭絵?っぽい画風の「イノセントタワー」(2つ目の京都タワーに向かうお話)。不可思議な空間を少年が歩いていく描写で台詞が一切ない「無題」。喋るし動く自動販売機のお話「マシン時代の動物たち」などなど多種多様。
これ以降の作品も、もちろん素晴らしいけれど、本作はとくに各作品個性が際立っている気がする。まさに混沌。中には合わない作品もあるかもしれないが、「読んでよかったなー」と思うエピソードがきっとみつかる、はず。
そして「無題」がさっぱりわからないので誰か教えてほしい……(笑)