hysysk
hysysk
1年以上前
時価総額世界1位の企業で働くアメリカの友達が「日本のラーメンはあれだけ研究開発されてるのに1000円くらいで食べられるのはあり得ない」と言ってひたすら食べ歩いていたのだが、これを読むとすごくそう思う。 全くの素人から始めた人、別の料理業界から転身した人など、色んな人が出てくる。約20年前の作品にも関わらず、紹介されている店のほとんどが今もしっかり現役で、当時は目標として語っていたことを実現していたりするのがすごい。冒頭に「豚ガラ鶏ガラ人柄の調和」というポエムを載せていて心配になったが原作者の目(と舌)は確かだ。今ではインスタントでも食べられてしまう「すみれ」は主婦がたまたま空いた店で始めたものだったとか、ガチンコ世代のスーパースター佐野実にこんな背景があったなんて知らなかった。 みんな大体ラーメンなんて簡単だろ、というところからスタートするのだが、徐々にその奥深さにはまっていく。スープは長時間火にかけると酸化する、気温や天気に合わせて麺の配合を変える、麺が変わるとスープにも影響する、旨味調味料に頼らないためにはどうするか、行列ができたら苦情にも対応しなければならない、複数店舗のオペレーション…そんな中で安定しておいしいラーメンを作るにはやはり職人的な技術や努力が必須で、味だけでなくインフラや組織作りにも工夫とイノベーションが要求される。 雑なバイトに読ませたいし、ヘッドフォンしてスマホ片手に食ってる客の画面に強制的に表示させたい名作。
名無し
1年以上前
この漫画は作品中に登場した絵にネットで流通している画像からの 「トレース使用疑惑」が生じ、疑惑解明まで休載という形での 実質的な打ち切りになっています。 著作権問題に関してはどこかで線を引かざるを得ませんし、 打切りも止む無しかとは思いますが、 私的には、謝罪の上で改めてタイアップなどの解決策を模索し、 連載を継続してほしかったですね。 包丁人味平から始まり、美味しんぼや ザ・シェフなどの登場で 「グルメ漫画」は漫画として確立したように感じます。 いまでは百花繚乱というか、多士済々というか 色々なグルメ漫画が存在します。 それだけにただ「美味かった!」「美味しいよ!」では グルメ漫画もなんのインパクトも与えられなくなっている 感じもします。なので、 「う、美味い!」「だが、どうやってこんな味が!」「実は・・」 みたいな流れに沿った、謎解き系の流れというか、 そこに人情とか絡めたドラマチックな展開というか、 そういう構成になっているグルメ漫画が多い気がします。 「ダシマスター」も基本的にはその流れなんですが、 美味さの解説というか科学的な論証と、 謎解きのそれぞれが秀逸で説得力があります。 それはダシという一見するならばただの液体、 しかも完成形としての料理が出来た時点では見る影もない、 そういう存在は、まさに漫画で謎解き展開を描くのには 適した素材だからかも、と思ったりします。 そこに加えて、当初はなんだかキャラ設定が定まっていないのでは、 とも思った主人公が、実は深い過去を秘めたキャラであることが 徐々に明らかになっていき、 まさに「あ、ダシが効いていたんだ」と思わせる展開になりました。 かえすがえすも連載打切りが残念です。 未完で終わった故にこそのラストの余韻が 皮肉にもミステリアスな終わり方になって、 何とも言えない味わいになっている感じもしますが。
この漫画は作品中に登場した絵にネットで流通している画像からの
「トレース使用疑惑」が生じ、疑...