ゆゆゆ
ゆゆゆ
1年以上前
冷蔵庫に居座る、期限が長い調味料やらなんやらを使い切る、ゆるいお料理エッセイ漫画です。 冷蔵庫から発掘される、我が家でも心当たりのある調味料の数々。 「その食べ方は美味しそう」と、見ているとお腹が減ってきます。 DINKS&酒飲みのご夫婦のようなので、ちょっと濃い目でも「酒に合う〜」と、おいしく召し上がっているので、さらに羨ましくなってきます。 ちなみに、読む前は表紙イラストがいったいどういう状況かわからなかったのですが、読んだ今なら推測できます。 冷蔵庫に居座る何かをなんとかしたい、ミニマリスト気質&お掃除担当の旦那さんと、ビールを大変おいしく飲んでいるお料理担当の山本ありさんです。 裏読み不要、そのままなイラストでした。 さて、私も久々に鶏ハムを作ろうかな。 ストレス発散がてら鶏肉を綿棒で叩き潰して、美味しく食べたい。 ちなみに作中に出てくる困った調味料のひとつ「柚子胡椒」は、唐揚げの漬けタレにしても美味しいです。 「ナンプラー」は意外と万能に使えるようで、平野レミさんのお料理各種や、ツジメシさんのナンプラー鶏肉そうめんもオススメです。
兎来栄寿
兎来栄寿
1年以上前
「ミスキャン→キー局アナ→プロスポーツ選手と結婚→海外移住→お城のような豪邸でお姫様のように暮らす」という完璧な人生設計を、まずミスキャンになるところまでクリアしてIT企業の社長からアプローチを受けるも、気になる男性が現れる20歳の亜矢。 27歳で、結婚までいくと思っていた同じ会社の男性と別れて疲弊している中で、後輩に言い寄られる亜矢の従姉でグラフィックデザイナーのマコ。 入社時から片思いしていた上司が結婚式を挙げることになった、OLでマコの友達の吏佳。 そんな3人が、シェアハウスをして暮らしていく中で、互いの恋愛模様も含めた共同生活の様子が描かれていきます。 最初は亜矢の視点から物語が始まりますが、他のふたりの視点からの物語を読むと、亜矢のときの物語で抱いた印象とはまったく異なる内面が見えてくる多面的な構成が面白いです。たとえ、一緒に暮らすような仲であっても他人に見せない部分はある、むしろ取り繕うために他人と一緒に暮らすというのはリアルさを感じます。 恋愛模様も三者三様ですが、しかし共通しているのは3人とも元々抱いていた理想ではない方向へと転がっていくところです。ここも非常にわかりみが強く、恋愛に留まらず人生全体にも言えることですが、時として全然予想しなかった方に向かって行き、まさかそんなところに道があるなんて想像もしなかったようなところに道が拓けていくものなんですよね。若い時分に「自分は絶対に○○にはならない/やらない」などと考えていたことがいかに覆されていくか。それは本当に「あのネクタイの色好きだな」くらいの軽さから動かされ転げていくものです。 それでも、何かあったときに共有できる人間が身近にいるというのはやはり心が助かるものだなあと読んでいて端々で感じました。実際は苦労も多かろうと思いますが、それでも得難いものがきっとあることでしょう。 「クレマチスは冬にこそ水やりが大切なのだと思い出した  落葉している間にも根を枯らさないように」 など、ところどころのモノローグもじんわり響いてくるフレーズがあり好きです。 大人の恋愛物語を読みたい方に薦めたいです。