野愛
1年以上前
好きなひとが幸せであればいい。自分の声なんて届かなくても、幸せでいてくれたらそれでいい。
でも、声が届いてしまったら。側にいたいと思ってしまったら。
ネットの中だけで活動する歌姫・ヒナ。ヒナの歌声に救われたひきこもりの少女・かなえ。
偶然の出会いにより、2人の距離が縮まっていきます。
誰かに届いていればそれでいい
歌声が聴けたらそれでいい
ささやかな望みは、2人が出会うことによって膨らんでしまいます。
あなたが幸せであればそれでいい、でも側にいたい。あなたに聴いてほしい。
膨らみきった望みが行き着く先は、切実だけどシンプル。
多くを求めてしまっても、距離が近づいても離れても、根底にあるものは変わらないのです。
ナヲコ先生が描く結論は、いつだって優しくて確かなものです。
本当に本当に多くの人に読んでほしい。
魂の柔らかいところに優しく触れてくれる作品です。