ひげさんがめちゃくちゃマッチョなのがおもしろい
ひがさん、なんとも形容しがたい独特の女性。きっといい人なんだとは思う。
ぼっち死の館の齋藤なずな先生の最新作。 まず何十年も前にダムの建設現場で同僚と交わした何気ない会話を思い出すところから物語が始まるのがいいですね。不思議と記憶に残ってる会話って誰にでもあると思います。 アフガニスタンに用水路を建設した医師の中村哲さんを山の斜面を登っていく巨石だとすれば、自分はただの小石だけど丸くならずに尖ったままでいようとする男が主人公です。 息子を事故で亡くしてから自暴自棄になり独居老人となった男ですが、迷子のインコを飼い始めたことが転機になります。 ラストで川に落ちそうになったインコを助けようとして溺れる男と、中村さんの最期、そして巨石が粉々にされ小石となりダム建設の一部になる様子が重なります。 中村さんは偉人ですが、この漫画の主人公は特別に褒められるような人生を送っていた訳ではありません。しかし男が身を投げ出して小さな命を助けたことにスポットライトが当たることで、前作のぼっち死の館と同様に普通の人の人生への肯定を感じました。 もしかしたら彼ら二人とも人類誕生以後の大河のような歴史においては同じ小石なのかもしれません。そうなると本来なら火の鳥レベルの壮大なスケールで描かれるべきところを、こうして短編にまとめ上げられた齋藤なずな先生の力量に驚くばかりです。
友達って結局は他人で、生きてきた環境も文化も違って、紙一重のところで成立する関係なのかもしれないなと思いました。その紙一重が案外分厚くて破るのが難しい、だから友情って尊いし熱いんですよね。 なんてことをたった4ページで考えてしまうくらいに濃密な作品でした。短い中でこれを見せられるのは本当にすごい。
人間とライオンが言葉も通じるし友達でもある、という世界観は微笑ましいですし、オチも良かったです。トロフィーハンティングという行為が世間的にどう見られているのかという問題はなかなか深そうなので掘り下げるのをやめましたが、其れを踏まえるとあのライオン、人間を飲み込んだのは無意識と言っているけど本当のところはどうなんだろうか?という目線でも読めます。たった4ページなのにすごい。
佐藤智一先生の絵がやはり好きだ。 漫画らしい可愛らしさのあるデフォルメと大袈裟なリアクションがいい。 鐘野の傍若無人さと税金に対する異常な執着の理由はまだ1巻だけじゃ掴みきれず、続きが気になる。
ビッグコミックオリジナルのデジタル版のみで始まった新連載。 子供の時から自分は美人だという自覚がある女が主人公。村中から「あの娘は玉の輿に乗るだろう」と噂されるほどだったのに、貧しい農家に嫁ぐことになってしまう。結婚してから夫の酒癖の悪さを知り、姑からはいびられ、寝たきりの舅の世話をしなければならない。この結婚は失敗だったという後悔からなのか、なぜか自分が産んだ長女の顔だけが化け物のように見えてしまう現象が起きていた。どうやら他の人には次に産まれた長男と同じように自分とそっくりな美しい子供に見えているらしい。 どうしても萩尾望都の「イグアナの娘」を思い出さずにはいられない設定ですが、さすが曽根富美子だなと思ったのは長女が血を流している時だけは可愛らしい顔に戻っているという点です。こうして母親である主人公は娘の身体を傷つけることで得られる一瞬の現実逃避の快感に目覚めてしまいます…。 隔月連載なので気長に追いながら感想書いてこうと思います!
エリザベスが6歳にしてめちゃくちゃ賢い。セシルも政治家らしく思索を巡らせていて頼もしい。2人とも成長中。
2023年良かった読み切り。 こういう群像劇が好きだ。 背景の白さは若干気になるけど、まあ新人だから。 理数系の厨二病(ちくちく言葉?)がいても良いだろ。
※ネタバレを含むクチコミです。
ひげさんがめちゃくちゃマッチョなのがおもしろい