戦隊大失格
戦隊ヒーローが裏で握ってるかもしれない
戦隊大失格 春場ねぎ
さいろく
さいろく
戦隊モノに限らずヒーローものは必ず敵がいて、それらが悪巧みするのを防ぐことで被害者を助け、世界を守るのがヒーローだと思う。 だが、実はヒーローが裏で敵と結託していて、あらすじが最初から出来ていたら? 悪者成敗の実態は産業として成り立っていると知ったら、そんな戦隊ヒーロー(実質国防軍?)は正しいのだろうか。 そして悪役は何故黙っているのか、何故悪役は悪になったのか。 などなど、本作では悪役を演じている彼らは一度侵略に失敗して敗れ、その後その罪を問われて結果としてヒーローに支配された関係が出来ていた。 日々の暮らしがある意味担保になっているとはいえ、これでいいのか?と考える悪役が出てくるのは当然のことだが、力で押さえつけられている現状を打破できないのも事実。 じゃぁどうするんだ!というのが本作の面白いところ。 そしてコレはヒーローが実は裏で握ってるあくどい感じのやつらでしたー!で終わるような浅い話でもなかった。 まだ読み途中ですが、1人1人の裏の話や、素顔の見えないヒーローの新陳代謝なども含め非常に濃ゆい物語になってますねー 作者が春場ねぎ先生ということで、『五等分の花嫁』の後にこんなプロパガンダ的な戦隊モノを生み出しているのも面白いです。
黒岩メダカに私の可愛いが通じない
これぞ王道ラブコメ
黒岩メダカに私の可愛いが通じない 久世蘭
六文銭
六文銭
モテまくる美女モナちゃんだが、クラスメイトの黒岩メダカだけはまったくなびかない。 仏門の身で修行中だからとか、そんな理由なのだが、煩悩に翻弄されないよう目つき悪く睨むことで耐えている。 誰も彼もに、ちやほやされていた彼女にとって、その態度が気に食わないから、彼女の心に火が点いて・・・という展開。 どんな男からも惚れられたいという神経は全く理解できず、むしろイヤなキャラになりそうなものだが、なぜか彼女だけは許せちゃうから不思議。 心の声が関西弁なのが、面白おかしくなっているのも理由なのかも。 あざといし、お色気作戦もやったり、なんでそこまで?と思わなくもないが、奮闘して基本失敗していく様は可愛い。 ライバルなんかもでてきて、別に好きでもないと言い張りながらも、焦る様も可愛い。 黒岩メダカも、男版ツンデレともいえる、時折デレて距離感が縮まっていく様もいいです。 もう好き同士でしょ? と野暮ったいことも言いたくなるが、そんなツッコミは抜きにして、ラブコメはこれくらい軽いほうが、個人的には好みだったりします。 THE・少年漫画のラブコメという感じです。
シャングリラ・フロンティア
パンイチ、青い鳥
シャングリラ・フロンティア 不二涼介 硬梨菜
ゆゆゆ
ゆゆゆ
最近よく見かける青い鳥の漫画は、フルダイブ型ゲームを舞台にした話だった。 レベル1からのし上がるような、王道系ストーリー。 出てくる人たちはバーチャルな見た目なので、鳥だけでなく、美人や可愛い子やイケメンや鎧や、いろいろ出てくる。 閉じ込められたわけでないので、現実世界へちゃんと戻れる。 日常の話もありつつ、神ゲー「シャングリラ・フロンティア」以外のゲームの話も出てきつつ。 原作者さんはゲームが好きなんだなあと伝わってくる。 ちなみに、その他のゲーム(クソゲー)の設定がおもしろく、そのゲームだけで別のストーリーが作れるんじゃないかと思った。 そして、主人公の青い鳥の人が、ものすごくバトルが上手で、弱々レベルでもそこそこにビシバシ動けていてかっこいい。 青い鳥の人と書いたけども、鳥の人は初期装備を売り払って、素顔を隠しつつ欲しい性能を持つ「青い鳥の頭」を購入。それを被っただけ。 種族は鳥でなく人間。 さらに短パンと思っていたものは実はパンツ。 いわゆるパンイチ状態。あと裸足。 昔ながらのゲームであるある紙装甲な装備かもしれないけど…。 他の人に見られるのにパンイチかぁ。すごいメンタルだ。 コミカライズもとてもきれいな絵柄で、読みやすい漫画にされているので、さくさくと読めてしまう。 アニメ化、さもありなん。という気持ちになる。
兎山女子高校2年1組!!
女子校のゆるい空気感の良さ #1巻応援
兎山女子高校2年1組!! 清水幸
兎来栄寿
兎来栄寿
2023年も気付けば折り返していますが、卯年に読みたい作品がまたひとつ登場しました。 今の『週刊少年マガジン』はとにかくラブコメ激戦区なのですが、その中で一際異彩を放っているのがこの作品です。 女子校が舞台といえばお嬢様高校かそうでないかで分かれますが、本作は後者。気取らず飾らず等身大の女子高生たち、そして彼女たちの担任である倫理教師の水戸耕平(31)を中心として、ゆるく楽しく姦しい日常を過ごしていく姿がコミカルに描かれます。 私は、耕平に密かに好意を寄せる生徒・牧田が特に好きです。かわいかったり、少し暴走したりする牧田の言動は程よくラブがコメっていて良いです。それに対して、耕平がとてもフラットな反応なのもまた良い味が出ています。 ただ、特に何も事件が起きていなくても日常の掛け合いだけで面白いのが才能を感じさせます。生徒も教師も個性豊かなキャラクターたちが入り乱れ、10代のころを思い出す仄かなノスタルジーと、たっぷり入った笑いが心地良く毎回楽しみな作品です。 筆者自身が女子校出身で、しかもまだ10代ということでフレッシュな記憶や体験を元に描かれているという部分も大きいのかもしれません。個性的なキャラクターたちにはモデルがいそうです。 『あずまんが大王』から『女の園の星』まで、女子高生たちの若いエネルギーが生み出す笑いが好きな方にお薦めです。