読んでみて、確かに女騎士に対抗できるメンタルを持ち合わせてるの、ホストくらいかもな…と妙に納得してしまった
タイトルに惹かれてなんとなく読んでみたけどすごくよかったです。 「子供のために教養になる本を」と児童作家を目指すも説教臭いと受け入れてもらえないチャールズと、絵を描くのが大好きな姪のビアトリクス。 私自身、幼い頃から絵を描いたり小説を書いたりするのが好きだったので、二人に共感できたし後半の見開きあたりで泣きそうになりました。創作することは楽しいということ、楽しいと思うことが夢の始まりだということを思い出させてくれました。なぜ作家になりたかったのか、弟アーネストはどんな思いで生きていたのか。問題が解決していく話の流れも美しくて、オチもよかったです。 絵も綺麗で好きだし秋晴先生の次回作が楽しみでしかありません。応援してます。
いろいろな有名作品がモチーフになっている? 自分はなんのために児童向けの小説を書きたいのか?と省みるところは少し辛いけども、最終的には諦めずにいてくれてよかったと思った、
ヴィンランド・サガは、ずーっと昔に最初のあたりを読んだきりだったんですが、機会があったので最新刊(26巻)まで一気読みしました いい作品でした…。本当に真摯な作品です 描かれているのは、主人公トルフィンの成長と、そして贖罪の姿 父の仇への仇討ちのためとはいえ、罪なき人々を殺し続けたトルフィンが、平和な国の建国を目指す物語です 本来であれば、多数を殺した人間は、死をもって償うしかありません しかし、逆にいえば、死をもって償えば、それで終わりです 本作は、トルフィンに対し、そんな安易な贖罪は許さず、もっとも困難な償いの道を選択させます これは、トルフィンにとっても困難な道ですが、作者自身にとっても本当に困難な道のはずです それなのに、作者の幸村誠先生は、その困難な道を、説得力をもって描き続けている それがひとつ結実するのが、26巻の最後に収録されている話で(191話「その日」)、いやぁもうたまらないですねコレ 敵を殺すという選択肢を排し、可能な限り敵対以外の選択肢を選び取って困難を乗り越えていくトルフィンは、本当に立派で、応援したくなります もちろん、物語は終わっておらず、贖罪も終わってはいませんし、トルフィンの贖罪は、どこかで終わりが来るという性質のものでもありません また、なんだかんだ描きましたが、結局、最終的にはトルフィンの死をもって全てを清算することになるのかもしれません しかし、だからといって、トルフィンのしてきたことが無駄というわけではありません 贖罪の本質というのは、結果ではなく、そこを目指す道筋そのものです トルフィンの生き方は、周囲の人々の生き方にも大きな影響を与えていますし、メタ的には、読者の生き方にすら、影響を与えているのかもしれません 本当に、素晴らしい作品です
金田一くんタイプの殺人事件を解決するタイプのマンガです。ミステリーは小説ではかなり作品数もバンバン出る人気ジャンルですが、マンガではそこまで数は多くない印象なので、見つけると読んでしまいます。 作風としては、リアル路線で、マンガマンガしていないというか、良くも悪くも「いやいやいや」みたいな部分がありません。種明かしもすごく地に足のついた感じです。 ですが逆にいうと少し驚きに欠けるところがあるかもしれません。わたしは小説の方でも、あまりロジカルに偏りすぎているものは好みではないので、そう感じました。 逆にリアルさを求める方には合うと思います。 この作品のいいところですが、やはり少女マンガとのミックスっぽくなっていて、独特のムードがあるところだと思います。探偵役はイケメンの神父ですし、見立ての対象が黙示録なところも雰囲気あって良いと思いました。 途中「読者への挑戦状」が挟まる部分もミステリー好きを興奮させ、良いと思いました!!! 絵柄は若干時代を感じさせますが、わたしはほぼ気にならなかったです。
年齢を10歳サバを読んで小説を投稿した40歳の主人公が、若い編集者を前に気後れする話。全部先入観で勝手に思い込んで気後れしてたっていうのがいい。 ただストーリーとしては有能な編集が全部をうまく解きほぐしてて主人公はそれをただ聞いてるだけで前抜きになって終わってて、「で、なに?」と思ってしまった。
怪作としか言いようがない怪作 栗くんの作画が他の野菜よりもシンプルなところにも闇を感じる
2022年12月23日発売の、アフタヌーン2023年2月号に掲載。宇野突風と墨東署の2人の前に謎のサンタが現れ、犯人役の突風は逃げ夏実と美幸はそれを捕まえる…という謎のゲームを強制するというあらすじ。 懐かしいなと思ったら新作エピソードは30年ぶりなんだとか。 このなんともいえないクロスオーバー感がよかったです。
アフタヌーンの編集長が日記みたいな作品が増えてるって言ってて「こういうことかぁ〜」となった。少年マンガみたいにドンパチや成長があるわけでも、少女マンガみたいに感情の動きが丁寧に紐解かれるわけでもない。本当にただ日常(フィクション)を切り取っただけでそれを意図的に面白くしようとかもしてない。 テニスの王子様をテニス漫画だと思って読んだらびっくりするのと同じで、ストーリーに起伏があるんだろうなと勝手に期待して読んだらそうじゃなかったので肩透かし食らった。 https://manba.co.jp/manba_magazines/20440
卯年の2023年が始まりました。 ということで、新年1発目は『兎-野性の闘牌』……ではなく、高口里純さんの『兎』です。 『紅のメリーポピンズ』に登場し、『グランマの憂鬱』では主人公となった百目鬼ミキなどもそうですが、高口里純さんの描く凛とした大人の女性はとにかく格好いい。 本作『兎』も多分に漏れず、主人公・会田兎(不良仲間からは「ラビット」「ウサ公」などと呼ばれています)の母親・よし江がこの世の酸いも甘いも知り尽くしたような、非常に深い味わいのある良いキャラです。 1話目から、躾の甘い他人の子供に対して ″赤ン坊は腹ン中でめーいっぱい甘えられるんや いい思いするんや せやから腹ン中から出たら一番最初に教えてやらにゃならんことは 居心地の悪さやないでっしゃろか 世の中気持ちのいいことばっかやないっちゅーのを 教えるのが母親(オヤ)やないですか せやなかったら子供に我慢やら思いやりやら 身につきゃしませんわな″ ″いくら世の中便利になったゆうたかて ガキの育て方まで便利になってどないすんや″ といった具合です。 更に、2話では突然の襲撃に動じることもなく、1対複数人の戦いでドスを振り回して相手の指を斬り落とす大立ち回りを見せます(多分、今だとなかなか描けない描写でしょうか)。 息子の兎に対しては最初憎らしさが先に来ていたものの、やがて母親としての愛情が芽生えてきたという複雑な感情を持っており、その変化を表す雅な表現も伴って人間的な魅力を生み出しています。 実際、動物の兎は人間や犬や猫と違って1日に1〜2回4分程度の授乳しかせず、一見愛情が薄いように見えますが、それには子供に近付く時間をなるべく減らすことで外敵が巣に近付く確率を下げるという意味があります。一部では寂しいと死ぬとも言われる兎は実は放っておかれた方が強く生きられるという生態があり、それに準えているのかもしれません。 ただの街の不良程度であった兎が、よし江の教育の甲斐もあってか ″ウサギ1匹暴れたところで大したことねえさ それにライオン相手なら立派に正当防衛だ″ と、極道と本気で抗争を始めるように急成長していく様、そしてその際に何故かうさ耳を着けていくところが2023年の年明けに相応しいでしょう。 主人公の成長と共によし江というキャラクターに、そしてこの親子の関係性とそれを彩るセリフに注目して読んでみて欲しいです。
読んでみて、確かに女騎士に対抗できるメンタルを持ち合わせてるの、ホストくらいかもな…と妙に納得してしまった