瓜を破る

登場人物全員が生きている

瓜を破る 板倉梓
六文銭
六文銭
久しぶりに 「人間をきっちり描いてる」 と思えるような作品に出会えました。 タイトルから処女をこじらせた主人公の恋愛話かと思ったのですが、主人公の周囲にいる登場人物までも背景や価値観を丁寧に描き、しかもどこかしら自分と通じる部分もあって、全員に共感しかなかったです。 バリキャリもいれば、家庭に入った人もいたり。 彼氏とうまくいっている人もいれば、うまくいっていない人もいる。 言いたいことガンガン言える人もいれば、言えない人。 ホントに多種多様な、そしてある点において自分によく似た環境や考え方の人もいて、どの登場人物にも感情移入が凄まじしいんです。 漫画のキャラクターなのですが、まるで生きているかのような、読んでいてそんな感覚をおぼえました。 基本的には主人公が、処女で焦り悶々としている様を軸に、他の人物のストーリーも出てきて、この視点変わる展開の仕方も飽きさせずひきこまれます。 結果として、主人公も素敵な彼氏と出会えるのですが、そこに至るまでのもどかしい感じもたまらんのです。 自分もコミュ障で恋愛奥手マンだったから、何するにしても相手がどう思うか考えてしまい、結果、何もできない or すれ違う様が、じれったくて、でも、お前は俺かと共感に首がもげそうになりました。 何にせよタイトルからくるイメージとは良い意味で全然違った、ピュアな恋愛と、多様な人物描写が魅力的な作品でした。
解体屋ゲン

これぞ、お仕事系のお手本と言っても過言ではない知る人ぞ知る神作品

解体屋ゲン 石井さだよし 星野茂樹
カワセミ㌠
カワセミ㌠
「派手な発破や重機をガチガチに使った珍しいお仕事系作品」 「あるあるネタからトレンドや風刺ネタに加え異世界ネタまでありとあらゆる引き出しが用意された圧倒的ボリューム」 「稀に一冊辺り5~11円で買える破格の大セールを仕掛けてくるメチャクチャな作品」 etc……… 調べれば調べる程気になって来る情報しかない上に丁度11円セールが始まっていたので既巻100巻を購入し、最近は解体屋ゲンばかり読み進んでおりましたが上記の情報に偽り無しと強く実感した神作品でしたね そんな神作品をざっくり説明しますと日本では珍しい爆薬を使った発破解体等を生業とする主人公:朝倉巌【通称解体屋ゲン】が様々な建築物や大自然はたまた黒い噂のある大企業等々を相手に奮闘するお仕事系作品になりますが、どの物語も練りに練られた内容に仕上がっており ・同僚や仲間との成長やすれ違いや恋愛事情からなるエピソード ・主人公ゲンの過去や知識力から生まれた奥深いエピソード ・財政や地方特有+人には言えない程の事情を抱えた問題絡みのエピソード ・談合や違法な取引等を汚職まみれの企業を相手に死闘を繰り広げるエピソード ・この仕事をしていて良かったと思わせる涙無しには語れない心暖まるエピソードetc… 読めば読む程お仕事系のお手本と言わんばかりのエピソードが盛りだくさんとなっておりますので少しでも気になった方は大セール期間問わずご購入されてはいかがでしょうか?