1話読み終えて「きのう何食べた?」みたいな感じかーと思ったら2話目、庭師のターンから世界設定の説明が始まる。 続きを早く…
ビーム連載当時に友達からすすめられて読み始めて、志村貴子先生のファンになったきっかけの作品です。 トランスジェンダーを扱った長編作のなかでも名作に入ると思う。 この可愛らしい表紙からはあまり想像できないほど、パートによっては読むのが辛くなるような部分もありました。それでも登場人物たちは年齢を重ねながら、色んな人と出会い、各々で視野を広げていくうちに「こっちが心配しなくてももう大丈夫だな」といった感じで手元から離れてくような感覚にもなりました。 ここからは細かい個人的な好みの話ですけど、主人公にとりんの姉・まほちゃんの彼氏の瀬谷くんがほんとイイです。まほちゃんが弟にはちょっときつく当たりがちで気が強いのに対し、瀬谷くんのイケメンなのに控えめで押しが弱い感じがたまらないんです。とにかく性格がいい。 もうひとりは千葉さん。千葉さんはたぶん放浪息子読者のなかでもかなり人気が高いキャラクターのはず。可愛くて強くてでも不器用で、そして可愛い。 もしこれから読むという方は瀬谷くんと千葉さんに注目してみてほしい。
※ネタバレを含むクチコミです。
生理ちゃんかわいい。 性欲くんと童貞くんのゲスさも好き。 1冊まるまる彼らの作品を読みたいぐらい。 出てくるキャラクターがゆるかわで線が好き。 2巻「小学生と生理ちゃん」 分けられてしまった道がまた交わって、理解し合えればいいなと思った。 いじめや不妊、「人様に迷惑かけない」という呪縛についてや、「わたし」について、生理を交えながらも広いテーマをも含んでいて、読んだあとすこし心が軽くなる。 共感するところも多い。
よだかの星を読むのはおそらく小学生ぶりだと思いますが、やっぱ大人になってから読むほうが面白いですね、宮沢賢治は。ちょっと不思議で、暗くて悲しくて、繊細で感受性が強くて傷つきやすい…子供の頃は何が面白いのか全くわかり…ませんでしたが、今となってみればすごく素敵だなと思います。 このコミカライズの良いところは、よだかを始めとする鳥たちの目が往年の少女漫画のような人間的な目をしているところ。 目の中に星が輝くまつげバサバサの目は人間のように感情をよく伝えてくれるだけでなく、賢治作品らしい幻想的な感じを出すのに一役買っていると思う。 読んでみて久々に原作を読み返したくなった素敵な読切でした。
丸尾末広の今年二作目(おそらく)の読切「ディアボリク」。前回モーニングに掲載された「オランダさん」に引き続き、第二次世界大戦後とキリスト教がテーマ。 https://manba.co.jp/boards/104874 戦災孤児を収容するキリスト教養護施設に暮らす赤毛のミチオと神を巡るお話。「オランダさん」に登場した長崎の少年・マサルが素晴らしい宣教師と出会えたのに対し、こちらに登場する施設の園長・シュレック神父は神の教えを広める者として欠陥しかないまさに「diabolic(悪魔的)」な男。 シュレック曰く、日本は三等国で野蛮で神がいないらしい。 園で盗みを働きマリアを侮辱する浮浪者たちを描く中に、「最後の晩餐」を模したコマがあったのが印象的だった(その意図は自分には理解しかねるが)。 https://comicbeam.com/archives/008/201911/32d21816329fcc181a40ab534f7b33a3.jpg (『ディアボリク』丸尾末広) 救いのないシーンばかりが連続するが、最後の最後に、荒廃した町でサヨは12歳で殉教した隠れキリシタンの少年・ルドビコが死者を天国(パライゾ)に連れていく姿を見る。そしてミチオとサヨが優しそうな神父と出会ったところで話が終わる。 不幸ばかりだった2人だけど、「確かに日本にも神の国への道は開かれており、救いがあるらしい」。そんな読切だった。 【月刊コミックビーム2019年12月号】 https://comicbeam.com/magazine/magazine-10068.html
日本の東京を舞台に、バク星からきたバクちゃんの目線で綴られる日常SF。 電脳マヴォで発表、自費出版し、第21回文化庁メディア芸術祭で新人賞を獲ったものを再構築して連載化したものだそうです。 1話では東京メトロのスペース線で地球にやってきたバクちゃん。怒涛の入国審査から満員電車とさっそく都会の洗礼?を受ける。ただ、異星人との共存が普通だったり電車内で放水があったりと少し様子が違う…? 新たな環境でバクちゃんは楽しく暮らして行けるのか。
最近、コミックビームのバックナンバーで過去話を読み返すことがありまして、その中で5月号のN極物語が非常に異質で、何回も読んでも惹きつけられるような印象的な回だったのです。 https://comicbeam.com/magazine/beam201905.html このお話では、それまでのギャグ調から一転して、過去の回想からはじまります。突然、喋れるようになった主人公(ペンギン)が群れから離れ、例のアイツと出会う。 シリアスで哲学的なストーリー展開から、ホッと一息つくオチまで、素晴らしいの一言です。 喋らない動物たちの眼差しがとても恐ろしく、何か見てはいけないものを見てしまった気持ちにさせられました。 このわからない感覚って何なんだろう…。 しばらくの間、忘れられそうにありません…。 これを書いてる時点ではビームで休載状態なので、いつか連載再開することを祈ってます。 単行本になるのかどうかもわからないけど、ぜひ何らかの形で発売してほしい作品です。
この話は、水野と茶山という2人の女子高生のガールズラブストーリーなのですが、水野はスクールカーストの上部にいて、一方茶山は少し暗くておとなしい性格で、陰湿ないじめを受けている。 そんな2人は交際を公にできるはずもなく、誰にも知られずに逢瀬を重ねるのであった… 閉鎖的な田舎の高校が舞台で、まだ親元にいて自由がきかずにキリキリとした空気が漂います。 2人の恋も、そんな鬱屈した気持ちを発散するように割とディープです。 家族問題や人間関係に悩んで傷つきながら、ふたりの関係性も変化をしてゆきそうですね。 痛々しさもあるけど、目が離せない魅力があるマンガです。
小説家のマンガ。このマンガはパッと見は何も起こらない、平凡な日々を暮らす人達のマンガに見えるんです。しかしマンガを見続けていると登場人物達の焦り、気まぐれ、執念などが浮かんできたり消えたりして、そこにドキドキしたりどきっとする。普通っぽい日々、世界の中で生きる人達が何かを抱えていることと、これから何かをやろうと考え動く様が描いてあるんじゃないかと。3巻の中にある主人公が数ページ「うーん」ばかり言っている場面が好きです。
1話読み終えて「きのう何食べた?」みたいな感じかーと思ったら2話目、庭師のターンから世界設定の説明が始まる。 続きを早く…