くるぐる使い
大槻ケンヂ著『くるぐる使い』(角川書店)を原作にしたコミック。くるぐる使いとは大道芸の一種でくるぐる(狂人)を見世物にして金を取る芸である。一部のくるぐるが持つ、読心術や予知能力といった不思議な力を口上に合わせて見せるのである。田舎町の病院に入院中の老人・波野が語る過去の恐ろしい悪行とは!?「くるぐる使い」とはいったい何か!?第25回星雲賞受賞の傑作短編小説を完全マンガ化!!
語り継がれる忌まわしきバスカヴィル家の呪い。サー・チャールズがなぞの死を遂げ、依頼を受けた名探偵シャーロック・ホームズが事件解決に乗り出すが…!?ホームズの華麗なる推理が冴える!!『ネムキ』の大人気シリーズいよいよ登場!!
月曜日の人魚
月曜日に自殺したお姉ちゃん…。お姉ちゃんを苛めた奴を許さない!妹の遥は復讐を誓うのだが…。「人は死ぬと人魚になるんだよ」――美由起お姉ちゃんは死んで人魚になったの?表題作「月曜日の人魚」をはじめとする全5編を収録した「ホラーな」読み切り作品集!!
グリム童話を諸星流にアレンジしたブラックメルヘン作品集、待望の文庫化。表題作のほか「Gの日記」「夏の庭と冬の庭」「赤ずきん」「鉄のハインリヒまたは蛙の王様」「いばら姫」「ブレーメンの楽隊」「ラプンツェル」の計8編を収録
古今東西の童話や民話を諸星流にアレンジした、魅惑的なブラック・メルヘン!!『瓜子姫とアマンジャク』、『シンデレラの沓』、『見るなの座敷』、『悪魔の煤けた相棒』、『竹青』の5編を収録。諸星ファンにとっては絶対見逃せない一冊です。
晴明。
かつて陰陽寮に化け物と呼ばれた男がいた。安倍晴明、それはあまりにも人と違う力を持ち、疎まれ、実の父親にも捨てられた。ある日黄櫨染を着た「一言主」が現れ、京に災いが起こる…。一言主の咒による殺戮がはじまり、晴明もそれに巻き込まれてゆく。原作で描かれている“痛み”の行方を猪川朱美が切り出す!晴明。第一巻!
百鬼夜行抄の人気キャラクターである妖魔・尾白と尾黒に焦点を当て、2匹にまつわるエピソードを収録。雑誌掲載当時のカラーも再現して魅力たっぷり。
鏡花夢幻
播州姫路・白鷺城。あれは美しい魔の棲む処でございます――。美しく威厳ある妖怪たちと、彼らに魅せられ、彼らの世界に引き込まれていく人間たちを、日本情緒あふれる夢幻的世界を、波津彬子が流麗な筆致で描きつくした傑作作品集。泉鏡花の三大戯曲「天守物語」、「夜叉ヶ池」、「海神別荘」を完全漫画化!
砂の上の楽園
砂漠の真ん中の都市国家ミモ――周囲を高い城壁に囲まれた街に国王暗殺の密命を帯びて潜入した男アシラーを待ち受けていたものは!?表題作「砂の上の楽園」のほか、「夜の森の底に」「僕は旅をする」「雨になればいい」の計4編を収録した、ファン待望の読み切り作品集!!
中世ヨーロッパのような世界が舞台。突然起こったクーデターで、城を追われたお気楽な王子が、放浪しつつ、自国の民の真の姿に気づき王子としての自覚を育む成長譚。
唐人屋敷
私は“おはらい”を生業としている。古い屋敷に憑き、悪魔祓い(エクソシスト)では効き目のない東洋系のモノをはらうのが仕事だ――。黒のスーツ・黒のネクタイ、黒眼鏡、そして黒の手袋。全身黒ずくめの渋~いお祓い師と、もののけに好かれるアシスタント君の、オリエンタル・オカルト・コミック!!
もうかれこれ30年近く前、アマチュア時代から知っている漫画家で、少女漫画的なホラーが得意な人という印象でした。ところがこの作品はちょいとテイストが違っていて、ホラーというよりは奇妙な話。アーティストの大槻ケンヂの短編小説を原作にし、少女漫画ではまず見ない、怪しい方向にベクトルを向けています。なにせタイトルからして「くるぐる」使い、ですもんね…。これ即ち狂人のことです。くるぐるにされた特殊能力をもつ少女と、その少女を見世物にするくるぐる使いとの間に起こった悲劇を、老人が語るという構成。かたや人為的に精神を破壊され、かたや望んで人の道を外れた二人の末路は相当に哀れ。ですが、その二人が失くしたもの、失くしてはいなかったもの、そして失くして知ったものを本当に丹念に描いており、いい意味で先入観をひっくり返されました。アングラ仕立てにも関わらず感動的ですらあるので、心して読んでください。