月刊アクションの感想・レビュー83件<<1234>>前向きだからいいけれど清く貧しく 菅原じょにえる野愛いつでも明るく前向きで、貧乏だけど楽しく暮らす女子高生の亜美。 段ボールや不用品を使って遊び道具を作ったり、バイトも勉強も学校生活も全力で楽しむ姿勢がかっこいいです。 亜美の弟をバカにする男の子も、亜美を敵視するクラスメイトも、いつのまにか彼女の純粋さ天真爛漫さに魅了されてしまいます。 明るくて可愛くて性格も良くて頑張り屋さんで家族想いで働き者で……こんな主人公、最後の最後には報われるに決まってる! と思いながら読んでいたのですが現実は厳しいですね。現実は厳しいなんてわかってるので、漫画の主人公である亜美ちゃんぐらいは手放しで幸せになってほしかったんだなあ……。 決してバッドエンドではないのです。最後の最後まで亜美ちゃんは前向きだし笑顔でいるのです。いいお話だと思います。 でもさあ、と思ってしまうんです。亜美ちゃんが笑ってるからいいけどさあ……。酔い子は良い子二日目の酔い子ちゃん 市川ヒロシ六文銭この著者の作品、なんとも形容しがたいのですが、好きなんです。 ふんわりというか、ぼんやりというか、優しい雰囲気。 この良い感じのゆるさに謎の魅力があってスルスル読んでしまいました。 題材も、酒飲みの話。 二日目とタイトルにありますが、普通に一日目も描いているので安心してお読みください(何が?) 基本的には飲んで酔っ払ってグダグダして~な流れなんですが、よいこの飲みっぷりが良いので読んでいて気持ちいいです。 また食べ物も本当に美味しそうに食べるので、なんだか嬉しくなります。 グルメ漫画だから「美味しそう」ではなく、 よいこ、美味しいもの食べれて良かったね~ と、なんか餌付けしているような気分になるから不思議。 それだけ主人公が魅力的なんだと思います。 仕事もできるし、コミュ力高いし、何より色んな人に気配りできる姿は、まさに良い子そのものです。 最後によいこの名言のせておきます。いい言葉だなと思います。 お酒を飲むのが楽しいってことは、毎日が大変なおかげ 休肝日つくらないとな二日目の酔い子ちゃん 市川ヒロシ野愛飲み過ぎた翌日、部屋に謎のものがある現象は正直わかります。謎のレシート、謎のゴミ、謎の着信履歴…こわいですね。でもさすがに謎の朝定食は経験したことないかなあ。 そんな毎日二日酔い上等なよい子さんが主人公の作品です。 一歩間違えたらアル中のよい子さんですが、仕事はできるしコミュニケーション能力が半端ないし結構いいヤツです。 誰にでも何にでも興味を持って懐に飛び込んでいく姿勢が素晴らしいし、頑張ったあとの酒だからうまい!という美学も立派です。 二軒目以降は遠慮したいけど一軒目なら一緒に飲んでみたい気もします。家族のカタチ弟の夫 田亀源五郎starstarstarstarstar干し芋父子家庭の弥一と夏菜の元に、カナダから弥一の双子の弟の涼二と結婚したマイクが訪ねてくる。 弥一は、マイクが夏菜に親戚のおじさんと自己紹介したことに違和感を感じる。それは、涼二から以前にゲイだと告白されていた時から心のどこかに引っ掛かりを感じ、カナダに行ってしまった弟と疎遠になったことの原因でもある。 しかし、3週間マイクとの生活を続けていく中で、周りの声や反応、日本でのゲイという存在に対する見えない差別を感じ、自分自身も同じく差別していたことに気付く。 娘の夏菜は、友達にカナダ人のおじさんがいることを自慢し紹介したいが、友人の家族が悪影響を及ぼすという理由でドタキャンされる。 子どもの素直な感覚と、大人の世間体を気にする感覚のズレも、よく描かれている。 ゲイの人への差別、カミングアウトのタイミング、大人のいらない噂話、まだまだ見えないところではびこっている社会に、人間としての家族としての大切なものを教えてくれるとても素敵な作品です。 自分に置き換えて考えてみると・・・。君になれ 高野苺starstarstarstarstar干し芋自分の夢に向かって進んでいく太陽。 その太陽が、自分とバンドを組んでくれる仲間を探していた。 そこで、声をかけたのが、同じクラスだけと話したこともない、光だった。 それぞれの挫折があって、今があって、人生中々思うようにはいかない。 自分の大好きだったものが、何かのきっかけで嫌いになり、それに近づかなくなる。 そして、他のものに興味を持って新しく始める。 元々持っている才能と続ける才能。 でも、私は、諦める才能も必要だと思う。 どこで区切りをつけるかで人生変わってくるから。ただのBLギャグではなかった本橋兄弟 RENAさいろくBL要素は意外とないというかネタでしかなく、本編はちょいちょい合間に挟まる人情味あふれるイイ話の方。 行動が全盛期の松本人志のコントを上回りそうな勢いがあるアリ好き智也(ムキムキ)。 バイト先(喫茶店)のオーナー(ガチホモでムキムキ)。 クラスメイトの美少女(腐女子)に美少年(魔法少女崇拝)、後輩(腐男子)などに囲まれて過ごす主人公の貴也(ムキムキ)のストーリー。 主にムキムキしているけど非常に読みやすく、クドくもなく、後を引くいい作品。説明しすぎな骨董品屋京都寺町三条のホームズ(コミック版) 秋月壱葉 望月麻衣名無し骨董品や美術品はを言葉をしゃべらない。 けれど名品は見るものが見れば多くのことが伝わる。 しかし世の中は目利きの人ばかりではないので、 ときに鑑定人による説明が必要となる。 説明をしてもらうのならばわかりやすくしてもらうのに 越したことはない。本来ならば。 「京都寺町三条のホームズ」はまだ第一巻しか読んでいない。 この先に二巻以降を読みたいかと言われれば複雑ではある。 第一巻のなかでとても面白いと思った話もあるのだが、 話の中には、こういうのは好きじゃないな、 と思える部分もあったので。 もしも第二巻以降が、 犯人はだれだ、みたいな話じゃなくて 色々な骨董品の様々な意味や価値を、 読んだ人間がそれぞれに自由に想像して楽しめる、 みたいなそんな話が多いのなら読んでみたいと思った。 主人公が語りすぎるように感じた。 物言わぬ骨董品や美術品にかわって名鑑定人の主人公が語る。 語り方には品があるし内容に説得力もある。 ちょっとした洒落っ気もある。 しかし骨董品には語らない良さもあると思うのだ。 骨董品自体がしゃべれないからこそ感じられることや、 見てわからない人には説明してもしょうがないことや、 むしろ説明しないほうが良いことすらあると思う。 主人公・ホームズには殆どそういう考えはないようで、 その品の故事来歴から価値価格、作者の意図まで とてもわかりやすく説明する。 鑑定人や探偵としては名人だし有能なのだろう。 しかし商売人とては儲からんことしかしていないし、 趣味人としては野暮なレベルに感じた。 またページに限りのあるミステリ漫画だからしょうがないが、 絵に雰囲気や情緒を出す役目をふりすぎていて、 セリフや文章に、物語の説明の役目を振りすぎな気もした。 さらに主人公以外も登場人物が殆ど 素直すぎるレベルで心中を詳しくわかりやすく吐露する。 わかりやすいし話はやいけれども、 そのへんはもうすこし抑えて、秘するが華というか 各人の心の中に収めて終了、とかのほうが 良かったんじゃないかと思ったりした。 そもそも犯人捜し、みたいな話になると、 限られたページ数で登場人物も少ないのに 伏線も張りつつ意外な結果だと演出しなければならず、 言葉でのはしょったような説明が多くなり、それでいて こいつしか犯人はいないよな、と早々に分かりやすい。 最後になって、それまで登場していない人物を犯人として 登場させるわけにもいかないのだからしょうがないが。 「漫画文化論」みたいなことを主人公が語る話もあって、 それはすごく興味深かった。 けれども同時に 「いやいやいくら何でも漫画の業界人でもないのに どこでそんな知識を習得して理解して 説明できるようになったんだよ」 とも感じてしまった。 あなたホントは骨董品屋じゃなくて漫画業界人じゃないの、と。 二重の意味で面白く感じたけれど(笑) ちょうどいい待ち時間踏切時間 里好野愛電車が通過するのを待つ間。降りた遮断機がまた開くまでの間。 一瞬のような、時が止まったような、限られた時間を切りとった短い日常漫画です。 踏切を待つ間だけ妙にセクシーな同級生をじっと見つめられたり、隣に立っているのにSNSで会話したり、閉じた遮断機から想像を膨らましポエムをしたためたり…短い短い間で、登場人物たちは物語をちゃんと動かしていくのです。なんもしないでボーッとしているように見えても、心のうちは目まぐるしく動いています。 もうちょっと長かったら間延びしちゃうかもしれない、もうちょっと短かったら物足りないかもしれない。踏切が開くのを待つくらいがちょうどいい。 学生の日常を切り取るのにちょうどいい「踏切時間」という題材を見つけた作者の発想か何よりも素晴らしいです。天才の所業。 ホラーテイストだったり甘酸っぱかったり、でも最後はコミカルでほのぼの終わるのがとても心地よいのです。踏切以外の瞬間も知りたくなっちゃうけど、その距離感がまた良いのです!フィクションと現実の違いを全く理解しないまま大人になってしまったけどなんとかなった人恋愛3次元デビュー~30歳オタク漫画家、結婚への道。~ カザマアヤミ名無し※ネタバレを含むクチコミです。妖しい力を持つ古物を手にした人間は…瑠璃宮夢幻古物店 砂原真琴 逢坂八代名無しあまり普段読まないジャンルの漫画だったけど、アンリミで3巻まで無料で読めたので手を出してみた。購入した人間の境遇や感情によって様々な力が及ぼされる古物を売っている店が舞台。世にも奇妙な物語的なホラーやサスペンスっぽさもある、なかなか読みごたえのある話が多い。基本は1話完結だけど、キャラクターによっては再登場したり、その身近な人間が主役になったりするので、古物がもつ力以外のところでも物語として入り込める要素がたくさんあります。 なにより、古物店の店主・真央の正体がいちばん謎。見た目は若くてきれいな女性だけど、年齢不詳。経歴や生まれ、家族がいるのかも3巻の時点では何も明かされない。古物よりも妖しい存在です。 かわいい子がおいしいご飯食べてるとこを見たいんだ買い食いハラペコラ 藤こよみ野愛かわいいは正義、おいしいは正義。かわいい子がおいしいご飯食べてたらそれはやっぱり正義。 かわいい女子高生トンちゃんとかわいい女子高生あーこが仲良くおいしく買い食いをするだけのお話。それ以上もそれ以下もないです。かわいくて元気で仲良しな2人がおいしくて幸せならもうそれでいいです。 むちむちとつるぺたという記号的な描かれ方をしているトンちゃんとあーこですが、属性とかエロとかそういうことじゃなく正反対に見える2人が仲良くしている尊さや瑞々しさの意味合いを強く感じました。ひたすらに爽やかでいい子で毒がなくて悪い人や不味い食べ物が出てこないところがまるっと愛おしいです。 立ち食いそば屋でこんな女の子に出会ったら海老天とかき揚げとコロッケ買ってあげちゃう。尊い。圧倒的な才能を目の当たりにした時の嫉妬、焦燥、そして憧憬 #1巻応援放課後のサロメ 星窪朱子sogor25舞台は大阪にある府立芸術高等学校。 主人公の喜多蓮二は実技入試をトップで合格し、周囲からも一目置かれる存在でした。 そんな彼のクラスに家庭の事情で入学から一月半ほど学校を休んでいた林原ナオミが現れたところから物語が始まります 物語の中心人物である蓮二とナオミとでは芸術に対する向き合い方や持っている才能、自分が創作活動を行う目的などに大きな違いがあります。 その違いを主人公の蓮二は鋭敏に感じ取って、彼の中ではナオミに対する嫉妬や焦燥、憧憬などの様々な感情が渦巻いていきます。 この作品は蓮二の目を通して描かれる芸術や創作活動、それに伴う才能についての物語であり、それに加えて美術高校という少し特殊な環境で紡がれる蓮二とナオミ、そして周囲の人々との青春の物語でもあります。 タイトルの『放課後のサロメ』は1話の冒頭カラーで描かれた4ページの場面を表していると思うのですが、この冒頭のページだけでも是非読んでみてほしいと思えるような、文字だけでは表現できない魅力が詰まった作品です。 1巻まで読了手塚治虫を想起させる未来を描いた小さな?物語人間のいない国 岩飛猫さいろく人間のためのゴーレムはロビタを思い出させる。 そんなところもあって世界観はよく考えたら火の鳥未来編を彷彿とさせる部分も少しあるけど、舞台は人間がいない街、主役はそんな街でふと目覚めた一人の少女。 絵柄や展開は手塚っぽくはないし、独創的なデザインのゴーレム達は魅力的である。主人公のシィとバルブの謎解きゲームのような探検は始まったばかりで、今後どうなるのかとても楽しみな作品。 3巻簡潔でちょうど良い地球侵略少女アスカ 伊藤伸平yrsk1話ためし読みで百合センサーが反応したので一気に購入。 しっとり感情的………ではないですが、SF好きやギャグ多めが良い方は好きだと思います。登場人物は当然のように女性ばかりでラブの矢印も女性キャラのなかで回っているので総合女の子いっぱいここが花園か………という感じ。 最終巻のあたりは時事ネタも入っているので気になる方は早めに読むことをおすすめします。人外好きでもそうでなくても人間のいない国 岩飛猫yrskTwitterで見かけて1巻購入。 人間の女の子がゴーレムばかりの世界で自分は何者なのかを追っていく話です。話さず目しか動かなくても不思議と感情豊かなゴーレムに人外好きの方もそうでない方もきっとはまることでしょう。 表紙に出てくるゴーレムのほかに新たなキャラクターも登場し、この先の展開がとても楽しみです!日本人的LGBTへの偏見とそれを受ける人の気持ち弟の夫 田亀源五郎さいろくすごい色々な視点で描かれていて、ストーリーも普通に良かったし勉強にもなりました。 実際に自分の兄弟姉妹が同性婚した、ないしはカミングアウトしてくれたとして、その事実をどう解釈するのかなーと思いましたが、やっぱり本人が幸せだったらなんでもいいんじゃないかなと考えたりしました。 複雑なようでとてもシンプルで、「愛」と「世間体」と「親」「家族」をテーマとしたいい作品でした。 正直、最初は面白半分で(というか下世話な興味で)1巻無料の時に読んだんですが、すごく真剣なマンガだったなぁ 17歳を過ぎてもなおラストメンヘラー 天野しゅにんた 伊瀬勝良野愛わたしたちは「あなたにはわからない」と「あなただけはわかるはず」の狭間で生きている。 なんて言うと、ちょっと主語が大きすぎるかもしれないけれど。 わかってほしいとわからないでしょうを揺れ動きながら、世界に折り合いをつけて騙し騙し生きている。わかんないけど、多かれ少なかれみんなそうでしょう?だから、こういう作品に心動かされてしまうんでしょう? 少なくとも、わたしはそうです。 心に闇を抱えたリストカット常習者の五十嵐と、彼女に恋するあまりとある嘘をついて理解者のふりをする要の物語。 恋愛物語とかメンヘラのお話とかカテゴライズしてしまうのがもったいないくらいに、純粋で剥き出しで痛々しくて、人と人の関わり合いにおける大切なものがこれでもかというくらい詰まった作品だと思う。 肌と肌を触れ合わせるだけで伝わることもあるし、言葉を尽くしても伝わらないこともある。どんなに近づいても、好きで好きで仕方なくてもわたしとあなたの間には隔りがあるのだ。だからこそ、実際に理解してくれているか理解しているかはさておいて、手を取ってくれる人がいることが幸せなんだ。 不確かな「わかるよ」よりも、確かな「わかりたいんだ」のほうが暖かいんじゃないか、そんなことを思った。 わかっているけど、わかんなくなっちゃうことに気づかせてくれた作品でした。堂々と叩け! お嬢様は和太鼓で変わる!和太鼓ガールズ すたひろあうしぃ@カワイイマンガ生の「一音」で持っていかれる音楽体験は、長い人生でも得難い貴重な体験である。それはバッハのゴルドベルグ変奏曲の一音目であったり、テクノの一発目のキックだったり人それぞれだろうが、その経験は時に人を狂わせ、時に人を救う。 『和太鼓ガールズ』の主人公・ミッション系お嬢様学校に通う環は、和太鼓の強烈な「一音」に、人生を変えられる。 それまで品行方正に、そつなく八方美人に己を作り上げてきた環は、言葉を失ったシスター姿の上級生・マリアの放つ和太鼓の響きに、心を奪われる。 初めて感じた音楽の喜びのために、少しずつ思い切って自分を変えていく物語は、解放の喜びに満ちている。 この物語のメッセージは、添付の画像に込められているだろう。何かの為に、照れず・恐れず・自分を曝け出す。その先に新たな光景が待っている!和太鼓の為に変化した環が獲得した真の聖性は、周囲も、私達をも魅了する。 描き込まれた圧の強い画面は、和太鼓が常に鳴っているような迫力と熱気、昂る感情と和太鼓部設立を巡るドタバタコメディが凝縮されていて楽しい。 ♫♫♫♫♫ マリアの物語や、周辺人物との関係などまだまだ描ける内容はあったと思われる。現在(2020年7月)作者のすたひろ先生によってkindleで、『和太鼓†ガールズ~改訂版~』が始まっている。 作品ページはこちら https://manba.co.jp/boards/121523 1巻は旧作の大幅な改訂だが、ニコニコ静画で一部見た限りでは、かなり人物の感情描写にリアリティを増している。果たして2巻より先の物語は描かれるのか……? そして2020年秋には実写映画化とのことで、この機会に色々チェックしてみると良いかも知れない。八王子のヤンキー工業高校生4人組が異世界へ!! #1巻応援異世界ヤンキー八王子 奥嶋ひろまさたか※ネタバレを含むクチコミです。 王様ゲームの原点にあたる話王様ゲーム 起源 金沢伸明 山田J太名無し『王様ゲーム』シリーズの起源となった話のコミック版です。『王様ゲーム』本編よりも数十年前、1977年を舞台に、『臨場』の本多奈津子の父親・本田一成が主人公です。 とてもきれいな絵柄なので、ホラーでも読んでいてつらくなく、シリーズ一気読みしてしまいました。サスペンスやミステリーが好きな方にもお勧めしたいです。ほとんど絵が動かない受付嬢たちの斬新な漫画受付の白雪さん 吉沢緑時名無し受付嬢のギャグマンガということで興味を持って読み始めました。 最初に思ったのは、この漫画「キャラがほとんど動かない!」ということです。 主人公の白石さんなんて見開き2ページ合計16コマ全て正面向いて表情も同じという斬新さがすごかったです。 それでも、受付のテーブルの奥(正面からは見えない)ではわさび入りシュークリームを相方の受付嬢と食べあったり、空気椅子大会をしたり、あげくにはラジコンで遊んでたりと常に何かで遊んでいてほとんど動かないのに面白い展開がたくさんあってさくっと読めました。ジワジワと読みたくなる漫画カワセミさんの釣りごはん 匡乃下キヨマサ名無し金髪ヤンキー娘と真面目少女の良くある組み合わせのコンビで物語は進んでいくが、釣りと料理の描写が手抜きなくされているのに好感がもてる。 昨今“〇〇めし”というジャンルの漫画が増えているが、そのなかでは“釣り&アウトドア”という流行りのスタンダード、悪くいえばありきたりな素材を用いている。 だがそれをありきたりだと思わせない良さがある。料理、釣りシーンの表現力とコミカルな登場人物たちのバランスが優れているのだろう。 次は何の魚を釣るのだろう?と興味を抱かせてくれる漫画と言っていいだろう。 無機質のなかに"やさしさ"が感じられる物語 #1巻応援人間のいない国 岩飛猫sogor25その国には400年の間、人間がいなかった。そこには自律式人形(ゴーレム)のみが活動しているだけ。そんな国に現れた1人の少女・シイ。彼女には昨日までの記憶がなく、なぜか三角頭のゴーレムに追われている。追われる中で駆け込んだ電車の中で、同じく電車に乗っていたゴーレム・バルブに助けてもらったことから物語が始まる。 シイの出自はほとんど謎に包まれており、物語が進むにつれて本当に少しずつ明らかになっていく。そしてその中で、賢いながらも年相応の感受性を持ち合わせているシイと会話機能すらなく心を持たないはずのバルブとが交流を深めていく様に素直に心を打たれる。表情豊かなシイと本来無機質であるはずのバルブの交流の中に不思議と"やさしさ"が感じられる。ちなみにバルブには違法改造を施されていることを示唆する描写があり、もしかしたらバルブのほうも何か秘密を抱えているのかもしれない。 また、舞台となる国は人間がいないにも関わらず荒廃しているわけではなく、多くのゴーレムたちによりあたかも社会活動が保たれてるかのような雰囲気を見せる。それは人間がいなくなった後も"人間への奉仕"という指示をゴーレムが守り続けているためで、形だけの国が保たれているからこそもしかしたら本当の意味での"ポストアポカリプス"を描いているのかもしれない。その雰囲気だけでも是非感じて頂きたい作品でもある。 1巻まで読了キューッ!キュウーーッ!少年アシベ GO! GO! ゴマちゃん 森下裕美 Team Goma おぎのじゅんこラブテレビアニメ版を元にしたコミカライズです。4コマでは味わえない大きなサイズでゴマちゃんを堪能できます。ゴマちゃんの「キューッ」という高い声を脳内再生して、笑顔でハァハァしながら読む時間が最高に幸せ。ああ〜〜もう可愛いなあゴマちゃん。<<1234>>
いつでも明るく前向きで、貧乏だけど楽しく暮らす女子高生の亜美。 段ボールや不用品を使って遊び道具を作ったり、バイトも勉強も学校生活も全力で楽しむ姿勢がかっこいいです。 亜美の弟をバカにする男の子も、亜美を敵視するクラスメイトも、いつのまにか彼女の純粋さ天真爛漫さに魅了されてしまいます。 明るくて可愛くて性格も良くて頑張り屋さんで家族想いで働き者で……こんな主人公、最後の最後には報われるに決まってる! と思いながら読んでいたのですが現実は厳しいですね。現実は厳しいなんてわかってるので、漫画の主人公である亜美ちゃんぐらいは手放しで幸せになってほしかったんだなあ……。 決してバッドエンドではないのです。最後の最後まで亜美ちゃんは前向きだし笑顔でいるのです。いいお話だと思います。 でもさあ、と思ってしまうんです。亜美ちゃんが笑ってるからいいけどさあ……。