華麗なる企て
頭のからっぽな貴族と結婚するくらいなら身分は低くても尊敬できる人と結ばれたいわ。伯爵令嬢ソフィアは両親の反対をよそに運命の恋に憧れていた。そんなある日、新入りの馬丁ベンに危機を救われ、その思いやりと歯に衣着せぬ物言いに惹かれていく。一方、ベンは彼女との距離が近づくにつれ危機感をつのらせていた。実は彼の正体は貴族――シャーンブルック公爵なのだ。彼女にひと目惚れしたものの貴族嫌いという噂を聞き、一計を案じて伯爵家に潜りこんだのだが…。
中世イングランド。親が決めた結婚をひかえるロザモンドは、ひとときの自由を求めて城を抜け出した。悪党にからまれたところを助けてくれたのは騎士キーナン。領主の娘ではない、ありのままの自分を見てくれた男性は初めて…。禁断の恋に落ちてしまったふたりは一夜だけの情熱をかわす。翌日、婚礼を祝う武芸大会でキーナンはある決心を胸に槍をとる――! 他、魅力的に変身した彼の姿に心ときめくのは、恋の都に酔ってしまったから? 「パリでの出来事」同時収録。
塔を守る貴婦人
城主だった父を亡くして以来、男装して領地を守り続けてきたジュリアナ。母の遺した美しい貴婦人のガウンに袖も通さず、ささやかなレディのたしなみと言えば、香りのよい石鹸をそっと使うことだけ――。そんなジュリアナがある晩、危険を知らせる音を聞き森へ向かうとひとりの男が倒れていた。深手を負ったその男を塔へつれ帰るが意識を失ったままだ。でもほんの一瞬、目を覚ました彼の青い瞳に、彼女のハートは完全に射貫かれてしまう。なんて美しい男性なの…!
狙われたスワン
キットはここ数か月、正体不明の脅迫状に怯えていた。そんな時、姉に気分転換になるとバレエ公演に誘われるが、なんと購入したパンフレットにはさみ込まれた脅迫状を見つけてしまう!!恐怖も限界に達したキットは、突発的に舞台裏に駆け込み、目の前にあったバレエの白鳥の衣裳を着てそのまま家出してしまった。白鳥の姿のまま、彷徨っていたところを美しい医師ジャロッドに助けられ、数か月ぶりに安らかな眠りについた彼女はやがて恋に落ちるが…?
不思議な能力をもつグローリーは、ある吹雪の夜、1人の男性ワイアットの命を救った。透視や予言ができるグローリ-は、その能力のせいで世間から気味悪がられていたけれど、家族の愛に守られて幸せな日々を送っていた。それが突然、何者かによる放火で家族も家も失ってしまった。恐怖と孤独の極限で、グローリーはワイアットに<距離>を超えて救いを求めた。あの事故以来、会うこともなかった人なのに、なぜか彼が自分を助けてくれると確信できたから。
玉の輿にのった親友から、カリブ海の別荘への招待を受けた図書館司書のマギー。一生に一度の思い出に…と別荘のある島に来た彼女は、真夜中の浜辺で裸の男性を目撃!彼は雑誌で「世界一結婚したい男」と評される実業家コナーだった。彼の傲慢な態度に怒りを覚えたものの、マギーはその魅力に抗えなくなっていき…。
美しすぎる暗殺者
海辺のレストランを経営するエリザベスには、つらい過去があった。少女の頃に両親を殺されたのだ。以来、人と距離を置いてきたエリザベスのもとに、ある時、エイダンと名乗る見知らぬ男がふらりと現れ、バーテンダーとして雇ってほしいという。彼はどこか謎めいて美しく、エリザベスは心にブレーキをかけようとしたのに彼にとめどなく惹かれてしまう。だが彼にはある秘密があった。エイダンはエリザベスに近づき、用意周到に罠を仕掛け、彼女を捕らえつつあった!
炎のダイアモンド
1870年テキサス。大牧場主オニキスが何者かに殺された。容疑者のアダムスは無罪。オニキスの一人娘ダイアモンドは、緑の瞳を燃え上がらせ彼に言った。「法で罰せなくても私はあなたを許さない!」だがアダムは、彼女の腕を掴み囁いた。「俺に近づくな」…彼の瞳に時が止まる。憎むべき相手にときめきを感じるなんて!!
消えたプリンセス
16世紀イタリア。ルネサンス文化華やかなりし頃。婚約者の顔も知らないまま結婚するマリーナ姫は、輿入れの最中、覇権を争う隣国の君主に誘拐される!あわや略奪婚か…。とその時、新たな略奪者が現れて、姫の運命は二転三転。成り行きに身を任せる姫だったが、賊の首領ニッコロとの旅は想像以上に楽しくて…。
キャメロン・トラバース。実業家で世界的に有名なミステリー作家でもあるハンサムな彼のもとで、家政婦兼アシスタントをすることになったラリー。期間は彼が手がける仕事の完成までの8週間。多忙な彼の雑用をひき受け、もっと仕事に集中できるようにするのが役目だ。だが、肝心な小説のほうはスランプのよう。「彼の力になりたい」そう思うラリーはアドバイスをするが、逆に彼はラリーの琥珀色の瞳を見つめ、ある提案をもちかけてきた――!?
アマンダは見慣れない部屋のベッドで眠っていた。逞しく温かい腕に抱きしめられ、思わずキスをしてしまった瞬間、目を覚まし驚いた。夫と思いキスした相手は、見知らぬ裸の美しい男性だったのだ。アマンダはなんとか記憶を辿り、思い出した。この男性と乗り合わせた馬車が横倒しになって地面に激突したことを。その時、彼はその腕にアマンダを抱き締め、怪我をしないように守ってくれた。お礼を言い名前を尋ねると、男性は名前はおろかすべてを忘れ去っていて…!?
ジェシカは新進の映画監督。彼女は映画化を嫌うベストセラー作家・マシューの作品の映画化の許可を取ることに成功した。撮影の予定場所に着いた彼女は、スタッフのひとりが倒れているのを見つけたが、そこに現れたのが原作者のマシューだった。そして、その時からふたりの周りには怪奇事件が立て続けに起こり始める。そんななか、ジェシカは思いのほか若くて美しいマシューと親密になっていくが、彼には何か人には言えない秘密がありそうだった…!!